よりやりがいがあり、柔軟性の高い職務を求めて、何百万人もの人々が仕事を辞めました。この動きは「グレート・リシャッフル」と呼ばれています。
従業員の間ではリモートワークが高く評価されており、多くの人がパンデミック終息後もその柔軟性を維持したいと考えています。
求人が多いなか、賃金、福利厚生、柔軟性が雇用主を差別化する要因になりつつあります。
それは当初、「グレート・レジグネーション」として始まりました。ロックダウンに触発され、あるいは追い立てられて、大勢の労働者が仕事を辞めたのです。
今や、この雇用市場の動向は、より複雑な様相を呈しています。前例のない不確実性と混乱の時期を経て、何百万人もの労働者が、より良いワークライフバランスを実現でき、自分の価値観により合った職場を求めて仕事を辞めています。
「グレート・リシャッフル」と呼ばれるこの動きが、労働市場を揺るがしています。
グレート・リシャッフルとは?
当初のロックダウンが解除され、暮らしがより「普通」に戻ると、多くの人が仕事を辞めることを選びました。その結果、過去最多の求人が生まれ、一部の業界では人手不足が起きています。2021年10月には、米国の労働人口のほぼ3%が仕事を辞めました。特に離職率が高かったのは、宿泊・飲食業と医療・ヘルスケア分野でした。
しかし、仕事そのものを完全に辞めるのではなく、よりやりがいがあり、自分の価値観や生き方に合った何かを求めて転職する従業員が多いことが、次第に明らかになっています。
グレート・リシャッフルの動きとして、多くの人が自ら事業を立ち上げ、一方で、より高い賃金と柔軟な働き方を求めて転職した人や、まったく異なる職業に転じた人もいます。
「人々は、長期的に見て適正な賃金、福利厚生、働き方を得られる仕事を見つけています」と、米テキサスA&M大学の経営学准教授で、「グレート・レジグネーション」という言葉を作ったアンソニー・クロッツ氏はBBCに語りました。「今では、仕事に生活を押し込むのではなく、生活に仕事を組み込める余地が広がっています。」
労働者が求めるものは変化した
31カ国の3万人以上を対象としたマイクロソフトの「2021年ワーク・トレンド・インデックス」によると、5人に2人以上が今後1年以内に現在の雇用主を辞めることを検討しています。また、多くの人にとって、柔軟性やハイブリッド勤務の機会が、仕事を選ぶ決め手になっています。
実際、LinkedInに掲載されたリモートワークの求人は、パンデミック前と比べて5倍に増加しています。
パンデミック中にリモートワークをしていた人の約10人に9人が、パンデミック後も週に少なくとも1日は在宅勤務をしたいと考えています。これは保険会社プルデンシャルが米国の労働者を対象に行った調査によるものです。
新たな機会を探す人にとって、キャリア形成も大きな懸念事項です。その多くは、新型コロナウイルス感染症の流行が始まって以来、自分のキャリアが停滞していると感じています。人材紹介会社ロバート・ハーフのデータによると、労働者の約40%が、パンデミックによってキャリアに後退が生じたと考えています。
グレート・リシャッフルは雇用市場にどのような影響を及ぼすのか?
過去にも雇用市場は大きく変化してきました。例えば、世界大戦後や、2000年代の世界金融危機の後などです。現在の動向がより広範な変化を示しているのかは、まだ分かっていません。
しかし、求人が多いなか、雇用主は採用だけでなく人材の定着についても、すでに対応の必要性を認識しています。
賃金や福利厚生に加え、柔軟性が雇用主を差別化する要因になりつつあります。「リーダーは、社内での人材流動性を活発にする文化を育み、継続的な学習を優先し、従業員を支える充実した福利厚生を提供することに注力しなければなりません」と、プルデンシャルのロブ・ファルゾン副会長は述べています。
リモート勤務の機会が増えるにつれて、これまでなら候補者から除外されていた可能性のある人々にも、雇用市場への門戸が開かれています。
上のグラフが示すように、女性や大学の学位を持たない人は、在宅勤務が可能な求人に応募する傾向がより強くなっています。
データによると、グレート・リシャッフルの影響は業界によって異なります。例えば英国では、IT・ソフトウェア業界に人々が顕著に流入している一方、教育や宿泊・飲食業の人気は低下しています。
また、転職に対する自信は高く、建設、物流、テクノロジー業界の人々は、特に新たな仕事を見つける力に自信を持っています。
さらに、キャリアのどの段階にいるかも、選択や次の一歩に影響を与えると考えられます。Z世代の従業員、つまり24歳以下の人々は、初級職に就いている可能性が最も高く、他の年齢層よりはるかに多くの人が、レクリエーション、旅行、小売の職を辞めています。




