多国籍企業は、職場における平等と尊重の文化を促進するうえで重要な役割を果たしており、その役割は事業を展開する地域社会にも及びます。
多くのCEOにとって、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス(LGBTI)の人々を包摂することは、組織の中核的価値観であり、すべての従業員の平等と人権を守るという決意の一部です。しかし、それはビジネス上の必須課題でもあります。誰もが自分らしくいられる平等な文化があれば、創造的なアイデアが生まれ、イノベーションが促され、事業成果につながります。
LGBTIの平等と包摂が企業にもたらす好影響と、事業戦略の一環としてこれを見過ごすことによる悪影響を示す研究は数多くあります。LGBTIの平等と包摂を支持する企業では、イノベーションと創造性の水準が大幅に高く、LGBTI差別が存在する組織では、従業員の離職率が高く、生産性も低くなっています。
包摂的な成長を促し、すべてのLGBTIの人々の社会的・経済的包摂を前進させるため、EYやアクセンチュアを含む7つの組織が、グローバルLGBTI平等パートナーシップを設立しました。今週ダボスで発表された、類を見ないこの取り組みは、世界経済フォーラムの「新経済と社会センター」と連携し、CEOに働きかけて国連LGBTI行動基準の実施を促します。
この取り組みを通じて、実践的な評価基準やツール、統一された一連のベストプラクティスが策定され、組織はそれらを活用して職場におけるLGBTIの平等と包摂を加速できます。また、こうしたツールは、多国籍企業がLGBTI平等の推進にあたって直面しがちな、文化的障壁、移動の制約、法的な影響などの課題にCEOが対処する助けにもなります。
では、CEOは今どのような行動を取れるでしょうか。
⦁ CEOには、国連LGBTI行動基準を理解し、グローバルLGBTI平等パートナーシップに参加して、自社組織で基準を実施することを推奨します。2020年までに、CEOと組織を合わせて50~100の参加を目指しています。
⦁ 企業では、組織全体にLGBTI支援ネットワークを設け、その活動を後押しし、支援することで、現場からの働きかけを進める必要があります。こうしたグループは従業員を支援し、組織の中核的価値観を示すとともに、前向きで持続的な変化を生み出す実践的な方法となります。また、差別への異議申し立てを後押しする大きな力にもなります。
⦁ 企業は、組織の福利厚生や報奨制度が、意識的にも無意識的にも差別を助長しないよう取り組む必要があります。すべての雇用方針をLGBTIに配慮したものとし、例えば同性カップルにも育児休業を認めるなど、LGBTIの人々に他の従業員と同水準の支援を提供すべきです。
企業のリーダーが取れる行動は、ここに挙げたものだけではありません。LGBTIの平等と包摂を支援すれば、企業と従業員、そして組織の枠を越えた地域社会にも確かな成果をもたらすことは間違いありません。
社会的にも政治的にも、かつてないほど分断が深まる時代において、包摂的な成長を促す企業の役割は、これまで以上に重要です。誰もが平等に扱われ、自分らしくいられる包摂的な文化があれば、イノベーションを促し、複雑な課題を解決し、より良い成果を上げることができます。
CEOが行動を起こす力を得られることを願っています。そのために、グローバルLGBTI平等パートナーシップへの参加を呼びかけます。共に、世界各地の職場とその先におけるLGBTIの平等と包摂を加速していきましょう。



