スタートアップの創業者として、あなたの仕事は、巨大な市場における非常に難しい課題を見つけ、それを解決することです。
その課題の解決が非常に難しければ、競争優位を守りやすくなります。
こうした課題を見つけ、解決に取り組み始めたときに得られるものは、次のとおりです。
著名な投資家があなたに大きな賭けをしてくれます。その賭けの後、投資家たちはあなたに50~500倍のリターンを求め、発破をかけてくるでしょう。プレッシャーはありません!
世界でも屈指の優秀な人々を、難題の解決というあなたの使命に加わるよう口説き落とすことになります。優秀な人々には、膨大な注意を払う必要があります。率直に言えば、彼らは自分自身にも周囲の人々にも、扱いが難しく、手ごわく、要求が多い傾向があります。プレッシャーはありません!
優秀な人材を採用できたときの見返りは、彼らが自分では解決できないあらゆる問題をあなたに持ち込んでくることです。プレッシャーはありません!
優れたチームを作り、この壮大な課題に取り組むために多額の資金を調達したなら、次の見返りは、十分な資金を持つ競合他社が12社現れることです。彼らはあなたの製品を模倣し、改良し、打ち負かす方法を探ることに、時間のすべてを費やすでしょう。プレッシャーはありません!
この大きな課題を解決できず、それでも優れたチームを雇ったなら、賢い人々が問題を解決できずに細かいことにこだわり始めるなか、毎日、容赦なく責め立てられることになります。プレッシャーはありません!
では、こうした状況で心が折れずにいられる人などいるのでしょうか?
実のところ、私がこれまで会った創業者は誰もが、いつかは大きなストレスを感じます。おそらく、頻繁にです。私は次々とより大きなリスクを引き受け、自分のストレスを管理する方法を身につけてきました。その結果、ときにはストレスから距離を置きすぎているのではないかと思うことさえあります。
結局のところ、ストレスや不安は、何かに注意を向けるよう心が知らせているのです。進化の過程で、それは多くの人々の命を救ってきました。実際、不安を感じるほど、生き延びる可能性は高まります。私たちが今日のような、進化の過程で形作られたストレスの塊になったのは、ほぼ間違いなくそのためです。
サメへの恐怖から、オーストラリアでサーフィン中にストレスを感じるなら、それは理にかなっています。あちこちに非常に大きなサメがいて、人間を襲うことはめったにないものの、襲われれば本当に、本当にひどいことになるからです。
そして今では、サメの襲撃について、あらゆる事件を生々しい詳細とともにリアルタイムで誰もが知ることのできる、世界規模のネットワークがあります。 inside.com/sharks
ですから、ストレスを解きほぐす必要があります。
私がストレス管理のためにしていることを紹介します。
マインドフルネス瞑想:イヤホンを着け、静かな場所を見つけて、インストラクターの声を聴きます。 Calm.com と、UCLAのこの無料アルバムが、私の定番です。 https://itunes.apple.com/us/album/mindful-meditations/id288584839あまりに気に入って、Calm.comに投資したほどです。
明るく朗らかに:スタートアップ生活につきものの退屈な仕事にも、明るく取り組むよう、いつも自分に言い聞かせています。「働きながら口笛を吹く」という姿勢は伝染します。創業者である私たちは組織の雰囲気をつくることができます。「大変な仕事だけれど、楽しくやろう!」という姿勢が最善だと、私は思います。ふざけたり、軟弱になったりするという意味ではありません。笑顔を保ちながら、全力で闘うことはできます。注意を怠らないことが必要ですが、その価値はあります。
揺るぎない楽観主義:この世界で最も成功する人々は、妄信的なほど楽観的な人たちです。大きな成功を収める確率はごくわずかですが、毎日を学ぶ機会として、そしておそらく課題の解決に少し近づく機会として捉えれば、人々は翌日も戻ってきたいと思うでしょう。あなた自身もまた、戻ってきたいと思うはずです!ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』は必読書です。 http://www.amazon.com/Mans-Search-Meaning-Viktor-Frankl/dp/080701429X
友人と夕食をとる:ばかげて聞こえるかもしれませんが、仲間と夕食を囲んで、くだらないおしゃべりをすることは、ストレスを大きく和らげてくれます。誰もが詐欺師のようなものだと、どのスタートアップもキャリアも完全な失敗の瀬戸際にあると分かれば、夜ぐっすり眠れるだけの広い視野が得られます。
フロー状態に入る/運動する:トム・クルーズのようなことを言うつもりはありませんが、運動は欠かせません。何かに「没頭する」瞬間を見つけることも同じです。私の場合は、ポーカー、バスケットボール、テコンドーでした。あなたにとっては、ランニング、チェス、料理かもしれません。していることだけに意識が集中し、時間を忘れるほどの瞬間を見つけることは、健全な心を保つうえで不可欠です。詳しくはWikipediaを読んでくださいhttp://en.wikipedia.org/wiki/Flow_(psychology) 。また、チクセントミハイのTEDトークもご覧ください。 http://www.ted.com/talks/mihaly_csikszentmihalyi_on_flow?language=en。
ストレス、幸福、不安について学ぶ:心の働きを理解すればするほど、頭の中の声から距離を置き、それらを客観的な観察者として眺めやすくなります。脳が次々と考えを生み出すのを止めるのは難しいものですが、そうした思考から一歩引き、流れに任せる方法を学ぶのは比較的簡単です。小川を流れる葉のように。ポジティブ心理学に関する良書の一覧はこちらです。https://www.authentichappiness.sas.upenn.edu/resources?field_resources_category_tid_1=133
散歩や映画に出かけるときは、携帯電話を置いていくこと。携帯電話はストレスを生む悪魔です。あなたは依存しています。私たちは皆、依存しています。置いていくか、夕食のときに全員の携帯電話を積み上げ、最初に触った人が勘定を払うことにしましょう――大笑いできます!
圧倒されていると感じたら、誰かに相談してください。「もうこれ以上は無理だ」と言って、スタートアップを辞め、セラピストに会いに行くことに何も問題はありません(対話によるセラピーは、歴史上最も効果的な自己改善の方法だと私は思います)。
こうした問題について誰かに話すことは、圧力鍋から圧を逃がすための重要な方法です。意地を張らず、怖がらず、とにかく行ってください。自分を理解することで得られるものは非常に大きく、失うものは何もありません。
この記事は、 LinkedInとの協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムによる見解への賛同を意味するものではありません。
Forum:Agendaの最新情報を受け取るには、 週刊ニュースレターに登録してください。
著者:ジェイソン・カラカニスは、起業家、エンジェル投資家、作家、トークショーの司会者です。
画像:2007年8月6日、ムンバイの証券会社で、株式仲買人がコンピューター画面上の株価指数を見ている。ロイター/Punit Paranjpe
