雇用なき成長が続き、とりわけ世界の若者の間で危機的な水準に達している。数字は深刻だ。国際労働機関によると、2012年には15~29歳の労働者の10人中6人が安定した雇用に就けず、平均を下回る賃金しか得られなかった。世界の若年層の雇用率は13.1%に達し、成人のほぼ3倍となっている。
しかし、これほど大規模な問題への対処には実質的な介入が必要である一方、特効薬となる解決策はない。私が所属するNGO、JA Worldwideは最近、 『Generation Jobless』と題する報告書を発表し、この問題の原因と考えられる解決策の両方を詳述した。
私たちの結論はこうだ。発展途上地域で若年人口が急増していることから、人々が持つスキルと雇用主が必要とするスキルとの不一致が拡大していることまで、複数の要因が有害な形で絡み合い、危機を招いている。世界の若年層の失業問題に対処するには、政府、雇用主、教育機関、市民社会組織に加え、家族、地域社会、仲間の集団など、複数の関係者が関与する多角的かつ長期的な取り組みが必要だ。
世界規模で進められる基本戦略は、次の5つだ。
雇用創出と労働需要を拡大する
若者の労働市場への備えを強化する
生産的な仕事への道筋を明らかにする
現在と長期の双方における経済的な健全性を高める
起業家精神を育む
たとえば政府は、若年層の雇用を対象とする国家行動計画を策定すべきだ。若者を雇用し、訓練する企業インキュベーション事業やインフラ整備事業を立ち上げるべきである。また、教育機関や民間事業者にも同様の取り組みを促すべきだ。
雇用主は、初級職の機会を創出し、学校から職場への移行を支援する見習い制度や職場内訓練プログラムを実施できるほか、メンタリングを通じて若い起業家を支援できる。教育機関は、起業家精神をカリキュラムに取り入れ、学生に適切な訓練を提供できるよう雇用主と連携できる。
JAの取り組みは、協働を重視している。私たちは120か国以上で、45万人を超えるボランティアの教師やメンターを通じて活動し、5歳から25歳までの若者に体験型学習を提供している。約3,000人のJA職員が各国の教育関係者、政策立案者、企業と緊密に連携し、若者向けプログラムを設計している。こうした取り組みの大半は、起業、金融リテラシー、職場への準備について、若者に実践的な経験を提供することを目的としている。
その好例が、サハラ以南アフリカで展開する革新的な ITS TYME(Immersion Training Strategy: Targeting Young Marginalized Entrepreneurs) イニシアチブだ。企業、政府機関、他の国内外のNGO、個人の慈善家と協力し、このプログラムは起業家訓練を教室からアフリカの市場、モーターパーク、スラム街、その他若者が集う場所へと移している。すべては、恵まれない若者が経済的に自立し、地域社会の社会・経済・政治生活に貢献するために必要な実践的、戦略的、戦術的な手段を身につけられるようにすることに重点を置いている。2013年、ITS TYMEは500件を超える起業と300件のメンタリング関係の実現を支援し、4つすべての事業対象地域で所得の顕著な改善が見られた。
タンザニアを例に見てみよう。他の地域と同様、JAのパートナーは、事業を始めようとする人々に技術・職業訓練と創業資金を提供している。たとえばAsylum AccessおよびUNHCR/Tanzaniaとの連携を通じ、若い都市難民のグループが養鶏会社を立ち上げるための資金調達に成功した。平均日収が35セント未満の若者たちにとって大きな成果となる、当初の資金82ドルを4か月かけて集めた。
ラテンアメリカとカリブ海地域では、もう一つ注目すべきプログラム Women for DevelopmentがCiti Foundationと共同開発された。地域のマイクロファイナンス機関を通じて起業教育と融資へのアクセスを結びつけ、参加者の経済状況の改善を助け、ひいては地域社会を強化する。2011年以来、5,000人を超える女性が恩恵を受けている。
ドミニカ共和国在住のMery Mercedesさんも、そうした成功例の一人だ。プログラム開始時には失業中だったが、終了までに生鮮品を販売する自分の事業を立ち上げることができた。その1年半後も、事業は着実に成長を続けている。さらに彼女は最近、以前は断られていた銀行融資の審査に通った。
こうした経験が示す教訓は明らかだ。世界の若年層の失業問題に対処し、持続的な変化を実現するには、複数の関係者が力を合わせ、長期にわたって取り組み続ける意志を持つことが欠かせない。
著者:Sean RushはJA Worldwideの会長兼CEO。
画像:2009年11月20日、ロサンゼルスのSoutheast LA-Crenshaw WorkSource Centerで開催された就職フェアで、応募者が用紙に記入している。REUTERS/Mario Anzuoni
