同じ会社に29年間勤めてきた私には、雇用主を辞めた経験があまりありません。しかしキャリアの初期には、最も幸運な理由で転職したことがあります。1986年にOppenheimerFundsに入社したのは、当時引き受けたアナリスト職が、前の会社での職務より大きな責任と、より明確なキャリアパスをもたらしてくれたからです。
もちろん、それは転職する十分な理由です。しかし、二つの道のどちらを選ぶべきかが、いつもそれほど明白とは限らないことも私は知っています。直感が一方に傾いていても、長期的な利益にかなう決断を確実にしたいと思うでしょう。十分な調査を行い、選択肢を徹底的に理解する必要があります。次の問いに答えることが、よい出発点になるでしょう。
転職を検討する理由は、どれも妥当でしょうか? 必要なものが得られない、あるいは繰り返し起こる問題への対処にうんざりしているため、仕事を辞めようと考えているのかもしれません。まだ望みを完全に捨てていないなら、少し時間をかけて自分の思い込みを確かめてみましょう。これまで一度もしたことのないことを試したり、普段は話さない人たちの意見を求めたりしてください。新たな視点や問題への別の対処法が得られ、職場の状況が大きく変わるかもしれません。
今の上司と真剣に話し合いましたか? 現在の仕事で直面している課題について、率直に話す時間を上司と設定する価値はあります。自分の役割の範囲が狭すぎると感じる場合も、逆に仕事の要求が過剰になっている場合も、上司が解決策を持っているかもしれません。機会を与えられれば、人は驚くような対応をすることがあります。
別の仕事のオファーを慎重に切り札として使っていますか? すでに別のオファーを受けていて、今の会社に残る可能性もあるなら、有利な立場から上司と話し合い、そうでなければ自信を持って切り出せなかったかもしれない条件を交渉できます。それでも、話し合いの際にオファーを明かす必要はないかもしれません。その知らせへの上司の反応はさまざまです。対抗オファーを引き出したいと思うかもしれませんが、別の会社で本格的に職探しをしたことを、今の会社への意欲を失った兆候と受け取る上司もいるでしょう。
惰性で今の場所にとどまっていませんか? 未知のものを避け、知っている悪魔を選ぶことだけが、満足できない仕事を続ける理由であってはなりません。変化は怖く、困難です。若ければ、よりよい仕事が見つかるまで暮らしを支える貯蓄が十分でないかもしれませんし、人生の後半には住宅ローンや家族の経済的責任など、避けられない約束事があります。仕事を辞めることが経済的に可能かどうかを判断できるのは、あなた自身だけです。しかし、未知への恐れを理由に一歩を踏み出せないでいるべきではありません。 自分を再構築するのに、年を取りすぎているということは決してないと、私は固く信じています。 より充実した仕事に就けたとき、後悔するとすれば、もっと早く行動しなかったことだけかもしれません。
別のオファーを現実的に評価していますか? 一見解決困難な問題に耐えられなくなっていると、新しい職場にはそうした問題がないと思い描きがちです。しかし、課題のない仕事はありません。別の会社に応募する際は、その企業文化についてできる限り知っておきたいところです。知人や元同僚、そこで働いたことがあるかもしれないLinkedInのつながりに連絡することも含まれます。実際にその職場に入り、給与を受け取る立場になるまで、完全に知ることはできません。それでも、外部から詳しく調べれば、「隣の芝生は青い」という思い込みを避けるのに役立ちます。
今の状況は耐え難いものになっていますか? もちろん、答えが「はい」なら、行動を起こすときです。耐え続けられると思うかもしれませんが、ストレスがあなた自身に、そして毎晩帰宅する先で待つ人々にどれほどの負担をかけているか、正直に向き合わなければなりません。
常に品位を保つ
これらの問いへの答えから退職届を書くことになったなら、円満に退職したいものです。一時的にどれほど満足感が得られるとしても、関係を壊すのは決して得策ではありません。キャリアのさまざまな段階で築いた人間関係が、いつ再び交差するかは分かりません。最も付き合いにくい同僚も含め、周囲の人々に残したい印象は、あなたが品格のある人物だということです。
この記事は、 LinkedInとの協力のもとで掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。
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著者:Arthur Steinmetzは、OppenheimerFundsの会長、CEO兼社長です。
画像:2008年6月27日、東京の駅構内を歩くビジネスマン。REUTERS/Yuriko Nakao。

