ギグ・エコノミーの時代は終わりを迎えるのか?

Rosalina Kariotakis, President of the Ride Share Drivers' Association of Australia, is reflected in a mirror as she drives her car she uses for the ride services company Uber along a street in central Sydney, Australia, March 31, 2017. REUTERS/David Gray - RC138E0772D0
Is the rise of ‘atypical’ work arrangements a result of workers wanting such jobs or because they have no other choice?Image: REUTERS/David Gray
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英国と米国では、非典型的な働き方に従事する労働者の数が増加している。英国では、図1に示すとおり、個人事業主(フリーランサー、請負業者、ギグワーカー、一人経営者を含む)の割合が1980年代以降に倍増した。ゼロ時間契約で働く労働者の数も、ミレニアムの変わり目以降、20万人からほぼ100万人に増加した。

Katz and Krueger(2019)によるエビデンスは、米国でも同様の、ただしより緩やかな傾向がみられることを示している。2005年から2015年までの期間に、非典型的な働き方に従事する労働者の割合は約10〜20%増加した。

これは労働者にとって何を意味するのか?

働き方の変化がもたらす影響については、特に政策面で活発な議論が行われてきた。英国では、これを受けて政府による現代の労働慣行に関する独立レビュー、すなわちTaylor Review(Taylor et al. 2017)が生まれた。英国の国家統計からのエビデンスは、個人事業主の週当たり所得が通常の被雇用者より低いこと、また、ゼロ時間契約の労働者の時給は、大不況期に通常の被雇用者の賃金よりも大きく低下したことを示唆している(図2参照)。

米国については、Katz and Krueger(2016)により、個人的特性や職種を考慮した後でも、非典型的な働き方の労働者の週当たり所得は低いことが明らかになっている。非典型的な働き方では、雇用の安定性や、有給休暇・病気休暇(英国ではすべての被雇用者に義務づけられている)などの、一部の非金銭的給付も通常は提供されていない。

同時に、このような働き方には、仕事や勤務地の柔軟性、自律性、所得税の負担で経費を相殺できる機会といった、他の利点もあると考えられる。これは、労働者の厚生に対して異なる影響をもたらす可能性のある、2つの要因が関係していることを示唆している。

需要の説明:伝統的な被雇用者の労働需要が弱く、そのため労働者がより不安定な労働条件で、より低い賃金での就労を余儀なくされるという説明。供給の説明:労働者が、有利な税制のもとで、より柔軟で自律的な働き方を得るために、賃金と雇用の安定性を引き換えにしているという説明。

最近の2つの研究は、需要側の影響に着目している。Katz and Krueger(2017)は、米国において失業期間を経験した労働者は、非典型的な働き方に従事する可能性が高いことを明らかにしている。一方、Datta et al.(2019)では、私と共著者が、非典型的な契約の利用において労働市場規制が因果的な役割を果たしていることを明らかにした。特に後者は、英国の全国最低賃金(賃金の下限を7.5%引き上げるものであった)の導入を利用したものであり、介護施設と在宅介護事業者のいずれも、ゼロ時間契約の利用を増やすことで対応していることがわかった。

労働者が仕事の特性や付加給付について抱く選好を推定した研究も少数ながら存在する。例えば、Mas and Pallais(2017)は、より柔軟な仕事のために、求職者が賃金をどの程度まで手放してもよいと考えるかを推定している。同研究によれば、労働時間の柔軟性は大多数の労働者からあまり評価されていないが、柔軟性に対して高い対価を支払ってもよいと考える少数の人々は存在する。ただし、雇用主が勤務スケジュールを裁量で決定できる仕事に対しては、強い忌避感があることも明らかになった。

最近の研究(Datta 2019)では、さらに踏み込んで、仕事の特性の完全な一式について、その評価の分布全体を引き出すことを試みた。これらの特性は、伝統的な働き方と非典型的な働き方を区別する最も重要な要素と言えるものである。含まれるのは、雇用の安定性、就労中の給付である有給休暇と病気休暇、労働時間と勤務地の柔軟性、職場の自律性、税制上の影響である。この調査は英国と米国の双方の回答者を対象とし、制度の違いに慎重に配慮しつつ、国際比較を可能にしている。

