職場における年齢差別:「適切な年齢」であることは特権なのか?

Two elderly men playing chess
Previous research has mostly focused on the older demographic of workers rather than the younger demographicImage: Unsplash/Vlad Sargu
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  • 高齢化が進む世界では、働く期間を延ばすことが経済的に不可欠だと広く考えられている。

  • 最大4世代が共に働くなか、組織は職場が誰にとっても包摂的であるようにしなければならない。

  • LSEのシャロン・ラージ氏は、年齢差別によって職場に内集団と外集団が生まれ、情報共有や協働が損なわれる可能性があると述べる。

  • 同氏は、職場における年齢差別への対処法を論じる。

他者が抱く偏った信念や思い込みによって、性別、外見、民族性などの身体的特徴は、職場で大きな有利にも不利にもなり得る。働く人生を通じてほぼすべての従業員に影響を及ぼし得る特徴の一つが年齢である。年齢差別は「暦年齢を理由に人々に向けられる(また、人々を優遇する)ステレオタイプ、偏見、差別」と定義されている(Ayalon & Tesch-Römer, 2017, p.1)。年齢差別は個人にとって肯定的にも否定的にもなり得るが、一般には否定的な意味合いを持つ。年齢差別の典型的な経験は生涯を通じてU字型を描き、最も若い労働者と最も年齢の高い労働者の双方が、年齢に基づく差別を受けやすい(Duncan & Loretto, 2004; Marchiondo et al., 2015)。とはいえ、最適とされる「中年期」を外れることがどれほど有害かは、職務、業界、その時々の経済環境によって異なる。

重要なのは年齢だけとは限らない。ジェンダー、人種などの属性との交差性も重要な役割を果たし得る。欧州9カ国を対象とした研究では、研修機会へのアクセスは年齢とジェンダーの相互作用の影響を受けており、年齢の高い女性労働者が最も不利な立場にあった(Lossbroek & Radl, 2019)。別の研究では、管理職や専門職からの下降移動の割合は、白人の同僚と比べて、年齢の高いアフリカ系アメリカ人労働者で高かった(Wilson & Roscigno, 2018)。

年齢差別の要因は何か、どのような害があるのか?

複数の研究が、年齢に基づく差別と否定的な信念や思い込みとの関連を示している。若い従業員は、年齢だけを理由に、怠惰で、信頼性や注意深さ、整理整頓の能力に欠け、利己的で、意欲が低いと見なされることがある(Finkelstein et al., 2013;Bertolino et al., 2012)。その結果、研修機会、より大きな責任を伴う仕事、昇進の機会を見過ごされることがある。また、若い労働者は、経験が同程度の年齢の高い労働者と比べ、給与や福利厚生が低い傾向があり(Duncan & Loretto, 2004)、景気後退時には解雇されるリスクも高い(Verick, 2009)。

これまで年齢差別研究の大半が焦点を当ててきた年齢の高い労働者について見ると、Harrisらによるレビュー(2016)は、43本の個別研究の知見を集約し、年齢の高い労働者が職場でステレオタイプにさらされることは珍しくないと示した。このレビューでは、年齢の高い労働者に対する思い込みが好意的な場合もあると指摘している。より信頼でき、忠誠心が強く、勤労意欲が高いと見なされることもある。しかしHarrisらによれば、年齢の高い労働者が否定的なステレオタイプに直面する方がはるかに多い。適応力が低い、身体能力が不足している、技術的な能力が限られている、研修で能力を伸ばしにくい、変化に抵抗するといった見方が含まれる。こうした否定的なステレオタイプは、ほとんど根拠がないにもかかわらず根強く残り、深刻な差別につながる。年齢の高い労働者は、面接候補者に選ばれる、採用される、研修機会を提供される、昇進する可能性が低い(Posthuma & Campion, 2009)。失職した年齢の高い労働者は失業期間が長くなる傾向にあり、その結果、技能水準や賃金の低い仕事に就くこともある(Harris et al., 2016)。また、契約業務や起業家としての仕事など、雇用の安定性が低い職務に就く可能性も高い(Expert Panel on Older Workers, 2008)。

