世界人道デーは毎年8月19日に記念されます。
世界経済フォーラムのグローバル・シェイパーズやヤング・グローバル・リーダーズの多くは、人道危機の最前線に立っています。
こうしたコミュニティは、世界各地で人道支援を前進させ、強化する方法について見解を示しています。
今日は世界人道デーです。危機を乗り越えようとする人々を支える人道支援従事者の、たゆまぬ努力に感謝する日です。世界最悪級の災害の多くで最前線に立つ、世界経済フォーラムのグローバル・シェイパーズとヤング・グローバル・リーダーズの活動は、誇りであると同時に、私たちにインスピレーションを与えてくれます。
必要とされるときに行動するという彼らの使命感は、世界をより良くし、より包摂的で、公平かつ前向きな未来を実現するという決意と献身に根差しています。人道危機の予防、備え、対応、復興に、より多くの若い変革推進者が加われば、より的を絞った、状況に即した緊急支援につながります。
世界人道デー:5人の若きリーダー
世界人道デーにあたり、危機に直面する地域社会への貢献によって命を救っている5人の若きリーダーに光を当てます。
ニーマ・カセジェ
ニーマ・カセジェは、人道支援団体「国境なき医師団」に所属する小児外科医です。長年にわたり、ケニア、ハイチ、コンゴ、中央アフリカ共和国(CAR)、リベリアで、小児外科医療を提供する体制の構築に取り組んできました。ハイチでは、公的部門で唯一の小児外科医でした。若手医師を訓練することで、小児医療を受けられる人を増やしました。その結果、彼女のチームは、命を救う外科医療を受ける子どもの数を2倍にしました。
「私たちは、幾重にも重なる壊滅的な人道危機のただ中にいます」 とカセジェは語ります。「600万人以上の命を奪ったパンデミックに加え、気候災害、紛争、暴力によって、世界各地で罪のない人々が住まいを追われています。今日、主に女性と子どもからなる1億人が、迫害、暴力、紛争、貧困、社会不安から逃れています。」
カセジェによると、人道危機はより複雑化し、長期化しており、連携した行動、パートナーシップ、連帯を強化する必要性が高まっています。「現在の危機に対応するには、リーダーは包括的かつ統合的な介入策を採用し、それぞれの介入策が互いを強化し、支え合うようにする必要があります。そうすれば、持続可能なものとなる可能性が高まります。」
さらにニーマは、「通常取り残されがちな人々、なかでも人道危機の負担を負うことの多い女性や子どもを、プロセスや介入策にもっと包摂する」よう呼びかけています。
イスラム・イクバル
アフガニスタンのカブールにあるグローバル・シェイパーズ・ハブで社会変革のリーダーを務めるイスラム・イクバルは、次のように訴えます。
「世界人道デーにあたり、人権侵害や戦争犯罪、女性から基本的権利を奪う行為を前に、世界は沈黙してはなりません。国際法、人権、国連人間開発指数の枠組みに基づき、すべての人にとって包摂的で、公正かつ代表性のある未来の基盤を築く時です。」
世界各地で、グローバル・シェイパーズは人道危機の最前線に立つ女性や少女を支援しています。
アフガニスタンでは女性の権利を守るよう呼びかけ、ベネズエラから移住した女性や、亡命希望者、難民の女性が緊急支援を受けて生活を立て直せるよう支援しています。また、避難を余儀なくされたウクライナの女性が良質な仕事に就けるよう、経済的自立を促す取り組みを主導し、メンタルヘルス支援や政策対応も提供しています。インドでは、地域の健康と人道支援に関する取り組みを主導し、女性や少女、月経のある人々が清潔で安全な月経用品を利用できるようにしています。
世界人道デーにあたり未来を見据える今、私たちには、これまでとは異なる、より包摂的な取り組みを実践する機会、そしてそうする道義的責務があります。
ブルック・エリソン、VENTure Think Tank共同創設者
ブルック・エリソン
VENTure Think Tankの共同創設者であるブルック・エリソンは、人道支援において障害者の包摂も等しく考慮すべきだと訴えています。重要な人権に関する議論から障害者が排除されていることを指摘し、それがもたらす影響を強調しています。
「障害のある人々が世界中で最も長期にわたって貧困状態に置かれている人々の中に含まれると認めなければ、貧困削減策を立案することはできません」と彼女は言います。「障害のある子どもたちが学校や、教室での学習において障壁に直面していると理解せずに、教育の改善を論じることはできません。障害のある人々の失業が慢性的な課題だと認めずに、雇用機会の平等を望むことはできません。」
エリソンは11歳のとき、中学校の初登校日に歩いて帰宅する途中で車にはねられ、首から下が麻痺しました。負傷の影響が生涯に及ぶなか、ハリケーン、洪水、火災、その他の自然災害時に特別な手順を設け、緊急対応を改善することにキャリアを捧げてきました。それらの手順は、人工呼吸器に依存する人々や、複雑な健康状態にあり、生活の中で技術的・医療的な介入を必要とする人々の安全を確保するために設計されました。
エリソンはこう強調します。「世界人道デーにあたり未来を見据える今、私たちには、これまでとは異なる、より包摂的な取り組みを実践する機会、そしてそうする道義的責務があります。」
アイシャ・ヴェラ・ユー
Advancement for Rural Kids(ARK)のCEO兼共同創設者であるアイシャ・ヴェラ・ユーは、人道問題に取り組むリーダーに「心と痛みを分かち合う」よう呼びかけています。ユーは活動を通じて、農村地域の人々と共同投資を行い、自立して持続できる未来を築くことで、飢餓に立ち向かう地域社会を支援しています。
彼女は投資銀行でのキャリアを離れ、より意義のある人生を歩み、人々の生活を向上させるために時間とエネルギー、心を注げる道を選びました。
ユーは、「心を開いた」リーダーが増えれば、「互いをより深く理解できる」と主張します。
彼女は言います。「それは、孤立ではなく、地域のつながりと帰属意識を世界にもたらす助けになるでしょう。仲間である人間への愛情や信頼、信念を育むでしょう。機会を逃すことや、自分には十分な価値がないことへの恐れが、強欲、抑圧、戦争を招きます。そうした恐れの支配から世界を解き放つでしょう。正義と公正、平等を備え、真の幸福を支える世界を再建するために、私たちはこの切実に求められる癒やしを必要としています。」
ラジブ・シャー
最後に、ロックフェラー財団の会長であるラジブ・シャー博士は、「心を込めて導く」よう私たちに呼びかけます。
シャーは2009年、オバマ大統領により米国国際開発庁(USAID)長官に任命され、イノベーションの役割を高めることで世界70か国以上におけるUSAIDの活動を刷新しました。また、世界食料安全保障法とアフリカ電化法の成立に向けて超党派の支持を確保し、ハイチ地震とエボラ出血熱のパンデミックに対する米国の対応を主導し、国家安全保障会議のメンバーも務めました。
シャーは、この世界人道デーに、ポール・ファーマー博士の言葉を思い起こすよう促しています。
「ポールが象徴的な存在だったのには理由があります。40年前、彼はハイチの辺境地域カンジュに最初の診療所を建てました。それ以来、患者を診るときも、政府や企業のリーダーに新たな取り組みを説明するときも、変革を志す人に助言するときも、ポールは常に心を込めて先導し、実践し、教えてきました。世界をより人間らしい場所にしようとする人々は毎日、ポールと同じ謙虚さ、決意、思いやり、愛、敬意をもって奉仕すべきです。」

