週4日勤務制の導入どき?ダボス2022での議論を聞く

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  • 週4日勤務制に移行する利点と欠点は何でしょうか?

  • ダボス2022のパネルに参加した専門家は、週4日勤務制は実現可能であり、恩恵をもたらす可能性が高いと述べています。

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調査によると、週4日勤務制への移行は、生産性の向上、間接費の削減、ウェルビーイングの向上、人材の獲得と定着に加え、雇用創出の促進にもつながります。

週40時間勤務制は時代遅れになったのでしょうか?

登壇者:

アダム・グラント、ペンシルベニア大学ウォートン・スクール、ソール・P・スタインバーグ経営学・心理学教授

ウフード・ビント・ハルファン・アル・ルーミ、政府開発・未来担当国務大臣、アラブ首長国連邦政府

ジョナス・プライジング、ManpowerGroup Inc.会長兼最高経営責任者

ヒラリー・コッタム、社会起業家、Centre for the Fifth Social Revolution

アン=マリー・スローター、New America最高経営責任者

週4日勤務制:セッションはこちらでご覧ください:

アダム・グラント:皆さん、ようこそ。週4日勤務制についての議論に皆さんをお迎えできてうれしく思います。金曜日ではなく水曜日に開催できて本当によかったです。金曜日だったら、誰も来なかったかもしれませんから。私はアダム・グラントです。組織心理学者であり作家でもあります。人はなぜこれだけの時間働くのかという問いに、長い間関心を持ってきました。仕事を研究して生計を立てていますが、仕事が必ずしも私たちを定義すべきだとは思いません。およそ100年前、経営や人間への配慮について先見性のある考えで知られていたとは言い難いヘンリー・フォードが、週の労働日数を6日から5日に減らしました。人々の生産性が上がり、士気が高まり、忠誠心が増し、離職率が下がったからです。彼は、それは事業にとってよいことだと言いました。では、なぜ今も週5日勤務にとどまっているのかと考え始めることができます。それは天から定められたことだったのでしょうか。それとも実際には人間が作り出した制度であり、見直すべきものなのでしょうか。

世界中の多くの組織が今、週の労働日数を見直しています。アイスランド政府やマイクロソフト、日本での試験導入をご存じでしょう。ニュージーランドには何年も実施している保険会社があり、これまでのデータは非常に心強いものです。まだ初期段階ですが、大半のケースで業績は向上するか、少なくとも維持されており、人々は人生を楽しむ時間をより多く得ています。新型コロナウイルス感染症の数少ない前向きな側面があるとすれば、優先事項を見直すきっかけになったことでしょう。仕事を人生の中心にしたくないと考えるようになるかもしれません。私たちは長い間、とりわけ西洋でそうしてきたように、人生を仕事に合わせるのではなく、人生を軸に計画し、働きたいのです。

今日のパネルの目的は、週4日勤務制が実際に成り立つのか、成り立つならどのような形にすべきか、どうすれば実現できるのかを話し合うことです。ダボスで、週6日より少ない日数で働くべきではないと考える人にも会いました。考えを変えてもらう必要がありそうです。まず、社会起業家のヒラリー・コッタムに伺います。ヒラリー、週5日勤務制に至った経緯と、これからどこへ向かうべきかを説明していただけますか。

ヒラリー・コッタム:そうですね。まず、最初の問いは「必要か、それともぜいたくか」でした。私は、環境、人々のウェルビーイングと豊かな暮らし、そして経済の観点から、これは絶対に必要だと思います。歴史について尋ねられて興味深いのは、私たちは時間を不変のものだと考えていることです。しかし、労働の歴史を振り返れば、時間のあり方は変化しています。

かつては祈りの時間に合わせて暮らしていました。今もそうしている社会があります。次に農業の時間へと移りました。西洋では、今も多くの学校の時間割が時代遅れの農業の時間に縛られており、これは大きな問題です。その後、皆さんが言及した産業の時間へ移りましたが、これは実に複雑でした。西ヨーロッパや、もしかすると米国の町の広場に大きな時計があるのは、産業界の指導者たちにとって最大の課題が、人々に時間どおり働いてもらうことだったからです。時計に合わせて働くという発想が、当時はとても異質だったのです。今ではもちろん、時計の感覚が身についています。

産業の時間が始まった頃、人々は大胆な実験が行われると考えていました。その中でも特に興味深いのが、1930年代のケロッグ社です。1930年代、朝食シリアルを製造する最大級の工場の一つだったケロッグ社は、従業員に8時間ではなく6時間のシフトを、同じ賃金で提示しました。すると人々がケロッグ社に大挙して訪れました。ジャーナリストや、フーバー政権の行政官、社会科学者たちです。何が起きたのかを調べたすばらしい家計調査もあります。産業化によって労働時間が減ると、誰もが考えていたからです。もちろん、ケインズは、孫たちの労働時間は1日15時間になると書いていました。

ケロッグ社では生産性が大幅に向上し、事故は減り、会社の経済状況は大きく変わり、人々の暮らしも改善しました。家計調査の担当者が訪れた際、人々は「人生が豊かになった」と話しました。人の世話をする時間ができたのがすばらしかったそうです。ものを作る時間ができ、自分たちの文化を築き、自分たちのスポーツチームを運営しました。暮らしの中に、さまざまなことが収まるようになったのです。しかし、実際には、この種の実験は定着しませんでした。なぜ定着しなかったのかは非常に興味深いのですが、話す時間はなさそうです。

週4日勤務は、この問題に対する[…]男性中心の解決策です。ケアについて考慮していないからです。子どもや親の世話、あるいは友人と過ごすことは、週4日の中だけで起きるのではなく、日々の暮らしの中で行われます。