年齢に関する否定的なステレオタイプは、直接的な差別をもたらすだけではない。それまで高い成果を上げていた従業員でさえ、仕事のパフォーマンスが低下することがある。その経路には外的なものと内的なものの二つがある(Weber et al., 2019)。外的な経路では、年齢の高い労働者が、年齢に基づく否定的なステレオタイプを裏付けてしまうのではないかと過度に不安になり、集中力が妨げられてパフォーマンスが落ちる。こうして悪循環が生じ、ステレオタイプが自己成就的になる。内的な経路では、労働者が繰り返し接するうちにステレオタイプを内面化する。年齢の高い人は能力が低いと絶えず聞いて育てば、自分が年齢を重ねたとき、自分も能力が低くなったと思い込むかもしれない。こうして内面化されたステレオタイプは、自らに課す制約を生み出す。どちらの経路をたどるにせよ、年齢に関するステレオタイプの影響は小さくない。記憶の衰えや認知機能の低下から、心血管系のストレス反応の悪化まで、心理面・生理面に有害な変化をもたらすことが示されている(Dionigi, 2015)。

年齢の高い労働者本人の実際のパフォーマンスが、年齢に基づく否定的なステレオタイプの影響を直接受けていなくても、同僚の間にそうした信念が広まっていれば、職場で内集団が形成され、組織にとって望ましくない結果を招き得る(Kunze et al., 2011)。人は、自分と似ていると感じる人々と集団を形成する傾向があり、競争が激しい状況や脅威を感じる状況では、その傾向が強まる。年齢の高い労働者は成果が低く、柔軟性に欠ける、あるいは何らかの点で他と異なると思われていると、内集団から排除されやすくなる。内集団と外集団の形成は、情報共有と協働を損なう。その結果、豊富な経験や異なる視点を持つ可能性がある年齢の高い同僚の意見に、十分な注意が払われなくなる。議論に参加する声が少なくなれば、組織では意思決定の質、生産性、創造性、イノベーションが低下する可能性が高い。

職場で包摂されていない年齢の高い労働者は、さまざまな対処法をとってきた。差別を経験した際に明確に異議を唱える人もおり、その結果、職場での対立や混乱、法的措置、高額な差別訴訟につながることがある。前向きな自己像を保てるよう、「セミリタイア」と自称するなど、自分のあり方を捉え直す人もいる(Berger, 2006)。ボランティアの役割を担う人もいる。一方で、自分のキャリアの最盛期は過ぎたと諦めてしまう人もいる(Grima, 2011)。その結果、仕事への関与が低下する(James et al., 2013)ことから、離職率の上昇や早期退職の意向に至るまで、さまざまな悪影響が生じる可能性がある(Von Hippel et al., 2013)。

年齢差別にどう対処できるのか?

高齢化が進む国々では、定年年齢の引き上げと働く期間の延長が、経済的に不可欠だと広く考えられている。職場の年齢の多様性はかつてないほど高まり、最大4世代が共に働いている(King & Bryant, 2016)。こうした状況を踏まえ、あらゆる年齢層にとって包摂的な職場を実現し、そうでなければ生じ得る個人間、対人関係、組織上の害を防ぐ方法を、組織が検討することが極めて重要である。この問題は複雑なため、最も成功する取り組みは、おそらく体系的で幅広いアプローチをとるものだろう。

Cortijoらが提案する興味深い枠組みの一つ(2019)が、「認識・成長・受容(AGE)」モデルである。自己決定理論に根差したこのアプローチは、職場の年齢関連の取り組みを、外発的動機(組織がしなければならないと感じて行うこと)から内発的動機(組織が自ら望んで行うこと)へと移行させることを目指す。第一段階の「認識」では、年齢差別が起きている可能性を組織が認める必要がある。たとえば、差別禁止方針が規制上の要件を満たすことだけを目的に導入された場合は、その方針があってもこの認識が必要となり得る。

現状を把握するため、著者らは、従業員の年齢構成、年齢の異なる労働者がどのように扱われているか(例:人事評価、業績不振時、挑戦的な任務の割り当て時、新たな研修機会の提供時)、さらに企業の採用慣行を調べる監査を組織に勧めている。現在の行動を正確に把握したら、「成長」の段階に進む。この段階では、特定された年齢バイアスに対処する仕組みを整える。懸念領域の定期的な報告とモニタリング、最適な候補者を採用するための採用慣行の見直し、あらゆる年齢層の従業員への研修の提供、ステレオタイプに異議を唱える取り組み、柔軟な勤務形態やパートタイム勤務の選択肢、退職後の生活設計支援など、年齢の高い人材を惹きつけ、定着させる施策が考えられる。最後の「受容」の段階では、あらゆる年齢の従業員がスキルと経験を評価され、潜在能力を最大限に発揮できるよう奨励され、力を与えられる。

