ビーズクッションと卓球台のあるオフィスが職場のおしゃれの最先端だった時代は、もう過ぎ去った。
マイクロソフトはこのほど、従業員向けのツリーハウス2棟の建設を完了し、今年後半にはさらに1棟が完成する予定だ。
会議室には、新鮮な空気と美しい眺めに加え、Wi-Fiや電源コンセント付きのベンチが備わっている。

グーグル名物の滑り台やGoDaddyのゴーカートなど、かつて革新的な職場で見られた、人目を引く目新しい設備に代わって、従業員の健康と生産性への関心が高まっているようだ。

新しいオフィスの設計で自然とのつながりを深めようとしているのは、マイクロソフトだけではない。
フェイスブックは、カリフォルニアにある本社に世界最大のオープンフロアを誇る。また、広さ9エーカーの屋上庭園には、散歩道や、座って仕事ができる屋外スペースもある。
「世界各地で提供しているサービスを通じて実現しようとしているのと同じような、チーム間の共同体意識とつながりを生み出す空間にしたかったのです」と、フェイスブックのCEO、マーク・ザッカーバーグは説明した。
ツリーハウスを設けた理由を説明するにあたり、マイクロソフトはハーバード大学の科学者、エヴァ・セルハブの研究を参考にした。セルハブは、屋外で過ごすことがストレスを和らげ、創造性を刺激し、精神的な疲労の克服にも役立つと述べている。
自然は「脳の報酬系ニューロンを刺激します。ストレス反応を抑えるため、コルチゾール値や心拍数、血圧が下がり、免疫反応も改善します」と、セルハブはマイクロソフトのブログで説明している。
また、森林は人に特有の影響を与える。「樹木や植物は、認知機能や精神状態、さらには免疫にまで影響を及ぼす芳香性の化学物質を分泌します」と彼女は述べる。

一方、グーグルは精神的な疲労を克服するため、もっと簡単な方法を提案している。睡眠だ。
ロンドンの新本社にはランニングトラックのほか、従業員が昼寝をして活力を取り戻せる仮眠ポッドがある。
保険会社Acuityによると、より良い職場づくりで重要なのは従業員の定着だ。同社は一貫して、フォーチュン誌の「働きがいのある企業ベスト100」に選ばれている。オフィスで楽しめる設備として、観覧車やクライミングウォールを用意している。
「従業員を大切にしなければ、彼らが会社にとどまらないことは分かっています。そして、彼らが去れば、顧客に最善の形でサービスを提供するために必要な知識や実務を通じた研修の機会を失います」と、同社は理念を説明する際に記した。

もちろん、従業員を幸福で健康にする方法は、費用をかけて設計されたオフィスや館内の特典だけではない。
英国で始まった愛犬を職場に連れてくる取り組みは、従業員の生産性と健康に「非常に大きな効果」があるとうたっている。
しかし、研究によると、最も幸福感につながるのは、給与、昇進の見込み、尊重されているという実感、信頼、そして良好な人間関係だという。
一部の企業では、1時間ごとに短い運動休憩を取ることで従業員の活力を高めている。そうした企業にはクリエイティブエージェンシーのOveritもあり、従業員の体力が向上するだけでなく、仕事でより成功できるとしている。しかし、職場で何を望むか――運動、新鮮な空気、短い仮眠のいずれか――は、人それぞれだ。
こうした設備が日々の仕事にあれば、従業員はより幸福になり、生産性も高まるかもしれない。しかし、仕事と余暇の境界を曖昧にしていないかという疑問も生じる。


