テクノロジー企業は私たちのデータに対価を支払うべきか? 

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Data will become an even more valuable commodity, as we advance in the Fourth Industrial Revolution.Image: REUTERS/Pichi Chuang
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私たちは、富裕層と貧困層の格差が広がる不平等な世界に生きています。第4次産業革命が世界を変革するなか、自動化の課題と、それが労働市場にもたらす大きな変化に取り組むことは、かつてないほど重要になっています。

「Future of Jobs(仕事の未来)レポート」によると、人間と機械の間で労働分担が変化することで、約7,500万人分の雇用が失われる可能性があります。人工知能(AI)システムが、現在定型業務を担っている人間の労働者に取って代わるのではないかと、多くの人が懸念しています。

その結果、十分な技術的能力と基礎的なデジタル教育を受ける機会を持つ人だけが繁栄できる、さらに不平等な世界になるリスクがあります。

この問題の解決策を見つけるには、既成概念を覆すアイデアが必要です。排除のリスクを減らすために、ユニバーサル・ベーシックインカムを創設するのはどうでしょうか。これを私たちのデータに基づくものにするのはどうでしょうか。

今日、私たちは事実上、データを大手テクノロジー企業に無償で渡しています。企業は私たちのデータを使って、よりパーソナライズされた製品やサービスを生み出しますが、本当のビジネスはデータを商品化することにあります。

そこで、重要な問いをいくつか考える必要があります。データは本来誰のものなのか、データの所有者は誰なのか、そして、なぜ私たちは対価を受け取れないのでしょうか。

人間は毎日、膨大な量のデータを生み出しています。その量は約250京バイトにのぼると、テクノロジー分野の著述家バーナード・マーの調査は示しています。Googleは毎秒4万件を超える検索を処理し、毎日約14億人がFacebookを利用しています。毎分、テキストメッセージが1,600万件送信され、Skypeで15万4,200件の通話が行われ、Tinderで99万回のスワイプがあり、メールが1億5,600万通送信され、Uberで4万5,788回の乗車があり、Wikipediaに600ページが新たに作成されています。

モノのインターネット(IoT)対応機器の利用が増えるにつれて、データ生成は拡大し続けています。近年、私たちは人類の歴史全体を合わせた量を上回るデータを生み出しました。

これほど膨大なデータが生み出されているにもかかわらず、その生産者である私たち人間は、Facebookのような一部の「無料」サービスを除き、何の価値も受け取っていません。実際には、Facebookはさらに多くのデータを集めるために機能しています。データが無償で提供される世界で本当の勝者となるのは大手テクノロジー企業であり、それは、包摂的な資本主義が必要とされる今、世界をさらに不平等にするおそれがあります。

米国の生産性に関する調査では、連邦準備制度理事会のデビッド・バーンとジョン・ファーナルド、IMFのマーシャル・ラインズドルフが、データが完全に無償の経済は生産性の伸びを抑制すると指摘しています。AIの潜在力への期待があるにもかかわらず、生産性の伸びは世界的に低迷し続けています。包摂的な成長を促すには、何かを変えなければなりません。

Image: ブルッキングス研究所

さらに、デジタル経済で将来の雇用が失われることへの不安は、グローバル化や制度への反感を生み、右派・左派双方のポピュリズム運動を勢いづかせる傾向があります。こうした運動はナショナリズムを強め、国境を閉ざし、自由貿易に反対します。

これらは、包摂的な解決策によって対処すべき重要な社会的・政治的リスクです。

第4次産業革命のもと、未来のビジネスモデルには膨大なデータが必要です。機械学習、AI、そしてより高度なロボットや機械は、いずれも人間が以前に作成したデータを使って動作します。学習し、性能を高め、商業利用できる製品やサービスになるには、データが必要です。

しかし現在、こうした技術の力を高め、デジタル経済の潜在力を最大限に引き出す高品質なデータの作成に貢献するための、実質的なインセンティブはありません。今日、自分のデータが持つ生産的価値や、機械学習市場で自分が果たす役割を認識しているユーザーはごくわずかです。

第4次産業革命が進むにつれ、データはさらに価値の高い商品となるでしょう。この情報・デジタル経済はデータを基盤としており、多くのAIシステムは、関連性のあるデータを生み出す人間の積極的な参加に依存しています。

では、データの生産が無償である現在のパラダイムを打ち破り、より包摂的で倫理的かつ透明性の高いモデルを築くには、どうすればよいでしょうか。私たちが生み出すデータに基づくユニバーサル・ベーシックインカムが、その答えとなるかもしれません。

この考えは、ジャロン・ラニアーが2013年に出版した著書『Who Owns the Future?(誰が未来を所有するのか?)』で初めて提唱されました。同書で彼は、人々が生み出して提供するこうした無償の情報に対する金銭的な債務を認めずに、消費者データを蓄積・評価するテクノロジー業界を批判しています。

また、インセンティブが適切に設定されていないことで、市場における評価の原則が損なわれ、データ経済から得られる金銭的利益の分配がゆがみ、ユーザーが「一流のデジタル市民」へと成長することが妨げられると論じています。

エリック・ポズナーとグレン・ワイルは、2018年の著書『Radical Markets(ラディカル・マーケッツ)』で、データに対価を支払えば、米国の世帯所得中央値は2万ドル上昇すると論じています。これは戦後の所得増加を上回る規模です。

データに基づくユニバーサル・ベーシックインカムを実現するには、私たちが生み出すデータを、それが本来持つ価値、すなわち労働として評価する必要があります。しかし、機能させるには、いくつかの問いに答えなければなりません。

1. データを公正かつ効果的に評価するにはどうすればよいか。

2. データに対するベーシックインカムについて、誰が交渉するのか。

3. データが実際の労働や所得となるとき、盗用からどのように守るのか。

4. データを利用する企業に、労働への対価をどのように支払わせるのか。

5. この新たな市場において、政府はどのような役割を果たすのか。

経済学者、政策立案者、起業家、学界が、これらの問いへの答えを探し始め、この解決策を、より包摂的な資本主義の未来を実現する現実的な可能性として受け入れるべき時です。

この考えが実現すれば、データはAIとともに、人々や労働者への脅威ではなく、高賃金の雇用や所得を補う新たな源として捉えられるでしょう。

デジタル経済の価値が、データを生み出す市民の間で分かち合われ、すべての人にとってより公正な経済が実現するでしょう。経済成長と技術開発の新たな時代を迎えられる可能性があります。

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