ヒラリー・コッタム、社会起業家、Centre for the Fifth Social Revolution

しかし、パンデミック以前から、国際労働機関(ILO)と世界保健機関(WHO)は、仕事が私たちの命を奪っていると述べていました。この2年間、私は脱工業化地域の労働者とワークショップを行ってきました。彼らが求めているのは週4日勤務制ではありません。労働を減らし、人生を直線的に進むものと捉える考え方を見直すことです。ですから、これは必要だと思いますが、十分ではありません。週4日勤務は、こう言ってよければ、この問題に対する男性中心の解決策だからです。基本的にケアを考慮していません。誰もが知っているように、子どもや親の世話、あるいは友人と過ごすことは、週4日の中だけで起きるのではなく、日々の暮らしの中で行われます。私たちが本当にすべきなのは、仕事とケア、学びの間にある時間の境界を見直すことです。人生を直線的に進むものと捉える考え方を見直すというのは、もちろん仕事や学びをまとまった時間に行うことだけを意味するのではありません。遊び、ただ存在する時間などを持てるよう、新たな境界が必要かもしれません。週4日勤務制は必要であり、出発点です。しかし、全体像ではないと思います。

アダム・グラント:その考えには賛同できます。念のため明確にしたいのですが、合計で週に何日働くべきだと思いますか。週2日や週1日を提唱していますか。理想的な労働量はどれくらいでしょうか。

ヒラリー・コッタム:とても難しい問いですが、出発点としては、7日間にわたって合計4日分に相当する時間を働くことだと思います。労働時間を増やす話ではありません。自分らしく過ごす時間を増やす話です。気候変動対策についても話すべきでしょう。労働時間が減ると移動が減り、時間に追われなくなるため、環境負荷の高い消費を控えるという、非常に有力な研究結果があります。二酸化炭素をより多く排出しているのは裕福な人々だと、誰もが知っています。ですから、二酸化炭素の排出をこれ以上増やさずに済みます。

ただ、どうでしょう。人によって働きたい量は違います。必要なのは最低基準を定めることです。仕事が好きで、もっと働きたい人もいるでしょう。しかし、世界の大半の人にとって、仕事はかなり過酷です。だからこそ、その出発点を考える必要があります。

アダム・グラント:すばらしい。では最初の質問は順番に伺い、その後で話題を広げましょう。ジョナス・プライジングは、Manpower Groupを率いています。週の労働日数を減らすとまではいかなくても、従業員にもう少し柔軟な選択肢を提供するさまざまな方法を試してきました。その取り組みについて教えてください。

一般に労働者は、選択肢を増やせるよう、より柔軟な働き方を望んでいます。これはパンデミックがもたらした、長く続く遺産の一つだと考えています。

ジョナス・プライジング、ManpowerGroup Inc.会長兼最高経営責任者

ジョナス・プライジング:おっしゃるとおりです、アダム。このようなセッションでいいのは、私が先見性のある未来志向のリーダーを演じられることです。こうした非公開の場なので、正直に言いましょう。私は同僚全員に、抵抗しながらもこの取り組みに引き込まれました。先頭に立ったのは、人事・文化責任者のミシェルです。彼女は「自分らしい働き方」戦略の導入を提唱してきました。労働者や従業員が、人生のための時間をもっと欲しいと考えていることに応えるものです。これはとてもよい進化だったと思います。初めは珍しいことだったでしょう。しかし従業員が求めているのは、より大きな裁量と選択肢だと分かってきました。

ただ、週4日勤務制をめぐる議論について言えば、パンデミック中にはっきりと示され、パンデミックの長期的な遺産の一つとなるだろう欲求の一部だと捉えています。一般に労働者は、選択肢を増やせるよう、より柔軟な働き方を望んでいます。これはパンデミックがもたらした、長く続く遺産の一つだと考えています。

ただ、知識労働者が関わると、職場のこうした変革、週4日勤務制や柔軟な働き方について話題になります。しかし看護師、航空会社の乗務員、医師、トラック運転手など、多くの職業ではすでに圧縮勤務スケジュールで働いています。求められる成果を上げながら、従来の週5日・40時間勤務とは異なる、規則的な勤務体制で働いているのです。また、在宅勤務によってリモートワークや柔軟な働き方が可能になったといっても、先進国の大半では労働者の60%にその選択肢がありません。実際、彼らはパンデミック中にずっと多く働いてきました。経済を維持するために、エッセンシャルワーカーとして必要だったからです。

一方で、この議論を歓迎しています。全面的に賛成です。ManpowerGroupには優れた制度があり、今まさに導入に向けて取り組んでいます。今後の事業のあり方は、人々にさまざまな選択肢を提供し、判断を信頼することだと思います。ただし、必ずしも個人だけで選べるものではありません。会社はチームで動くものですから、チームで、どう関わるのが最善か、いつ一緒に働き、いつ別々に働くか、その目的は何かを決める必要があります。オフィスに来てZoom会議をする意味はありませんが、協力し合う時間は必要です。同時に、この恩恵は知識労働者や在宅勤務が可能な人だけでなく、幅広い職種の労働者に公平に行き渡らせるべきです。生産ラインで働く人、トラックを運転する人、倉庫で働く人、製造業に従事する人にも必要です。そうしなければ、労働者の二極化と、この非常に価値ある恩恵の不公平な分配につながります。これは、すべての労働者が本当に求めていることです。

アダム・グラント:今おっしゃったことを強調したいと思います。この数年、リモートワークとハイブリッドワークについて多くの議論がありました。しかしデータを見ると、今年初めのウォール・ストリート・ジャーナルの調査では、働く場所の選択肢よりも、いつ、どれくらい働くかの選択肢を求める人が多いことが示されました。在宅や好きな場所で働く機会以上に、人々が求めているのは柔軟な勤務時間です。今日話し合うのも、まさにその点だと思います。