実験

労働供給に関する選好を引き出すことは容易ではない。実際の選択データには、仕事の内容や利用可能な選択肢に関する情報が不完全であるなど、いくつかの限界がある。

これを克服するため、本研究では実験的な研究設計を用いて、伝統的な仕事の特性と非典型的な仕事の特性のトレードオフを活用した。代表性のある調査の回答者には、架空の仕事の選択肢が提示され、各仕事は賃金と前述の特性によって記述されている。

さらに、回答者には、仕事の説明に示された特性以外は各仕事が同一であることが明示的に伝えられた。この設問の部分は、分析が因果的であることを確保するうえで重要であった。調査対象者は合計で約4,000人であり、そのうち英国が2,000人、米国が2,000人であった。

労働者が求めるもの

本研究の結果は、平均して、英国と米国のいずれの労働者も、伝統的な雇用主と被雇用者の関係に関連する仕事の特性を、はるかに強く好むことを示唆している。労働者は、1か月契約と比べて、期間の定めのない契約には時給の約50%、1年契約には時給の約35%を手放してもよいと考えている。

期間の定めのない契約に関しては、英国と米国の間に重要な制度上の違いがある。米国では、雇用関係の約34%のみが、契約において何らかの形の「正当事由」による保護を受けている。一方、英国では、期間の定めのない契約は法律により、法定の解雇予告期間、整理解雇手当の権利、不当解雇からの保護などの給付を提供している。それにもかかわらず、期間の定めのない契約の評価は両国でよく似ている(英国では時給の55.4%、米国では44.1%)。

契約期間の次に、有給休暇と病気休暇(年次有給休暇28日、有給の職場病気休暇16週間として記述)が最も高く評価される仕事の特性であり、英国を拠点とする労働者は、有給休暇と病気休暇のために時給の約35%を手放してもよいと考えている。

米国では、その割合はわずかに低い27%である。米国の被雇用者は現在、いずれについても連邦法による規定がなく、23%は任意の有給休暇も受けておらず、また、米国の被雇用者の平均は年間14日の有給休暇しか取得していないことを踏まえると、この結果は意外である。これらの結果は、米国の労働者の大多数が、英国型の労働市場政策を強く望んでいる可能性を示唆している。

労働者は、非典型的な働き方に関連する特性にも価値を見いだしているが、平均すると、雇用の安定性よりもはるかに低い。本研究では、労働者は勤務地の柔軟性に平均して時給の24%、勤務時間の柔軟性に14%、職場の自律性(従事する業務を選択できること)に11%を手放してもよいと考えていることがわかった。

意外なことに、米国と英国の回答者のいずれも、自営業者として税務申告できるようにするために賃金を手放すことは望んでいない。英国では、回答者はむしろ、この仕事の特性を引き受けるために報酬を支払ってほしいと考えている。これは、自営業者であり、この特性の価値についてより深い知識を持つはずの人々に限っても当てはまる。この結果は、自営業者として税金を申告することは、時間的なコストがかかる可能性があると見なされていることを示唆している。

異質性分析の結果、平均して、非典型的な働き方の回答者は、非典型的な仕事の特性に対して相対的に大きな評価を与えていることが明らかになり、個人が選好に基づいて働き方の類型に振り分けられていることが示唆された。それでもなお、非典型的な労働者は、他のどの特性よりも雇用の安定性を重視している。分布分析からは、英国では自営業者の50%超が、伝統的で期間の定めのない午前9時から午後5時までの勤務形態を望んでいることが示唆された。

結論

本研究の結果は、大多数の労働者が伝統的な被雇用者と雇用主の関係に関連する特性を好むことを示唆しており、これは非典型的な働き方に就く人々のサブサンプルにおいても同様である。労働供給に関する選好が非典型的な労働者の働き方の増加につながったと示唆するのではなく、本研究では、働き方の変化が多くの労働者の厚生に大きな悪影響を及ぼす可能性が高いと結論づけている。

英国では、これらの結果は、Taylor Review(Taylor et al. 2017)で示された特定の政策提言の妥当性を裏付けるものである。特に、不安定な雇用関係にある労働者に、被雇用者に近い権利を確保することを目的とした提言が該当する。ただし、そのような政策に対して企業がどのように対応するかを確認するためには、需要側についてさらなる分析を行うことが不可欠である。

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