世界で最も豊かな都市といえば、まずニューヨーク、東京、ロサンゼルス、ロンドンなどが思い浮かぶでしょう。しかし、国内総生産(GDP)の年間成長率に目を向けると、アジアの都市、特にインドが他の都市経済圏を凌駕していることが分かります。

 インドが世界で急成長する上位10都市を独占
インドが世界で急成長する上位10都市を独占

研究機関であるオックスフォード・エコノミクスによると、2019年から2035年の間にGDPが最も急成長する都市、上位10位はインドの都市が占めました。

インド北西部のグジャラート州最大の都市であるスーラトは、世界で最も急速に経済成長する都市になるでしょう。

オックスフォード・エコノミクスの報告書によると、スーラトはダイアモンド加工と取引拠点として知られていますが、ITセクターも強く、2019年から2035年のGDPの年平均成長率は9.2%となると予測されています。

第2位はタージ・マハルがあるアグラ。8.6%の年平均成長率が見込まれています。

活況なテクノロジー/スタートアップ分野からインドのシリコンバレーとして知られるベンガルールが第3位に入りました。2035年まで毎年8.6%ずつ成長するでしょう。

年8.47%の成長率で第4位にランクインしたのは、もう1つの技術拠点であるハイデラバード。この南部の都市にはイケアのインド第1号店があります。

インド以外では、カンボジアの首都プノンペンが年間成長率8.1%だったほか、タンザニアのインド洋沿岸の都市ダルエスサラームがアフリカではトップとなり、7.8%でした。

この調査は780都市を対象とし、世界の主要な都市経済圏の年平均成長率を2.8%と予測しました。

調査責任者は、年間2.6%の成長が見込まれる世界経済はこうした都市がけん引すると述べています。

西欧からアジアへ

急速に成長する都市ランキングの上位をインドの都市が独占したという調査結果は、経済の最先端が西欧からアジアへと移行するかもしれないという幅広いテーマにつながっていると、調査責任者は指摘しています。

本調査は、早くも2027年にはアジアの都市全体のGDPが北米とヨーロッパの都市を合わせたGDPを超えると予測します。そして、その差は2035年までに17%にまで広がるでしょう。

中国がアジアの経済発展をけん引しています。現在、上位10都市にランクインしているのは上海のみですが、2035年には上海、北京、広州、深センの4都市がランクインするでしょう。

上海は国内の他の都市と比べても国際ビジネスのつながりが強く、自由主義/自由市場経済を展開しています。中国政府は同市を全アジアの主要な金融拠点に発展させたいと考えていると同報告書で指摘されています。

北京は中国の一帯一路政策の恩恵を最も受けています。広州は南シナ海に隣接する巨大な都市地域で、中国の多くの主要な貿易相手国へのアクセスが容易である珠江デルタ地域で一番の発展を遂げています。

今後10年間の成長の見通し

 世界経済フォーラムの世界競争力指標において、インドは58位に
世界経済フォーラムの世界競争力指標において、インドは58位に

IMFは最新の経済予測において、2019年はインドが中国よりも高い経済成長率を実現すると伝えています。中国の6.2%に対してインドは7.4%と予測されています。

巨大な人口と大規模で成長著しい消費市場を持つインドは今後10年間 で最も圧倒的な成長を遂げるでしょう。

現在、構造改革や海外融資、そして巨大な国内需要により、インドは世界の経済成長の15%を占めています。

世界経済フォーラムの最新の世界競争力レポートにおいて、調査対象の140経済圏中、インドは58位にランクインしました。2017年から5つ順位を上げています。

とりわけイノベーション分野のスコアが高いものの、汚職が引き続き課題とされています。これは資金調達が難しいことや高い税率とともにビジネスの弊害となっています。

インドの都市の急成長は注目されている一方で、こうした課題は経済生産という観点からは、依然として注目されていません。

スーラトのGDPは2035年に27億ドル(約2,900億円)になることが予測されています。これは、ニューヨークの2.5兆ドル(約272兆円)や東京の1.9兆ドル(約207兆円)と比べると微々たるものです。

つまり、現在から2035年までの世界の都市別GDPランキング上位都市はほとんど変わらないとみられています。