アン=マリー・スローターは、New America、プリンストン大学、そして米国国務省で職務を務めてきました。政策に関わる役割を数多く経験されています。マクロな視点から考える手助けをしていただけますか。心理学者の私が、ミクロな視点から、集中した6時間のほうが集中力を欠いた8時間よりよい成果を得られると言うのは簡単です。しかし、これは社会をどう変えるのでしょうか。週4日勤務制になれば、世界はどのように変わるのでしょうか。

アン=マリー・スローター:まず、私は必要に応じて配分する週32時間という考え方をしています。さまざまな試みが行われていると思います。週2日は8時間、そのほかの日は4時間働く職場もありますし、1日6時間を週5日働くことも、週に1日休むこともできます。まずはその点をお伝えしておきます。

どのような形にするにしても、誰もが生活賃金を得られるだけの時間働けるようにしなければならないことも、認識する必要があります。

アン=マリー・スローター、New America最高経営責任者

さらに大きな問いについてですが、ジョナスの指摘にもつながります。労働者の種類によって必要なものは大きく異なります。私が柔軟な働き方について書き始めた頃、最低賃金で働き、決まった勤務時間がない人たちの話をよく聞きました。直前に勤務を割り当てる方式で働き、時間管理ソフトのせいで、十分な仕事を得られないこともよくありました。社会全体の観点から、まず言いたいのは、知識労働者にとってはよくても、ほかの多くの労働者にとっては悪夢だということです。彼らが求めているのは予測可能性です。保育の手配ができるよう、勤務時間を知る必要があります。生活を成り立たせるのに十分な時間働けることも知る必要があります。これに対処しなければ、すでに深刻な不平等をさらに大きくするだけです。まずこの点から始めましょう。どのような形にするにしても、誰もが生活賃金を得られるだけの時間働けるようにしなければならないことも、認識する必要があります。

これは経営の変革です。在席状況に基づいて管理するほうが、成果に基づいて管理するよりずっと簡単です。

アン=マリー・スローター、New America最高経営責任者

その先には、主体性をめぐる変革があり、これは社会にとってよいことだと思います。大学教員の例を挙げましょう。プリンストン大学の教授だった頃、教室で教える時間は週に最大5時間でした。それぞれの授業のために多くの準備が必要でしたが、それは自分の時間に行いました。教員会議への出席とオフィスアワーも必要でしたが、合計しても8時間以内でした。それをどうこなすかは自分次第でした。研究成果も出す必要がありましたが、それも自分次第でした。大学教員の大半はよく働きますが、自分の時間に働きます。子どものためにどこかへ行く必要がある場合も、毎朝運動したい場合も、ほかの事情がある場合もです。そこでは時間より、仕事の内容に重点が置かれています。これこそ、より大きな社会変革であり、経営の変革だと思います。在席状況に基づいて管理するほうが、成果に基づいて管理するよりずっと簡単です。12時間いた、14時間いた、椅子に上着がかかっていた、明かりがついていた。それを見ても、仕事を終えたかどうかは分かりません。

仕事の内容を考えるということは、何を終える必要があるのか、そして受信箱の半分、もしかすると3分の2は実際には消してしまうべきなのではないか、と優先順位をつけることです。生産的な仕事ではありません。生産性があるように見せかけているだけです。生産性とは、これが本当に重要な仕事だと判断したうえで何かを発信したり、時間のかかる仕事に取り組んだりすることです。ですから、社会全体で考えれば、これは社会にとってずっとよいことだと思います。私たちが人間らしさを余すところなく発揮できる時間をもたらすでしょう。ヒラリーと私は、「サピエンス・インテグラ」と呼ぶものについて多く書いてきました。経済人(ホモ・エコノミクス)という、常に合理的で、一連の効用に突き動かされる架空の人間像があります。それに対し、ケアやつながり、ほかのよいものを備えた、全体性を持つ人間がいます。社会全体にとってよいことだと思いますし、「これを今やる必要がある。最善の方法は自分で考えてほしい」という主体性を高めることにもなると思います。

アダム・グラント:ある学部長が、私が教員会議にあまり出席せず、もっと顔を出すべきだと不満を言っていたことを思い出します。そこで彼にFaceTimeをかけました。メールを燃やす物理的な仕組みもぜひ知りたいのですが、それはまた別の日にしましょう。

アン=マリー・スローター:私は、ミッション:インポッシブルのように、メールが自動消滅するイメージを思い浮かべていました。

アダム・グラント:それは、こうしたものすべてが生活に侵入してくることへの怒りをよく表しています。ウフード・アル・ルーミ大臣として、週4日勤務制をめぐる大胆な試みの一つに着手されました。どのような取り組みか教えていただけますか。週4日半勤務でしょうか。

ウフード・ビント・ハルファン・アル・ルーミ:週4日半を選んだ人もいれば、週4日を選んだ人もいます。始める前に、アダム、よろしければ申し上げたいことがあります。私は以前、政府のウェルビーイング担当大臣を務めていたこともあり、週4日勤務制という考え方を長年注視してきました。2008年以降、世界各地で多くの試験導入が行われているのを見てきました。しかし、この2年間で状況が変わったと思います。ジョナスが述べたように、これは新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響の一部かもしれません。人々は変化のジェットコースターを経験しました。在宅勤務になり、私生活と仕事の境界が曖昧になりました。その後、組織に戻り、出社するようになると、緊張が生まれました。柔軟性、ウェルビーイング、メンタルヘルスについて話し合いたいという声が強まり、リモートワークと出社勤務の間にも、より大きな需要や緊張が生じました。

