日本の父親像が変わってきています。

日本の伝統的な男女の役割分担において、男性は何よりもまず、仕事にすべてを捧げてきました。自身の健康ですら犠牲にしてきたのです。しかし、現在はそうした状況が変わってきています。男性は自分自身の感情を大切にし、父親としての役割を果たすことが求められています。

政府が支援する「イクメンプロジェクト」は、男女間で仕事と育児がバランスよく分担されることを目指しています。特に、2020年までに13%の男性が育児休暇を取得することを目標に掲げています。育児休暇取得を推進する企業を表彰する取り組みも始まっています。OECDによると、日本の男性は最長52週間の育児休暇を取得する権利を持っています。

しかしながら、2012年に育児休暇を取得した男性はわずか1.9%。2015年までには約3% 、2017年までに7%に増加しました。つまり、進展はみられるものの、依然として対応が必要であることが明らかです。世界的にジェンダー平等を実現している国であるスウェーデンと比較した場合、日本は大きく遅れをとっていることが分かります。スウェーデンでは、男性は認められている全育児休暇期間(出生後、最大480日の休暇期間)の4分の1程度を取得しています。

世界経済フォーラムのグローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート2017において、日本は調査対象144カ国中、114位でした。最近の予測では、ジェンダーの平等が進むことで日本のGDPに5,500億ドル(約59.5兆円)の効果がもたらされます。

 日本のジェンダー平等状況:改善傾向を示した図
イメージ: 画像:世界経済フォーラム

当初、イクメンへの注目は2000年代初めの広告キャンペーンにより促進されました。若くハンサムな男性が積極的に育児に関与するというイメージは、現在では多くのマーケティングキャンペーンにおいて重要な要素になっています。従来のサラリーマンとは対照的な父親像が、イクメンなのです。

長時間労働と仕事帰りの「飲み会」文化が深く根付くサラリーマンは、妻にすべての育児を任せます。ジャパンタイムズは、温かくて優しく魅力的なイクメンとは異なり、サラリーマンをだらしなく、二日酔いに苦しみ、酷い悪臭を放つ者として特徴づけていますが、それは献身的な労働者からすると名誉の印とさえもみなされます。

性別の違いによるこの非常に明確な責任の分担は、日本の出生率低下を引き起こす要因として非難されています。1986年にようやく男女雇用機会均等法が施行し、女性が差別を受けることなくキャリアを追求できるようになりました。しかし、サラリーマンの夫のライフスタイルを支えるために自分のキャリアを断念せざるをえない将来を見通した多くの女性は熟年になるまで結婚を遅らせてきています。

現在、日本の人口は、どの先進国よりも急速に減少。2100年までに現在の人口の3分の2まで減り、8,500万人となることが予測されています。

しかし、不均衡を正し、ワーキングファーザーがなにかを見直そうという流れが称賛に値するとしても、抵抗がなくなるわけではありません。それも、特に女性自身からの抵抗があるのです。

ケンブリッジ大学が出版した「クール・ジャパニーズ・メン(かっこいい日本人男性)」の共著者の1人であるハナ・ヴァッサロによると、「少し冷静になって、そうした父親をどれだけもてはやすべきなのか見てみよう」という日本人女性もいます。