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カーボンニュートラルの実現に向け、加速する日本の取り組み

2021年10月に国の地球温暖化対策計画が改訂され、産業構造の変革と経済成長の両立を叶える具体的な取り組みが進められています。

2021年10月に国の地球温暖化対策計画が改訂され、産業構造の変革と経済成長の両立を叶える具体的な取り組みが進められています。 Image: Unsplash/Tom Vining

Naoko Kutty
Writer, Forum Agenda
Naoko Tochibayashi
Communications Lead, Japan, World Economic Forum
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世界経済フォーラムは、{Topic}}に関する行動を加速させるために何をしているのか
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日本

本稿は、以下会合の一部です。世界経済フォーラム 年次総会2023
  • 日本は、2050年までにカーボンニュートラル実現を目指す世界136カ国のうちのひとつです。
  • 政府の気候変動対策と並行して、多様なステークホルダーによる二酸化炭素排出量削減への取り組みが加速しています。
  • 未来の世代が安心して暮らすことができる地球を残すことが、私たちの責務であることを再認識する必要があるでしょう。

気候危機を前にして、世界136カ国が2050年までのカーボンニュートラルにコミットしています。日本も、その一国として、温室効果ガス排出量を2030年までに2013年比で46%削減するという目標を掲げ、カーボンニュートラル実現に向けた歩みを進めています。

政府は、2021年6月に、成長が期待される14の産業の現状と課題を整理したグリーン成長戦略を発表。この戦略の一つとして、2兆円のグリーンイノベーション基金を造成し、蓄電池、洋上風力発電、次世代太陽電池、水素、カーボンリサイクルなど、サーキュラーエコノミーに不可欠な分野を対象とし、カーボンニュートラルに向けた企業のイノベーションを支援しています。

2021年10月には、国の地球温暖化対策計画が5年ぶりに改訂され、産業構造の変革と経済成長の両立を叶える具体的な取り組みが進められています。

サプライチェーン全体でネットゼロを目指す

ソフトバンクは、2030年までに自社の事業活動や使用電力などへの再生可能エネルギーの活用を実質100%に切り替えると同時に、AI(人工知能)やIoTなどの最先端テクノロジーを活用した省エネへの取り組みを通じて、カーボンニュートラルを実現することを宣言。翌年には、取引先などで排出される温室効果ガスも含めた、サプライチェーン排出量のネットゼロを2050年までに実現することを発表し、取り組みを進めています。

ソフトバンクの事業活動に伴う温室効果ガスの年間排出量は、CO2換算で約68万トン。これは、平均的な一般家庭の約25万世帯分に相当します。中でも、全国約23万ヶ所にあるソフトバンクの携帯電話基地局で使用されている電力量は、同社が使用する総電力量の半分以上を占めているとされています。2021年には、この基地局電力の50%を実質再生可能エネルギー化することを同社は達成しています。

加速するペットボトルの循環利用

日本コカ・コーラと国内ボトラー5社、関連会社で構成する、日本のコカ・コーラシステムは、自社の温室効果ガス排出量を2030年までに2015年比で50%減、バリューチェンでの排出量は30%減を目指しています。これは、ザ コカ・コーラ カンパニーが全世界の目標として掲げる25%減を上回る意欲的な水準です。

同社は、グローバルビジョン「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の実現に向けた活動の柱として、容器の100%サステナブル化に取り組んでおり、2021年には国内の清涼飲料事業におけるペットボトル容器のサステイナブル素材の使用率が40%に達しました。日本の飲料業異界の中では最も早い段階でこのマイルストーンに到達し、全世界のコカ・コーラシステムの中でもこの比率は最も高いと、日本コカ・コーラのホルヘ・ガルドゥニョ社長は話します。同社は、2030までに全てのペットボトルを100%サステナブル素材へ切り替えることを目指しています。

また、ペットボトル飲料製品のラベルがない「ラベルレス製品」の導入や容器の軽量化などにより、容器1本あたりのプラスチック使用量の削減にも力を入れています。

これらの取り組みを通じて、日本のコカ・コーラシステム全体で年間約2万6,000トンの温室効果ガス排出量と、約2万9,000トンの新たな石油由来原料から作られるプラスチック料の削減が実現できると見込まれています。

東京都、新築建物への太陽光パネル設置を義務化

東京都では、新築戸建ての住宅などに、太陽光パネルの設置を義務づける条例が成立しました。全国初となるこの条例は、2025年4月に施行されます。

東京都の脱炭素化に積極的な姿勢を見せてきた小池百合子都知事は、2021年に開催された世界経済フォーラムのダボス・アジェンダ会合で、都内の温室効果ガスの排出量を2030年までに2000年比で半減させる「カーボンハーフ」を政策目標とすることを表明しました。これまで、企業などに二酸化炭素排出量の規制を課すなどして、取り組みを進めてきた東京都は、その勢いを加速させるため、都内の二酸化炭素排出量の約3割を占める家庭部門に対するこの施策を打ち出したのです。

2000年度と比較した都内の2020年度の二酸化炭素排出量を見てみると、運輸部門が半減、産業・業務部門が7.4%減少したのに対し、家庭部門は32.9%増加したことが、東京都の調査で明らかになっています。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、在宅率が高くなったことが主な要因として挙げられます。

東京都が国に先行して取り組むこの政策の対象は、2025年4月以降に新築されるビルや戸建て住宅。このうち、住宅については、太陽光パネルの設置義務が課せられるのは住宅を建てる個人ではなく、約50社の大手住宅メーカーです。1年間で建てられる新築住宅約4万6,000棟のうち、半数程度の住宅が設置対象となる予定です。

重要な役割を担うマルチステークホルダー

カーボンニュートラル社会を2050年までに実現するためには、国家政府以外の多様なステークホルダーによるこうした野心的な行動が、重要な役割を果たします。あらゆる分野のステークホルダーが、取り組みを加速化し規模を拡大する上で、より連携を強化することができるよう、2018年に発足した気候変動イニシアティブには、現在727の企業、自治体、NGOなどが参加しています。未来の世代が安心して暮らすことができる地球を残すことが、私たちの責務であることを再認識することが、気候危機への取り組みの加速を後押しするために必要不可欠でしょう。

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