マスティンバーで協力する:バイオベース建築がより環境に優しい未来を築く方法

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  • 持続可能な開発目標を達成するには、都市建設をコンクリートや鉄骨の構造から、木材や竹などの低炭素バイオベース素材へと転換する必要があります。

  • 木材およびバイオベースの生産システムは、需要の増加に応えるとともに、景観や農村コミュニティにもたらす持続可能な恩恵を反映しなければなりません。

  • 有害な影響を軽減するため、世界的な「森林にプラスの影響をもたらす建築」のための体系的協働プラットフォームを共同で創設することが急務です。この提案は、次回開催される国連建築・気候グローバルフォーラム (フランス・パリ)で提唱されます。

建築環境の脱炭素化を進めるには、まずいくつかの重要な数値を理解する必要があります。建築環境は現在、世界の温室効果ガス(GHG)排出量のおよそ35~40%を占めており、その第一の要点は、建物の内包炭素への対処が不可欠だということです。

内包炭素、つまり建物の運用ではなく建設に伴う排出量は、建物関連排出量全体のおよそ半分を占めます。建物が完成すると、その後に調整することはできません。一方、運用時の排出量は、新技術や基準、改修によって改善できます。

第二の数値は、建築環境からの排出量の圧倒的多数が都市で発生するということです。都市では、新築や改修による建設が最も急速に増えています。その割合がさらに大きくなるのは、 現在、都市建設では平方メートル当たりの炭素排出量がはるかに多いためです。これは、都市の建物が主にコンクリート、鉄鋼、アルミニウムなどの素材で建てられていることによります。

最後に、内包排出量のおよそ60~70%は、都市建築の構造躯体、すなわち鉄骨の梁や柱、鉄筋コンクリートの基礎、床スラブ、エレベーターシャフトに由来します。これは4階建ての集合住宅でも、高層の商業ビルや住宅でも同様です。

2020~2050年に都市建築でバイオベース構造を採用した場合に見込まれる、内包温室効果ガス(GHG)排出量の年間削減可能量。Image: パイロット・プロジェクト・コラボラティブ

こうした水準が、世界各地で広がるマスティンバーとバイオベース素材の動きの基盤であり、取り組むべき理由でもあります。マスティンバーなどのバイオベース構造材は、都市建築の構造躯体からの排出量の大部分を、ザンジバルからストックホルムまで削減できる可能性があります。バイオベース素材を使った都市建築はすでに数百棟あり、この代替策の実例となっています。

しかし、肝心なのは細部です。

炭素の複雑性に取り組む

木材、竹、ナツメヤシの葉など、バイオベース繊維をどのように育て、収穫し、加工して実用的な構造材にするかによって、さまざまな影響が生じます。近年の科学報告では、木材やバイオベース建材に伴う排出量について相反する結果が示されています。バイオベース素材のライフサイクル全体の炭素排出量が「最悪のシナリオ」では、コンクリートや鉄鋼を使う場合とほぼ同等になります。

一方、信頼性の高い別の報告では、従来の素材より排出量が大幅に少なく、適切に管理されたバイオベース素材は炭素を大幅に正味貯蔵できるとされています。こうしたシナリオでは、建物は生産時に排出される量を上回る二酸化炭素を貯蔵できます。これにより、運用時の排出量を相殺し、従来素材に由来する排出量を置き換える炭素吸収源が生まれ、地球温暖化に対する強力な手段となります。

科学的知見の隔たりは、調達システムの複雑さを反映しています。天然資源や土地利用、管理手順、生産技術、技能、知識は国によって大きく異なり、新たな都市建築への需要も同様です。

こうした価値システムの複雑さに地域ごとの需給の不均衡が重なるため、世界規模でのシステム思考と、体系的な協働が大いに求められます。だからこそ、私たちは世界的な「森林にプラスの影響をもたらす建築」のための資源プラットフォームを共同で創設する必要があり、その提案を次回開催される 国連建築・気候グローバルフォーラム (フランス・パリ、3月7~8日)で提唱します。

体系的な協働と能力構築

気候変動が世界規模の課題であることから、共通の言語と文化がこれまで以上に必要になっています。同時に、地域固有の知識、言語、歴史、慣行への取り組みを新たに強化することも求められます。

この意欲的な協働プラットフォームは、政府、産業界、学術界、非営利セクターの数十、そして最終的には数千の組織が共同で創設します。現在私たちは各国政府と協力し、より効果的に連携するためのベストプラクティス、政策、パイロットプロジェクトの実施に取り組んでいます。

パリで開かれるこの2日間のイベントでは、バイオベース素材や木材の活用をめぐる議論を主導する連合が、世界各国の政府閣僚に提案を行います。パイロットプロジェクトや実践コミュニティのパートナーは、「従来どおり」の建設に代わるバイオベースの選択肢が気候にもたらす利点を示します。

参加するリーダーが今すぐ行動し、国境を越えて流通する素材、データ、知識との整合を図れるよう、私たちは今日から実行できる提言集を作成しました。行動に必要な組織内の能力、技能、知識、インフラの構築に焦点を当てています。各提言の実施には、公共、民間、第三セクターのさまざまな専門家との一定程度の協働が必要です。

バイオベースの低炭素建築に向けた政策・産業界のリーダーのための世界的な行動の概要(詳細一覧はこちら):

  • 自治体レベルの建築許可審査に、気候にプラスの影響をもたらす(気候に配慮した)基準を導入し、その採用を促す。

  • 建築部門に炭素会計の専門家を配置する。

  • 国全体の建築物のカーボンフットプリントを分析する。

  • 必要に応じて林業生産も含め、国の森林資源調査を実施または更新する。

  • 国全体のマテリアルフロー分析を実施する。

  • 特に都市建築で低炭素のバイオベースな解決策を促進し、義務づけるよう、建築基準を改正する。

  • 木材またはバイオベースの構造躯体を使った公共の低炭素建築物について、パイロット事業に資金を提供する。

  • バイオベースまたは木材の構造を採用する民間セクターの開発を奨励し、支援する。

  • 短寿命の木材製品から長寿命の木材製品へ生産を移行するため、地域、国内、世界規模で「長寿命」の木材バリューチェーンを構築する。

気候変動対策を組み込まずに都市開発を続けることはできません。したがって、マスティンバーやバイオベース建材への意図的かつ自覚的な移行は、単なる選択肢を超え、持続可能な未来に不可欠です。

世界的な取り組みについて詳しく知り、「森林にプラスの影響をもたらす建築」資源プラットフォームに参加するには、こちらをご覧ください。

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