プラスチックの使用を減らし、サステナブルな子育てを実現する3つの方法
子どものおもちゃは、世界のプラスチック廃棄物が増加している原因の一つとなっています。 Image: Unsplash/Huy Hung Trinh
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プラスチックと環境
- 地球にやさしく、サステナブルな方法で子育てをするのは、容易なことではないかもしれません。
- 乳幼児製品の多くはプラスチック製で、完全には生分解することができません。
- 世界経済フォーラムの「コンシューマーズ・ビヨンド・ウェイスト」イニシアチブは、再利用モデルへの転換を促進しています。
子どもを持つと、生活のほとんどすべてに大きな変化が生じますが、環境への影響も例外ではありません。
離乳食やおやつのほとんどは、プラスチックで個包装されており、多くのブランドのおしりふきには完全には生分解できない樹脂が含まれています。さらに、紙おむつは世界のごみの埋立地の主要な構成要素となっていることなどを考えると、環境に配慮したサステナブルな方法で子育てをすることは、難しいことのように思えてきます。
子どもの乳幼児期にごみを出さないようにすることは、ほぼ不可能です。赤ちゃんのおむつ交換は、最初の2年半で約4,000回。1トン近くの使い捨てごみを出すことになります。従来の紙おむつは、分解に最長で500年かかるとも言われています。
しかし、テクノロジーと私たちの常識は、こうした課題にいくつかのソリューションを提供することができます。よりサステナブルな方法で子育てをする3つの方法を、以下に紹介します。
1. おもちゃやその他の材料を再利用する
多くの人が、すぐに使われなくなるプラスチックの壁をおもちゃ屋さんで見た経験があるでしょう。コロンビアを拠点とするトイノーヴォは、子ども向けのリソースへのアプローチを変えるため、教育、育児、ゲーム教材などの分野でのサーキュラーエコノミーの構築を目指しています。トイノーヴォは、本来なら埋め立て処分されてしまうような玩具を修理し、再循環させています。
同社は、家庭、学校、企業と協力し、商品を購入する前に「試用」するという考え方に基づいたビジネスを展開しています。消費者は、その商品を試した上で購入することができ、使わなくなったら再循環させることができます。学校や家庭は、使わなくなった物を交換してポイントを貯めたり、脆弱な立場に置かれている人たちのコミュニティに寄付したりすることもできます。
世界中で、中古品を売買できるオンライン・マーケットプレイスが人気を集めており、ポッシュマーク、シアンユー、ヴィンテッド、デポップ、イーベイ、シュポックなどはその主なプラットフォームとなっています。
2. おむつのより良い未来
乳幼児用だけでなく、大人用の需要も増加しているおむつは、世界最大のごみ問題の一つです。ある調査によると、米国だけを見ても、年間約10%のペースでおむつの売り上げが伸びており、今後5年間で6%の成長が見込まれています。
こうした状況を考えると、紙おむつに対するソリューションを見つけることは、子育てや介護をより環境に優しいものへと変化させるための重要な一歩となるでしょう。
ジーダイパーズ社は、プラスチックフリーの紙おむつを開発し、配達・回収サービスも提供しています。その目的は、プラスチックフリーの紙おむつをコンポスト化し、埋め立てを阻止することで、プラスチック汚染を根源から食い止めることです。
また、ウェールズのナッピーサイクル社も、紙おむつのリサイクルサービスを通じて、回収したおむつをパネルボードなどの製品に再利用することで、何百万枚もの紙おむつがごみの埋立地へ行くことを妨げています。
3. サステナブルなショッピング
変化を迅速にもたらす最善の方法は、協力です。世界経済フォーラムの「コンシューマーズ・ビヨンド・ウェイスト(Consumers Beyond Waste)」イニシアチブは、再利用を促進し、最終的にはプラスチックごみをなくすことを目指しています。同イニシアチブによると、現在、世界のプラスチック生産の半分が使い捨て向けであり、プラスチック包装のうちリサイクルするために回収されているのはわずか14%に過ぎません。
同イニシアチブは、世界経済フォーラムのプラットフォーム、アップリンク(UpLink)を使ってサーキュラーエコノミー・ソリューションを収集・提供し、使い捨てに代わる、魅力的で手頃、かつよりサステナブルな消費モデルを促進したいとしています。
世界経済フォーラムは、循環型経済加速化プラットフォーム(Platform for Accelerating the Circular Economu, PACE)、グローバル・プラスチック・アクション・パートナーシップ(Global Plastics Action Partnership, GPAP)、エレン・マッカーサー財団のニュー・プラスチック・エコノミー・イニシアチブ(New Plastic Economy initiative)など、他団体と密に連携して取り組みを進めています。
私たちは、よりサステナブルな方法で子育てをし、リデュース、リユース、リサイクルをよりよく選択する努力をすることができますが、より効果的に成果を上げるためには、協力することが最善の近道です。連携が強化されることで、消費者を巻き込み、テクノロジーの力を有益に活用したベストプラクティスが共有され、パートナシップが促されるでしょう。
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