世界では、政府より民間部門のほうが多く導入しているように見えます。政府は通常動きが遅く、制度も硬直的ですから、その理由は理解できます。

アラブ首長国連邦では、未来の政府を作ろうとしていると思います。私たちは常に限界を押し広げ、新しいことに挑戦するのを恐れません。週4日勤務制を政府全体で導入した世界初の国かもしれません。職員には、リモート勤務やフレックスタイムでの勤務時間管理の柔軟性が与えられています。この決定のきっかけは4つありました。第一は、ウェルビーイングの向上です。第二は、家族の絆と地域社会との関係を強めることです。男女を問わず家族を世話する時間が増え、余暇活動の時間も増えるからです。第三は経済的な理由です。週末が長くなれば、人々はより多く消費でき、国内の各産業に恩恵をもたらします。また、世界市場との連携も改善できます。

私たちは前進するうえで支援も受けました。この導入を後押しした要因をいくつか挙げます。第一に、アラブ首長国連邦ではウェルビーイングをめぐる議論が進んでいます。パンデミック以前の2016年に国家ウェルビーイング戦略の策定を始め、私もその政策に携われたことを光栄に思います。戦略の主要な柱は職場のウェルビーイングでした。そのためのツールやガイドを作成しました。

第二に、アン=マリーが述べたように、私たちは出退勤の時刻ではなく成果を重視しています。生産性は私たちの活動の中心です。組織や個人の業績を測る制度があります。

第三に、適切なデジタル基盤が整っていました。そのおかげで、時間帯や勤務日にかかわらず、24時間365日サービスを提供できます。政府にとってこれは非常に重要です。世界の初期の試みの中には、市民からの苦情やサービス提供の中断が原因で失敗したものもあったからです。

第四に、私たちの制度には機動性がありました。迅速に行動でき、指導部からの支援も受けました。この導入によって得られた初期データや、経験から学んだことを、後ほど皆さんに共有できるかもしれません。

アダム・グラント:ぜひ今、そのデータをお聞きしたいです。とりわけ、ダボスには専門知識を活用できる政府関係者も来ています。

従業員の70%が、[週4日勤務制で]より効率的に働き、週の時間を優先順位づけし、よりうまく管理できていると回答しました。

ウフード・ビント・ハルファン・アル・ルーミ、政府開発・未来担当国務大臣、アラブ首長国連邦政府

ウフード・ビント・ハルファン・アル・ルーミ:ありがとうございます、アダム。私たちは2022年1月に導入を開始しました。政府機関は変化に敏感なので、十分に計画を立てました。学校、病院、政府機関が参加できるよう、綿密に調整する必要がありました。集めた初期データは非常に有望です。従業員の70%が、より効率的に働き、週の時間を優先順位づけし、よりうまく管理できていると回答しました。欠勤率は55%低下しました。すばらしいことです。また、従業員の71%が家族と過ごす時間が増えたと回答しました。

この取り組みと、人々が変化に適応する様子について、面白い話を共有させてください。導入を検討している組織にも参考になるかもしれません。最初の長い週末の後、月曜の朝に出勤した私は、とてもわくわくしながら同僚たちに週末はどうだったか尋ねました。すると驚いたことに、戸惑っている人も、怒っている人もいました。

「分かりません」

「分からないとは、どういう意味ですか?」

「増えた時間をどう過ごせばいいのか分からないんです」

そのため、彼らは増えた自由時間に慣れるのに少し時間が必要でした。そして今では家族と過ごす時間が増えています。また、生徒の95%が、才能や趣味を伸ばすため、週末が長くなった期間に課外活動への参加を増やしたと報告しています。結果は有望ですが、目標が達成され、今後も必要に応じて方針を調整できるよう、引き続き実施状況を見守っています。

アダム・グラント:少し前にブラジルのSemcoで起きたことを思い出します。定年を迎える頃には、心身の状態から、その時間を十分に活用できない人が多いという指摘がありました。そこで「少しずつ退職する」制度を始め、週に1日分を買い戻せるようにしたのです。利用するのは50代の人たちだろうと予想していました。ところが、最もよく利用したのは20代と30代の人たちでした。ここには何かあると思います。

週4日制に短縮することには、ウェルビーイング、家族、気候、経済面で大きな利点があるという話を聞いてきました。会場とパネリストの皆さんの様子をぜひ知りたいと思います。まず一つ質問です。現在、週に何日働いているか、指で示してもらえますか。パネリストの皆さん、お願いします。会場にいらっしゃる皆さんも、現在働いている日数を指で示してください。

アン=マリー・スローター:[指を6本立てる]偽善者ですね。でも、まあ。

アダム・グラント:[指を6本立てる]なるほど。6日や7日の人がかなりいますね。両手を使うのがヒントです。それでは、今後、理想としては週に何日働きたいですか。希望の日数は?そうですね、もちろん柔軟に考えてください。[指を揺らす]

パネリストも会場の皆さんも、大半は多く働いていて、仕事が好きであっても、もっと少なく働きたいと思っているようです。そうした世界に向かううえで、何が障害になり、どうすれば抵抗を乗り越えられるでしょうか。皆さんにお聞きします。次にどう進めばよいか、考えをお持ちの方はどうぞ。必要ならこちらから指名しますよ。皆さんには考えがあると思います。

ヒラリー・コッタム:オフッドがおっしゃった、自由に使える時間の活用法を学び直さなければならないという点は、とても興味深いと思います。パンデミック中にもその様子が見られました。編み物やお菓子作りを始める人が現れ、余暇の過ごし方が変わっていきました。また、お二人が触れた点に戻りたいのですが、最近読んだ分析によると、ケインズの見立ては正しかったのです。生涯を通じて見れば、私たちは週15時間働いています。ただ、おっしゃったように、それが人生の最後にまとめて訪れるのです。

