オバマ大統領からオプラ・ウィンフリー、J.K.ローリングからリチャード・ブランソン、ウォーレン・バフェットからマイケル・ジョーダンまで、めざましい成功を収めた人々は、失敗について驚くべき物語を持ち、それを惜しみなく、勇気をもって世の中に共有してきました。置かれた状況は大きく異なりますが、彼ら全員を結びつける共通点は、失敗によって一人ひとりがより強くなったことです。
最も成功しているリーダーとは、こうした経験から学び、成長できる人たちです。しかし、失敗にうまく対処する方法は、私たちが教わることのないスキルです。苦労して身につけるか、まったく身につけないかのどちらかです。
個人としても職業人としても、将来の成功にとってこのスキルが重要であることを踏まえ、失敗から学び、より強く成長するための5つの考え方を以下に紹介します。
1. 成功と失敗を同じコインの両面として捉え始める。 成功は自分自身の才能のおかげ、失敗は外的要因(他者、運、タイミング、環境、市場の状況など)のせいだと考えがちです。しかし当然ながら、成功も失敗も、自分自身の才能(あるいはその欠如)とさまざまな外的要因が組み合わさって生じます。内的要因と外的要因の両方を検討することで、より多くを学べる可能性が開けます。
さらに、仕事の複雑さゆえに、子育てであれ顧客への製品の納入であれ、私たちの行うことのほぼすべてには成功と失敗の要素が含まれます。それでも、物事を二分して考える人間の傾向から、どちらか一方だと分類してしまいます。よく見てみると、成功と失敗はよく似て見えてきます。だからこそ、ラドヤード・キップリングが示唆するように、「勝利と災難に出会っても、その二人の詐称者をまったく同じように扱う」べきなのです。
2. 最初に思いつくもっともらしい要因に責任を帰す誤りを避ける。 実際には、多くの相互に関連した問題が影響している可能性のほうが高いものです。語る価値のある失敗の多くは、前提、信念、人格などに基づく複数段階の意思決定や行動の結果です。そのため、物事が計画どおりに進まなかったときは、少し時間をとってあらゆる理由を考える価値があります。
過去の失敗に至る一連の出来事への理解を深めると、それを止める機会が複数あったこと、したがって将来、同様の誤りを防ぐ方法も複数あることが明らかになります。「なぜ?」を5回尋ねる方法は、根本原因を考えるためによく使われる手法の一つです。誰かや何かを責める対象を探すのではなく、失敗にどう関与したかについて理解を深めることに焦点を当てる限り、有効です。
3. 個人の学びを具体的な変化や改善につなげる時間を取る。 多くの組織には、失敗から学ぶためのプロセスがあります。「事後検証」や「ポストモーテム」など、呼び方はさまざまですが、こうしたプロセスを通じて得た学びが、会議室の外や教訓をまとめた報告書のページを越えて生かされないことはあまりに多いものです。学びに時間を投じることは称賛に値しますが、将来同じ誤りが起きるのを防ぐ変化につながらなければ、結局は役に立ちません。
どのような学習プロセスを用いるにせよ、期限と説明責任の確認を含むアクション項目の一覧につなげるべきです。アクション項目は固定する必要はありません。何が有効で何がそうでないかを学ぶにつれて、適応させるべきです。大切なのは、学びを組織の変化に簡単につなげられるようにすることです。そうしなければ、苦労して得た教訓は棚に置かれ、ほこりをかぶるだけです。
4. 損失回避にとらわれない。 数量的に同じであっても、利益を得る満足感より損失の痛みを強く感じることはよく知られています。組織の文脈では、うまくいかないことを試したときの強い喪失感によって、私たちは後退し、リスクを取るのをやめ、現状維持に固執する言い訳を探すことがあります。
リスクを取って革新する力を守るには、失敗の経験との向き合い方を変える必要があります。損失に焦点を当てるのではなく、長期的に学びを加速させ、より優れ、より強くなる機会として、失敗を捉え直さなければなりません。この点で最も優れている組織は、学びを目的とした実験として、あらゆる取り組みを位置づけることから始めます。
5. 学びに時間とリソースを投じる方法を賢く選ぶ。 同僚との短い会話で十分な状況なのに、組織全体を巻き込んだ集中的な事後検証をしたい人はいません。逆に、同じ過ちを避けるために他の人も失敗について理解する必要があるなら、学びを閉ざされた場所だけで行うべきではありません。失敗の規模と種類に合ったプロセスを選びましょう。
上記の4つの考え方は、規模にかかわらず当てはまります。最後の考え方は、失敗の原因と結果を考慮するよう促すものです。明らかに、能力不足が原因の失敗と実験による失敗では様相が大きく異なります。前者では個人の能力に焦点を当てて学ぶかもしれませんが、後者では実験をどう発展させるかを検討するでしょう。同様に、結果を理解することは、失敗への対処方法に大きな違いをもたらします。また、学習プロセスに誰を何人関与させるか、学びをどのように変化へ、そして最終的には成功へとつなげるかを決める助けにもなります。
本稿の掲載は、世界経済フォーラムによる見解への賛同を意味するものではありません。
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著者: Fail ForwardのCEO兼創設者であるAshley Goodは、組織が学び、革新し、レジリエンスを築くための支援を行っています。
2012年11月20日、パリ西部の金融街にあるアルシュ・ド・ラ・デファンスの下を歩くビジネスウーマンのシルエット。ロイター/Christian Hartmann。