AGEモデルは包括的な枠組みを示す一方で、年齢差別の各側面への対処に有効だと示されている多様な個別の介入策を組み込むことができる。たとえば、履歴書の審査時に年齢バイアスが生じることが確認されていると注意を促し、採用プロセスで実際に履歴書を審査する段階では、応募者を関連するスキルと経験だけで評価すべきだと伝えることで、年齢差別が生じるリスクを減らせる(Kleissner & Jahn, 2020)。

単独でもAGEモデルに組み込んでも実施できる別の戦略は、語られ方を変えることである。一部の同僚や管理職が、年齢の高い同僚は能力や生産性が低いと思い込むことはあり得るが、そうした考えは誤りであることが多い。身体的負担の大きい職務では、人間工学に基づく調整や技術的解決策によって、年齢の高い従業員の生産性を維持できる(Raposo & Carstensen, 2015)。一方、知識を活用する職務では、経験が豊富であるほど成果が高まることが多い(Avolio et al., 1990)。実際、新たな企業の設立に関しては、40歳を超える人は若い起業家に比べ、成功する企業を設立する可能性が3倍高い(Bersin & Chamorro-Premuzic, 2019)。こうしたことから、異なる年齢層が参加するメンタリングの取り組みは、年齢の高い労働者の能力を示し、否定的な見方に異議を唱え、「彼ら対私たち」という意識が生まれるリスクを減らすうえで有効かもしれない(King & Bryant, 2015)。

誤った否定的な信念を崩すのに役立つもう一つの介入策は、キャロル・ドゥエックのマインドセット理論に関連する。ドゥエックによれば、マインドセットは固定型から成長型までの連続体として定義できる(2006)。固定型の端にある人は、個人の特性は変えようと努力しても変わらないと考える。一方、成長型の端にある人は、人の特性は時間とともに変化し得ると考える。固定型のマインドセットを持つ人は、ステレオタイプを肯定しやすく(Levy et al., 1998)、外集団に対して偏見を抱きやすいことが示されている(Hong et al., 2004)。

HuiとRabinovichの研究(2020)では、成長志向のマインドセットを持つ若い労働者ほど、年齢の高い同僚に対してより肯定的な態度を示した。この研究はまだ初期段階だが、研修、部門間の協働、新たな関連知識を習得した従業員への報奨など、成長型マインドセットの形成を支える介入策が、年齢差別的な信念を弱め、異なる年齢層間の相互尊重と協働を促進する可能性を示している。

誤った年齢に基づく信念がなくても、年齢の多様なチームでは、結びつきが弱くなることがある。2021年の研究で、Kunzeらは、こうした点では暦年齢より主観的な年齢の多様性(自分が何歳だと感じるか)の方が重要かもしれないと指摘した。暦年齢または主観的な年齢が多様な同僚同士で結びつきが弱い場合、コミュニケーション、協働、リーダーシップの向上に焦点を当てたチームビルディングの取り組みが役立つことがある。こうした取り組みを成功させるには、単発のイベントとして企画するのではなく、定期的に繰り返す必要がある。否定的な感情や職場のストレスは主観的な年齢の認識を高める傾向があるため、健康やストレス管理の取り組みも、年齢に関わる結束を促す可能性がある。

こうした取り組みを検討する際、組織はさまざまな年齢の従業員が年齢に基づく差別を経験している可能性を認識しなければならない。すでに述べたように、年齢差別は若年層と高齢層の双方に広く影響し、交差性も関わっている可能性が高い。公平な競争条件を整えるための措置は、年齢に関する監査の結果に基づき、影響を受けるすべての労働者のニーズを考慮すべきである。組織が現状を明確に把握したうえで、どの介入策が最も適切で効果的かを検討できる。組織ごとにニーズは異なるため、すべてに通用する解決策はない。どのようなアプローチをとる場合でも、変更を一つまたは複数導入しただけで問題が解決したと思い込まず、その効果を時間をかけて測定することが重要である。さらに、これまで不利な立場に置かれてきた集団を支援するあらゆる措置と同様、導入する取り組みは、現在、年齢による特権を享受している人々の反感を避けるため、双方に利益のある機会として慎重に伝える必要がある。さもなければ、彼らは脅威を感じ、敵対的に反応する可能性がある。

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