私が見たなかで特に興味深い実験の一つはスコットランドで行われています。行政がこうした取り組みを動かす側になれるという点も興味深いのですが、行政は、墓掘り人やごみ収集作業員のような非常にきつい仕事に就く人たちを対象に、年齢に応じた働き方を試みています。そうした仕事には若いうちだけ応募でき、少し年齢を重ねたらやや負担の軽い仕事に移り、最後には地域支援員や用務員になるのです。このように負担を分散することもできます。とても興味深いと思います。

アダム・グラント:仕事と家庭の負担のピークが、人生の同じ時期に重ならなければ素晴らしいですね。

ヒラリー・コッタム:そうですね。でも、私たちは自分自身にとって最大の敵ですよね。少なくとも、ここダボスにいる私たちはそうです。もちろん、全員とは限りませんが。

ジョナス・プライジング:新しい形や異なる形で働けること、そして自分の暮らしに合う働き方を自分で選べることが、幸福や喜びの源ではないでしょうか。置かれた状況は人それぞれです。正式に週5日ではなく週4日だけ働くことで、自由に使える時間が丸1日増え、それをほかのことに充てられるので喜ぶ人もいるでしょう。一方、子どもをバスに送り、迎えに行くことが最優先という人もいます。それに合わせて働き方を調整できれば満足し、前もってできなかった仕事を片付けるために土曜日に働くこともいとわないでしょう。

最近、米国の興味深い調査を見ました。ご存じのように、米国には休暇があまりありませんが、新入社員向けの福利厚生として無制限の休暇を掲げ、社員が喜ぶと期待する企業もあります。しかし、仕事を非常に重視する組織で無制限の休暇を認めた場合、どうなると思いますか。文化的な環境のなかで休暇取得が評価や報奨につながらないと受け止められ、かえって休暇を取る人が減るのです。ですから、恩恵や喜びをもたらすのは選択できるという考え方だと思います。少なくとも私自身について言えば、働けるとき、さまざまなテーマに関心があるときに働くのは楽しいです。ただ、それがいつも同じ時間とは限らず、ほかのことをする時間もあります。

アダム・グラント:私も同じです。打ち明けておくべきだと思いますが、私は週6日目の一部も働いています。その日はほかの人が働いていないからです。皆に週4日勤務になってもらい、5日目をそんな日曜日のようにしたいと思っています。

アン=マリー・スローター:New Americaでは有給休暇が6週間あります。あらゆる休暇がそこに含まれ、そのうち翌年に繰り越せるのは2週間だけです。つまり、4週間を取らなければ、その分のお金をみすみす手放すことになります。退職時に現金化もできません。私がこれをどれほど重視しているかというと、8月の不在通知にこう書いています。私は12か月分の仕事を11か月でこなせますが、12か月かけても無理です。1か月休みをもらい、本当に仕事から離れれば、読書をしたり、普段は時間がなくてできないことをしたりします。でもメールはしませんし、いつものような仕事もしません。それで活力が戻ります。生産性や創造性など、あらゆる面で必要なことです。

米国でも、私たちはこの状況を切実に変える必要があると思います。ただ、この問いは、人々が時間をどう使うかについて何を価値あるものとみなすかにも関わります。10年前に『The Atlantic』に書いた記事で、もし職場に、午前4時に起きてマラソンの練習をし、その後出勤して通常どおり働く男性がいたら、「すごい、なんて自制心だ。本当に大したものだ」と感心されるだろう、と指摘しました。同じことをする女性、私の知る限り、午前4時に起きて昼食を用意し、身の回りを整え、子どもたちの支度をしてから出勤する女性は、ケアに時間を使っているという理由で、かえって低く評価されます。同じように、ほかの趣味についても考えられます。私たちは何を価値あるものとみなすのでしょうか。

米国では、どれだけ懸命に働くかが道徳的価値の尺度だと本気で考えられています。しかし私は、家族をケアすることこそ、もちろん仕事が家族を支えているのは皆が承知していますが、少なくとも同等、むしろそれ以上に道徳的価値を示すものだと主張したいです。

休暇について考えるなら、人間として尊敬されるのは一部のことだけに時間を使う人や、週末にもこっそり仕事をする人だと考えて、その価値を損なってはいけません。多くの趣味を持つ、バランスの取れた人や、地域社会や家族のケアに本当に時間を割く人こそ、尊敬すべき人間だと考えるべきです。

アダム・グラント:すごいですね。懸命に働く人が善人とは限らない。ダボスで皆さんも聞きましたね。

アン=マリー・スローター:私は懸命に働きますし、皆にもそうしてほしいと思っています。でも、だからといって、ずっと働くという意味ではありません。まったく違います。

アダム・グラント:さて、時間を確認します。聴衆の皆さんからたくさん質問を受ける時間を確保したいと思います。では始めましょう。手が挙がっていますね。皆さんに一つだけお伝えします。質問の最後には疑問符が付きますよ。

聴衆:皆さん、ありがとうございます。ヘバ・アリーです。世界各地の紛争や災害を報道するニュース組織を運営していて、とても忙しく、私自身もよく働いています。皆さんのお話は参考になりますが、週4時間や週4日勤務に切り替えられたとしても、周囲のあらゆることが今までと同じペースで進んでいたら、そんなことは無理です。社会全体がペースを落とす必要があります。それは従業員に週4日勤務が可能だと伝えるより、はるかに大きな課題です。どうすればその点に取り組めるでしょうか。

