先週、全米各地のエコノミスト、アドボケート、オーガナイザーが、Center for Global Policy SolutionsのColor of Wealth Summitに集まり、人種の視点から米国の資産格差と経済成長を検証しました。 最近のエッセイ では、セントルイス連邦準備銀行のエコノミスト、Ray Boshara、William Emmons、Bryan Noethが、この問題を見事に示しています。
このエッセイによると、マイノリティー、特にアフリカ系アメリカ人とヒスパニック系の人々は、白人やアジア系の人々に比べ、流動性の低い資産(現金化に時間がかかり、資産分散の度合いも低い資産)を保有する傾向があります。また、アフリカ系アメリカ人とヒスパニック系の人々は、アジア系や白人に比べて、負債の水準が高い傾向にあることも分かりました。こうした調査結果は、まったく意外というわけではありませんが、米国の今後の経済の安定と成長にとって極めて重要です。
こうした格差の原因としては、金融サービスへのアクセスの差、アフリカ系アメリカ人やヒスパニック系労働者の低賃金、世代間で移転される資産の相対的な少なさなど、さまざまなものが考えられます。しかし、アフリカ系アメリカ人やヒスパニック系の個々の家族にとって、また、より広く米国の経済成長と安定にとって、その影響はいくら強調してもし過ぎることはありません。
個々の世帯にとって、資産分散の度合いが低いと、主な投資先である住宅に影響を及ぼす経済ショックの際に、消費を平準化する力が弱まります。より広く考えると、アメリカの多くの家族が突然、経済を支える財やサービスへの支出を所得から賄えなくなったら、何が起こるでしょうか。プリンストン大学のエコノミストAtif Mianとシカゴ大学のAmir Sufiによれば、有色人種のコミュニティーで特に顕著だった、資産と負債の蓄積をめぐるこの種の格差が、大不況を引き起こしました (2007~2009年)。
2014年の著書 『House of Debt』 で、MianとSufiは、住宅価格の下落によって純資産総額が最も大きく減少した郡ほど、支出を大幅に削減したことを示しています。そうした世帯は、すぐに現金化できる他の資産をおそらく保有していませんでした。つまり、負債を多く抱える家族ほど、経済の維持や成長を支えるためにお金を使う可能性が低いことを、彼らの研究は示しています。
メリーランド州プリンス・ジョージズ郡は、回復の見られない住宅価格の急落がもたらす 経済的影響 をまさに示す事例です。ワシントンD.C.近郊にある、住民の大半が黒人の郊外の郡は、近隣の白人が多数を占める地域よりも、住宅危機からの回復が遅れています。
しかし、2044年までに、米国の人口の半数以上がマイノリティーに属すると予想されています。米国の多くの家族が、資産分散の乏しさと高水準の負債によって制約される場合、米国経済にどのような影響が及ぶかを、政策立案者は考慮するべきでしょう。賃金や採用において 今なお根強い 人種・民族差別をなくす取り組み、質の高い金融ツールへのアクセス拡大、急激な景気後退時における高水準の負債の免除は、今後の経済成長に不可欠となる可能性があります。
本記事は、 The Washington Centre for Equitable Growthとの協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持していることを意味するものではありません。
Agendaの最新情報を得るには、 週刊ニュースレターにご登録ください。
著者:Jessica Fultonは、Washington Center for Equitable Growthの政策アウトリーチマネージャーです。
画像:2012年7月30日、ニューヨーク証券取引所の外で通勤する人々。REUTERS/Brendan McDermid。
