欧州では規制を緩和する国がある一方、ロックダウンを続ける国もある。
世界経済フォーラムは、欧州各国における新型コロナウイルス感染症の異なる感染経路を追跡するツールを作成した。
欧州は回復への平坦ではない道を歩み始めている。
デンマークでは、予想より速いペースで社会の再開が進んでおり、スイスは緊急措置の緩和を検討している。一方、フランスはロックダウン期間を延長し、英国は規制を当面継続すると表明した。これらの国々は、新型コロナウイルス感染症の影響で引き続き深刻な打撃を受けている。
こうした違いの背景には、欧州全体の復興資金を賄うために共同で債務を発行するかどうかなどをめぐる意見の相違がある。
欧州では通常の状態に戻ろうとする動きにばらつきがある。地域内の各国で新型コロナウイルスがどのように広がったかを振り返ることは、今後の参考になるかもしれない。世界経済フォーラムは、ビジュアルツールを開発し、複数の欧州諸国における感染確認例の広がりを詳しく把握できるようにした。
たとえばイタリアでは、報告された感染者数に南北の地域差が見られ、欧州で累計死者数が最も多い。それでも、国内の限られた数の店舗は営業再開を認められている。
隣国スイスでは、政府は3月に5人を超える集会の禁止などの措置を発表したが、検査対象を絞る方針について批判を受けている。イタリア語圏の州であるティチーノ州やフランス語圏のジュネーブ州などで確認された感染者数は、さらに北に位置するドイツ語圏の一部の州を大きく上回る。
スペインでも、確認された感染者数に地域間の大きな差が見られる。同国の死者数はイタリアに次いで欧州で2番目に多い一方、一部の事業者には営業再開が認められており、建設業や製造業も対象となっている。
欧州が慎重に正常化へ向かうのは、憂慮すべきほど急速な感染拡大を経てのことだ。この追跡ツールには、欧州で最初に感染例が報告されてから、その後に報告数が急増するまでの時期を示す図も含まれている。
さらに詳しく知るため、世界経済フォーラムのストラテジック・インテリジェンス・プラットフォームが提供する関連記事を紹介する。
この分析によると、新型コロナウイルス感染症は、EUで機能していない基本的な問題を浮き彫りにした。健康は公共財であるにもかかわらず、EUにはこれを担う権限がほとんどなく、EU予算もこれほどの規模の危機に対処するには小さすぎる。(新経済思想研究所)
この報告書によると、劇的な数日間の交渉を経て、EU加盟27カ国の財務相は、経済的連帯に向けた第一歩となる緊急救済策に合意した。(ピーターソン国際経済研究所)
この報告書によると、ユーログループが「コロナ債」――新型コロナウイルス感染症への対応として共同発行する債務――を退けた決定は、欧州の北部と南部の亀裂を露呈させ、政治に不安定化をもたらす傷痕を残すことになる。(ソーシャル・ヨーロッパ)
ドイツは現在、公共活動への規制緩和を検討している。この国が学校の休校やスポーツイベントの中止などの封じ込め措置を実施してからわずか7日後、国内の新型コロナウイルス感染症の増加率はおよそ半分に低下したと、この分析は指摘している。(Vox)
この分析によると、新型コロナウイルス感染症のパンデミック後はほとんど何もかもが変わり、EUの持続可能な成長戦略である欧州グリーンディールも例外ではない。(ハーバード・ケネディ・スクール)
ストラテジック・インテリジェンス・プラットフォームでは、欧州の新型コロナウイルス感染者数の追跡ツールなどの可視化情報に加え、新型コロナウイルス感染症、欧州連合をはじめ、数百に及ぶテーマに関する専門家分析の配信を閲覧できる。閲覧には登録が必要。
この記事にはピエール・ソーターとユリウス・シュルテが寄稿した。