オフッド・ビント・ハルファン・アル・ルーミ:UAEでは政府部門に週4日勤務を導入しましたが、民間部門には義務づけませんでした。興味深いことに、民間企業の50%がこの決定に従い、UAEにオフィスを持つ世界的企業のなかにも、その慣行を採用し、国内外のオフィスに適用したところがありました。おっしゃるとおり、民間部門と公共部門が連携して取り組み、人々が導入しやすくする必要があります。子どもが学校に通っている人も、民間部門や公共部門で働く人も、適応しやすくするためです。これもUAEから得られた教訓です。

アダム・グラント:逆の展開でもうまくいくでしょうか。民間企業がいくつも始めたら、政府も追随するでしょうか。あちらに何人か手が挙がっていますね。どうぞ。

聴衆:ありがとうございます。私はユニパート・グループの会長、ジョン・ニールです。柔軟な働き方の利点は皆が理解し、実際に経験してきました。そこから学べることも多いです。働く時間を減らしたいかと尋ねれば、簡単に「はい」と答えられます。しかし、別の質問をしなければならないかもしれません。皆さんは多額の債務を抱える西側諸国の経済圏で働いています。大半の西側諸国がそうで、英国も米国もそうです。もし「週4時間少なく働けるけれど、教育に使えるお金が減り、医療に使えるお金も減り、申し訳ないが気候変動対策には一切お金を使えない」と言われたらどうでしょう。一方、「週4時間多く働けば、気候変動をはじめとするさまざまな問題を解決できる可能性がある」と言われたら、答えは違うでしょうか。パネリストの皆さんはどうお考えですか。

アン=マリー・スローター:質問の意味を確認してもいいですか。賃金が減るという前提ですか。

聴衆[ジョン・ニール]:いいえ、賃金は支払われます。

アン=マリー・スローター:今と同じ額ですか。

聴衆[ジョン・ニール]:そのとおりです。

アン=マリー・スローター:それなら、税収も同じですか。

聴衆[ジョン・ニール]:いいえ。税収は増えるでしょう。大ざっぱに言えば、GDPは皆が働く時間数で決まるからです。単純化しすぎていますが。働く時間が増えればGDPも大きくなり、税収も増え、政府が人々に給付を行うために使えるお金も増えます。議論を呼ぶのは、私たちは皆、働く時間を減らし、より柔軟に働くという考えを好む一方で、そこには経済的なコストがあるからです。働く時間を減らしたいかと尋ねれば、「もちろん」と答えるでしょう。でも、その結果生じる負担を引き受けたいですか。さらに議論を呼ぶ問いは、こうした恩恵を得るために、もっと働くよう求められたらどう答えるかです。パネリストの皆さんの見解を伺いたいのは、その点です。働く時間を減らし、より柔軟に働くことを皆が望む場では、少し直感に反する話だとは承知しています。

アダム・グラント:パネリストの皆さんは、質問の前提を受け入れていないようですね。

ジョナス・プライジング:おっしゃりたいのは、生産性向上の必要性だと思います。この議論では、アン=マリーが言ったように、12か月分の仕事を11か月、あるいは10か月などでこなすことが前提になっています。同じ観点から考えると、100年前には週70~80時間働いていました。その後、新しい技術を取り入れて生産性が上がり、産出量が増えました。つまり、労働時間を増やしたのではなく、実際にはほぼ半分に減らしながら、成長を通じて繁栄を築いたのです。農業中心の社会から、ヒラリーが話したように農業中心の社会を経て工業化時代へと移るなかで、富を生み出す力は何度も倍増、あるいはそれ以上になりました。この議論の前提は、テクノロジーと異なる働き方の助けを得て、労働時間を増やすことなく繁栄を生み出せるということです。イノベーションやテクノロジーとの関わり方を変えて、生産性を高めるのです。

ですから、出発点となる前提は、生産性を下げることはできないという点だと思います。生産性は伸び続けなければなりません。

これまで不可能だと思っていたこと、たとえばリモートワークやテクノロジーを、いかに素早く使い始められるかを示す好例があります。企業が一斉に1週間でZoomを購入したわけではありません。皆、すでにテクノロジーを持っていましたが、普段の生活ではめったに使わず、使い方も十分ではありませんでした。ところがある日、オフィスに行けなくなると、同じテクノロジーが突然、事業を救う命綱となり、新しい方法で業務を続けられました。強いられれば、変化は劇的なものになり、とても速く進むこともあります。

ヒラリー・コッタム:この点に付け加えてもいいでしょうか。確かに、各種の実験が示すように、適度な範囲で働く時間を減らせば、生産性は上がります。ですから、質問の前提には同意しません。もう一つ大切なのは、過重労働がどれほど高くつくかです。ILOとWHOのデータが示すように、仕事が私たちの命を奪っているのはそのためです。働きすぎると、社会は深刻なメンタルヘルス危機に直面し、さまざまな慢性疾患の危機にも対処しなければなりません。外に出て歩くことが減り、さまざまな慢性疾患に苦しむからです。過重労働への対応に、特に政府支出が多額に投じられています。残念ながら、この場にいる私たちは知識労働者やリーダーなどなので、行き過ぎた仕事をしている人たちを代表していません。しかし、多くの人にとってこれは大きな問題です。

さらに、アン=マリーが平等という重要な点を提起したので、もう一つ挙げます。子どもたちの将来を大きく左右する要素の一つは、宿題を手伝う時間が誰かにあるかどうかです。私が関わる家庭は、どこも両親が働いており、私の仕事の性質上、とても長時間働いています。そのため、子どもの宿題を手伝う時間がありません。これは次の世代に引き継がれる、非常に大きな不平等の表れです。世代を超えて持続可能かどうかも考えなければなりません。

