英国企業は今後数か月を どう見ているか

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Labour shortages have become widespread, but how can British firms respond?Image: Unsplash/ Charles Forerunner
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  • 英国企業を対象とした調査では、今後数か月の景況感が低下していることが分かった。

  • 広範な労働力不足は、すべての産業に共通する重大な課題となっている。

  • ここでは著者らが、これらの不足に対処するためにどのような措置が可能かを検討する。

2021年4月から10月にかけて、多くの企業が事業の拡大を経験した。これは2020年の新型コロナウイルス感染症とブレグジットによる衝撃を受けた後のことである。しかし、スワティ・ディングラ氏とジョシュ・デ・ライオン氏による、英国経済に対する企業の経験と見通しに関する新たな分析では、今後数か月の景況感が低下していることが示された。両氏は、すべての産業で広範な労働力不足が見られることを明らかにした。物価と賃金は上昇しているが、物価の上昇率が名目賃金の上昇率に追いつきつつある。

英国経済は不安定な状況にある。世界的なものも英国特有のものも含め、多くの衝撃が、この急速な経済の変化を引き起こしている可能性がある。

2020年のパンデミックによる景気後退の後、ワクチン接種の進展に伴い経済活動は回復基調にある。しかし、その回復は限定的である。工場の閉鎖、輸送網の分断、労働面の混乱、エネルギー価格の上昇により、世界のサプライチェーンは混乱している。英国がこれらの問題に対応する状況は、ブレグジットによってさらに困難なものとなった。ブレグジットは、最も近く、最大の経済的パートナーとの間の貿易、投資、移動に対する障壁を大幅に高めた。

英国産業連盟(CBI)は、会員企業および非会員企業を対象に毎月調査を実施している。CBIは英国最大の企業団体である。この調査では、企業の業績に影響を与える要因や、今後3か月の見通しについて企業に質問している。データは経済のほとんどの部門を対象としているが、以下に示す結果では製造業のサンプル数を多めにしている。

この調査データの分析によると、2021年4月以降、多くの企業が毎月事業量を増やしてきたことが分かる(図1a)。しかし、この傾向は衰えつつあり、2021年10月時点では、事業量を増やした企業と減らした企業の割合がほぼ同じとなっている。こうした減速は見通しにも反映されており(図1b)、見通しも楽観的ではなくなっている。

図1. 夏の間、多くの企業が事業量の増加を報告していたが、その勢いは鈍化している

夏の間、多くの企業が事業量の増加を報告していたが、その勢いは鈍化しているImage: LSE

また、企業の平均的な価格上昇率は平均賃金の上昇率を反映しており、企業は賃金の上昇とともに価格の上昇も続くと見込んでいることも分かった。これは持続的なインフレを生む可能性がある。物価の上昇率は名目賃金の上昇率に追いつきつつあり、実質賃金の伸びを圧迫している。

企業の将来の成長に対する見方は、2021年夏の時点よりも慎重になっている。調査データによると、経済のすべての部門の企業が、提示している賃金水準においても労働力不足を報告しており、各部門で少なくとも半数の企業が働き手の不足に直面している(図2)。

図2. すべての部門および規模の企業の多くが、労働力不足を報告している

すべての部門および規模の企業の多くが、労働力不足を報告しているImage: LSE

約半数の企業が新規人材の採用に苦労しており、約5社に1社が既存社員の定着に問題を抱えている。こうした労働力不足の一因は、パンデミックおよび一部ブレグジットによって、経済活動の大規模な再編が生じたことにある。経済に加わった衝撃は大きく急速であり、労働市場はなおもその変化に適応している。

一部の部門、特に短期または季節的な外国人労働者に依存する部門では、ブレグジットの影響が見られるようだ。政府のデータによると、EU出身の労働者に発給された短期の外国人就労ビザの割合は、現在ほぼ0パーセントとなっている。ブレグジット以前は、短期労働者のほぼすべてがEU出身者であった。しかし、全体として見ると、移民政策が労働力不足の主因である可能性は低い。サンプル企業の約10社に1社が、英国のポイント制移民制度が労働力不足を引き起こしていると報告している

一時帰休制度が労働力不足に大きく寄与した可能性は低い。9月末時点で、労働力の約4パーセントが一時帰休の対象となっていた。一時帰休から復帰した人の大半は、以前の職場に戻っている(Tomlinson, 2021)。

企業の約3分の1が、賃金の引き上げによって労働力不足に対応したと述べており、約20パーセントの企業が、新技術への投資によって労働力不足に対応している。

企業の約半数が、労働力不足が1年以上続くと予想しており、21パーセントは2年以上続くと述べている。

5社に1社の企業が、長期的なスキルのギャップが人材採用能力に影響を与えているとも報告している。他のOECD加盟国と比較すると、英国の労働力のうち大学の学位を持つ人の割合は高いが、技術・職業スキルにおいては明らかに遅れをとっており、就労に必要な資格が不十分とみなされる労働者の割合はOECD平均を大きく上回っている

政策立案者は、こうした大きな衝撃への経済の適応を支援することができる。英国の雇用はパンデミック前の水準に戻っているが、総労働時間と生産量はまだ戻っていない。求人数は高水準で推移しており、特定のスキルの不足が、企業による欠員の補充能力を制約している。

政策によって、企業による労働者への研修投資を促すことができる。物的資本に投資する企業には既に税額控除が提供されているが、人的資本に投資する企業には提供されていない(Costa et al 2018)。人的資本への税額控除は、企業による労働者の採用と社内での訓練を後押しし、他の形態の研修への依存を減らすことにつながる。

現行の見習い制度賦課金は、若年労働者向けの見習い制度を提供するよう企業を十分に後押しできていないとの懸念がある。若年層の方が見返りが大きいため、この基金を見直し、この課題に特化して充てることができるかもしれない(Major and Machin 2020、CBI 2020)。スキルの向上は労働力不足の解消につながるが、これはより長期的な解決策となる可能性がある。生産性、賃金、社会的流動性の向上にも寄与する。

移民政策は、特定の部門に限定された労働力不足に対する短期的な解決策となり得る。ただし、それは慎重な設計が必要であり、全体的な経済戦略に組み込まれる必要がある。

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