世界で最も成功した条約は、モントリオール議定書なのでしょうか?
1987年、世界各国が一堂に会して署名しました。その使命は、オゾン層を守ることでした。
モントリオール議定書は、2017年9月16日に採択30周年を迎えます。この日は国連のオゾン層保護のための国際デーでもあります。この記念日がいっそう特別なのは、条約が成果を上げたからです。
この記念日がいっそう特別なのは、条約が成果を上げたからです。
この条約は、環境、健康、経済に大きな恩恵をもたらしました。その一つが、冷蔵庫やエアコンなどの製品に使われるオゾン層破壊物質の99%の段階的廃止です。
健康面での恩恵
この条約のおかげで、二酸化炭素換算で1,350億トンを超える排出量が、1990年から2010年にかけて大気中に放出されずに済みました。
2018年に完了した最新のオゾン層破壊に関する科学的評価によると、オゾン層の一部は2000年以降、10年あたり1~3%の速度で回復しています。
2030年までに、世界で毎年最大200万件の皮膚がんを予防できると推定されています。
農業、漁業、資材への損害を回避できることにより、世界全体の健康面・経済面の恩恵は2兆2,000億米ドルに達すると見込まれています。
これまでに、オゾン層破壊物質の98%超が世界全体で段階的に廃止されました。この条約がなければ、2013年の南極上空のオゾンホールは40%大きくなっていたでしょう。
オゾンとは?
オゾン層は、大気中にある層で、太陽の有害な紫外線から地球を守っています。紫外線は皮膚がんや白内障を引き起こし、免疫機能を損なうほか、植物の生育や食物連鎖を脅かすことがあります。

オゾンホールの発見
1974年、科学者たちはオゾン層が薄くなっていることを発見しました。その後、この問題は人間の活動が原因である可能性が高いと分かりました。
大気中のこの層は、クロロフルオロカーボン(CFC)と呼ばれる化学物質によって破壊されていました。当時、CFCはエアゾール缶、難燃剤、冷蔵庫などに広く使われていました。
特に科学者たちは、南極上空でオゾン濃度が大幅に低下していることを確認しました。その規模の大きさから、「南極オゾンホール」と呼ばれるようになりました。
1987年、各国は集まり、最終的に計197か国が、CFCや同様のオゾン層破壊物質の使用をやめることで合意し、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書に署名しました。
議定書は1987年9月16日に合意され、1989年1月1日に発効しました。
これまでの進展
2016年、科学者たちはこの合意が効果を上げていることを確認しました。オゾン層は回復しつつありました。
衛星、地上観測機器、気象観測気球による測定を組み合わせ、科学者チームは、2000年以降、オゾンホールが400万平方キロメートル縮小したことを突き止めました。インドより広い面積です。
成功を踏まえ、昨年、議定書が改正されました。
このキガリ改正では、ハイドロフルオロカーボン(HFC)を段階的に廃止する合意が追加されました。この化学物質群は、オゾン層を破壊しないため、CFCに代わって使われるようになりました。しかし、オゾン層の破壊に直接関与しない一方で、強力な温室効果ガスです。排出量に占める割合は小さいものの、HFCは気候変動への影響において二酸化炭素の数千倍の強さを持つことがあります。
モントリオール議定書は、世界がこれまでに実現した最大級の実質的な貢献となり、地球の気温上昇を「2℃を十分に下回る」水準に抑えることにつながる可能性があります。これは昨年のパリ気候会議で合意された目標です。
現在の推計では、オゾンホールは今世紀半ばごろまでに完全に消滅する見込みです。