アダム・グラント:前列の方から質問があります。マイクが届くまでの間に、世界経済フォーラムが、良質な仕事とはどのようなものかを示す枠組みを設けていることをお伝えしておきます。こちらをご覧いただければと思いますが、いくつかだけ強調します。もちろん、包摂性が含まれています。柔軟性も非常に重要ですが、従業員の健康とウェルビーイングも雇用主の責任の一部として挙げられています。この数年で、これは大きな注目を集めるようになりました。心血管疾患、うつや不安、その他さまざまな心理的・身体的症状を招く燃え尽きのコストは、私たちが追加で働く時間から得られる利益をはるかに上回ると、私は考えています。

聴衆:ありがとうございます。ミナ・アル=オライビです。24時間体制のメディアである新聞『The National』の編集長を務めています。素晴らしいお話ですが、私たちはシフトを埋めなければなりません。質問は二つあります。一つは、週4日勤務を導入し、労働時間を減らすことはできても、同等の技能を持つ人を見つけなければならないということです。シフト勤務が必要になるからです。人材を本格的に探さなければならない時期であり、複数の国で雇用率が100%に達しているなか、労働市場が逼迫し、コロナ後の期待もある状況で、どうやって人材を見つけるのでしょうか。加えて、仕事をしないということには、メールを読まないことも含まれるでしょう。下に仕事を委任できるリーダーではない大多数の人に、それは可能でしょうか。仕事から切り離せるのでしょうか。また、メールを読んで仕事の状況を把握し続けることも、仕事とみなされるのでしょうか。仕事の意味は人によって変わると思います。それでも、人材を確保することが大切だと強く感じています。医師のことを考えてみてください。非常に大がかりな手術を行う医師が足りません。医師が休暇を増やせば、実際に影響が出ます。

アダム・グラント:どなたからいきましょうか。

ヒラリー・コッタム:言いたいことはたくさんありますが、この点についてはだいぶ話した気がします。職業によって事情が異なるのは明らかです。医師の例には異議があります。英国の医療制度で専門職が足りないのは、穴の開いたバケツに水を注ぐようなものだからです。労働条件があまりにも過酷で、勤務時間も長いため、皆が辞めていきます。医療制度を維持するために、必要な人材を養成することも、ほかの国から十分な数を引き抜くこともできません。

興味深いのは、テクノロジー革命によって労働者が大きな恩恵を受けることですが、その恩恵は技術の性質に合っていなければなりません。前回の大きな成果の一つが週末でした。もし有給の週末が導入されると言われたら、生産ラインは週7日稼働する必要があるのに、どうして2日休む人たちに給料を払えるのか、と反論したでしょう。実現するはずがない、と。しかし、実際に導入され、定着しました。デジタル技術の興味深い点は、非同期であることです。新しい方法でどう連携できるかを考えられるはずです。私たちはまだ十分に想像できていません。

私がワークショップを開くと、参加者はこの考えを受け入れます。でも、弁護士やデザインの顧客担当者、ジャーナリストだと、「ちょっと待ってください。この人はいつも同じ人に会いたがります」と言います。つまり、規範の問題でもあります。職種によっては、人生を直線的に捉えない考え方が必要かもしれません。ミナさんは10年間その仕事を続けても、その後は別の仕事を考える必要があるかもしれません。その仕事で同じ水準の力を発揮し続けるのは、単純に持続可能ではないからです。

もう一つ言いたいことがあります。これは個人の問題ではなく、社会の問題です。休息や学び直しの時間を人々に与える社会が必要です。個人を褒めるという話ではありません。規範をどう変えるかを考えなければなりません。だからこそ、あなたの取り組みは興味深いのです。政府のレベルで、これをする必要はない、こちらが新しい規範だと示してきたのですから。とても興味深いと思います。

アダム・グラント:一点だけ付け加えます。この会場の多くの人が考えているシフト勤務について、新しいモデルが必要ではないかとも思います。最近、A-Teamというスタートアップに投資しました。仕事のあり方を再構想しようとしている会社です。ビルダー・エコノミーを取り入れ、ソフトウェアエンジニアやデザイナーなら、一緒に働きたい人たちとチームを組み、共同でプロジェクトに取り組めるようにしています。プロジェクトが立ち上がると、自分の技能を最も高い金額を提示する相手や、最も意義のある目的のために貸し出せます。一社に勤めるのとは違います。もっと多くの種類の仕事で、なぜ同じことをしないのでしょうか。Uberの運転手の働き方がそうです。決められたシフトはありません。対応すべき仕事があり、それを引き受けられる人たちの集まりがあります。あらゆる仕事がこのように組織されるとしたら、どうでしょう。仕事という形はなくなるかもしれませんが、プロジェクトが生まれ、その周りには大きな柔軟性があるでしょう。

アン=マリー・スローター:さらに進めて、ジョブシェアを提案したいです。以前、国家安全保障会議で、幼い子どもを持つ若い母親が二人いて、どちらも比較的幼い子どもを抱えていました。二人は仕事を分担できれば、とても喜んだでしょう。そうすれば、誰かが常に勤務できます。もちろん国家安全保障会議ですから、「いやいや、それはできない」と言われました。二人は給与を半分にしてもよかったのです。必要がなかったし、さまざまな休暇もありました。必要な業務をカバーする方法は、創造的に考えればいろいろあります。メールについては、自分の携帯を見て、Kindleに入れているか確かめようと思ったのですが、ちょうど本を買ったところです。『メールのない世界』という本です。メールは私たちを追い詰めていますよね。いつでも状況を把握し、常に返事をしなければならない理由などありません。これは別の議論であり、これから取り組む別個の改革だと思います。

