PwCによると、専門化、人材不足、競争、人間性という4つの力は、人類の歴史を通じて人材戦略を形づくってきました。
これらの力が過去にどのように働いたかを理解すれば、雇用主は将来に向けて人材構成を整えることができます。
テクノロジーが職場の変化を加速させ、企業は今後数年間にどのようなスキルが必要になるかを検討せざるを得なくなっています。
人類の歴史を通じて、専門化、人材不足、競争、人間性という4つの重要な力が人材構成を形づくってきました。
プロフェッショナルサービス企業のPwCは、新たな報告書で、企業はこれらの4つの力を将来の人材計画に活用すべきだと提言しています。
テクノロジーによる変化が拡大するなか、こうすることで企業は未来の働き方に備えることができます。
職場において、この4つの力は何を意味し、どのように活用されるのでしょうか。
1. 専門化
専門化とは、世界で成長し成功するために身につける専門知識や技能です。人類が初めて農耕を始めて以来、労働者は専門性を高めてきました。19世紀から20世紀にかけての工業化により大量生産が始まり、職務や機械の専門化も進みました。
今日のデジタル技術により、企業はデータサイエンスやサイバーセキュリティなどの分野の専門家と協力し、自社の業務をより容易に進められるようになっています。
雇用主にとって重要なのは、専門化の次の段階を予測することです。そうしなければ、機会を逃したり、組織内の現在のスキルの価値が低下したり、時代遅れになったりする可能性があります。
2. 人材不足
人材不足とは、私たちの足かせとなるスキルの不足です。これも新しいことではありません。PwCは、14世紀半ばのヨーロッパを例に挙げています。ペストにより人口のおよそ3分の1が亡くなった時代です。農業労働者である農奴がその穴を埋め、古い封建的な権力構造の崩壊を後押ししました。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、一部の業界で労働力需要を押し上げるとともに、労働者が新たな機会を求める「大退職」も引き起こしました。
テクノロジーの変化も人材不足を招きます。自動化によって一部の分野では人員削減が進む一方、先端技術などの分野では労働者の需要が高まっています。
企業は、従業員の専門スキルだけでなく、リーダーシップやマネジメントなど幅広く活用できるスキルも評価すべきです。
3. 競争
競争とは、より有利な賃金などを理由に、労働者がある雇用主を別の雇用主より選ぶことです。自動車メーカーのヘンリー・フォードが1914年に従業員の賃金を倍増させたことで、米国の中産階級の形成を後押ししたと言われていると、PwCは指摘しています。
今日、デジタル技術によって職場の競争に新たな形が生まれています。たとえば、テクノロジー人材をめぐる競争は複数の業界にまたがっています。また、リモート勤務やハイブリッド勤務により、地理的な境界が雇用主にとってそれほど大きな障壁ではなくなっています。
雇用主として他社との差別化を図るには、将来、現在とは「大きく異なる」スキルセットが必要になる可能性を検討すべきだと、PwCは述べています。
4. 人間性
ヨーロッパが中世から近代へ移行した14世紀から17世紀にかけて、再生を意味するルネサンスが起こり、人々や社会に焦点を当てた科学と人文主義の新時代が始まりました。
同じように、パンデミックによって何百万人もの労働者が「雇用主に何を求めるのかを見直す」ようになったと、PwCは述べています。
富裕層と貧困層の世界的な格差の拡大に加え、気候変動も、職場に「意義、人間性、社会的な影響、包摂性」をもたらすよう雇用主に求める切迫感を高めています。
そのため企業は、自社の文化について深く考え、それをどのように活用して労働者とのつながりを築き、関与を促すかを検討する必要があります。
多様性と包摂性に富む人材を積極的に採用する企業は、専門化と人材不足の課題に取り組むことで、自社と社会の双方に貢献できるとPwCは付け加えています。
仕事の未来
PwCの分析には、世界経済フォーラムの「仕事の未来レポート2020」の主要テーマが反映されています。
同レポートは、2025年までに人間と機械の分業によって既存の仕事が8,500万件失われる一方、新たに9,700万件が生まれると予測しています。
職務で求められるスキルが今後も変化し続けるため、スキルギャップは大きいままとなると、フォーラムは述べています。批判的思考、分析、問題解決は、最も需要の高いスキルに含まれるでしょう。
テクノロジー導入の加速により、労働者のスキル再習得が必要になっています。現在の職務にとどまる従業員の半数は、2025年までにスキルを学び直す必要があると見込まれています。
また企業は、労働者が記録的な人数で離職するなか、「大退職」にも直面していると、フォーラムは述べています。