アダム・グラント:後でその件についてメールします。[笑い]ほかに質問のある方は?こちらの前の方、どうぞ。

聴衆:ありがとうございます。こんにちは。マニラを拠点に教育会社を経営しているヘンリーです。フランスとのつながりも半分あります。フランスでは週35時間労働を導入しました。その実験についての皆さんの見解と、政府による立法の役割について伺いたいです。当時フランスでは、人々の発案や企業の制度化を待っていては時間がかかりすぎる、という考え方がありました。そこで政府が全員に義務づけました。もちろん大きな反発もありましたが、実現しました。立法一般とフランスの事例について、皆さんのお考えをぜひ聞かせてください。

ジョナス・プライジング:生産性の向上ではなく、労働時間を減らしたいという社会的な願いを背景にした変革について質問した方の話は、よい例です。労働時間を週40時間から35時間にすれば、より多くの雇用が生まれるという考えでした。当時フランスの失業率は8%でしたが、雇用が増えれば低下すると見込まれていました。しかし、そうはなりませんでした。実際には、誰もが相変わらず同じ時間働き続けました。フランスでは皆がこの制度を利用しており、フランス人は全員、8週間の休暇を取るからです。労働人口に加わる人は増えず、新たな雇用も生まれませんでした。率直に言って、フランスでは勤務時間が重なり合うスケジュールの管理が難しくなりました。最前線で働く人が3人か4人しかいない職場も多く、誰が休暇中で誰が出勤しているかを調整する必要がありました。週35時間労働の規則を守り、全員に法律で定められた休暇を与えるためです。ですから、当初の目的という点では、実際のところ完全な失敗だったと見なされています。

アダム・グラント:なるほど。では、これを成功させるにはどうすればよいでしょうか。フランスを立て直してもらえますか?[笑い]

オフード・ビント・ハルファン・アル・ルーミ:週4日勤務は、私たちが職場で目の当たりにしている、より大きな根本的変化の一部だと考えています。この変化は避けられず、急速に進み、続いていくものです。政府は模範を示し、職場の変化を推進する役割を担えると思います。パンデミックと、それによって引き起こされた混乱は、法律を見直し、100年前に考案された仕事のあり方を再設計し、より機動的で柔軟な制度を導入する絶好の機会を与えてくれました。

アラブ首長国連邦では、政府部門に週4日勤務を義務づけました。民間部門には義務づけませんでしたが、政府が率先するのを見て、民間部門も導入を選びました。それはアラブ首長国連邦だけでなく、世界中で起きています。政府は、組織にデータや数字が必要だと示す役割を果たせると思います。新たな標準に適応するよう、公的部門、民間部門を問わずリーダーたちを説得するには、十分な評価を行い、数字を公表する必要があります。後戻りはありません。前進あるのみです。多くの組織が週4日勤務を採用するでしょう。

アダム・グラント:残り1分となったところで、締めくくりの質問へうまくつながりました。週4日勤務をより多くの人に受け入れてもらう方法については、まだ答えが出ていません。皆さんに一言ずつ伺えますか。仕事を人生の中で少し小さな位置づけにするには、会場の皆さんにどんな助言をしますか。どんな提案がありますか?まず私から言うと、実験をしてみるまでは可能性を切り捨てないことです。試験導入して、実際に何が起こるか見てみましょう。

ジョナス・プリシング:労働者が不足している労働市場では、労働者が私たちに代わって選択しています。柔軟性と選択肢を提供する組織に入るのです。「自分らしい働き方」こそ、人材を惹きつけ、定着させる方法です。ですから、これは少し学術的な問いかもしれません。現実になっていくと思うからです。労働者がそれを望んでいるので、世界はこの方向に進んでいます。実現できることは証明済みで、すでにその方向へ動いています。

アン=マリー・スローター:これを心配している管理職の方々には、労働者よりも管理職のほうが心配しているように感じますが、仕事の時間ではなくタスクを管理し、何を達成する必要があるのかを明確にしてほしいと思います。何を、いつまでに、どのような品質で仕上げる必要があるのか。それを伝えて、あとは様子を見てください。

ヒラリー・コッタム:私は社会起業家ですが、反発はしばしば中小企業から出てくると感じています。大企業ならできても、中小企業にはできないという考えがよくあります。採用にあたって私が活用したのは、Timewise UKという組織です。Timewiseには、予測可能で柔軟な働き方を望む女性が登録しています。そこから採用すると、同じ規範を共有する素晴らしい人材がすぐに集まり、一人が子どもの送り迎えで退勤し、その後ほかの全員が調整を始める、ということがありません。子どもがいない若い労働者もいるでしょうが、友人に会う時間は確保したいはずです。子どもがいるかどうかだけの問題ではありません。こうすることで、すぐに規範が変わり始めます。一人だけの話にせず、そうした働き方を前提に採用すれば、どこでも実現できます。

オフード・ビント・ハルファン・アル・ルーミ:目的に焦点を当てましょう。ここで何を達成しようとしているのでしょうか。私は、ウェルビーイングと柔軟性だと思います。週4日勤務でも、ほかの手段でも実現できます。それが目的を達成する答えになり得ます。政府にとって譲れないのは、国民へのサービス提供です。サービス提供を危うくすることはできません。人々に適切なサービスを提供できる限り、どのような解決策でも採用できます。

アダム・グラント:理想的な労働時間についてはさまざまな見解がありますが、どれだけ働くかを自分たちで選びたいという考えでは、皆の意見が一致していると思います。そして最終的には、費やした時間ではなく、どのような貢献をしたかで評価されるべきです。皆さん、ありがとうございました。

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