アフリカが女性と子どもの健康を改善する3つの方法

A child receives a cholera vaccination at a clinic in Harare, Zimbabwe, on 4 October 2018.
By leveraging private-sector expertise and innovation, African healthcare can go from strength to strength.Image: Reuters/Philimon Bulawayo
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女性と子どもの健康は、世界中で健全かつ安定した社会を築くための礎です。しかし、数十年にわたり着実に増加してきた生殖・妊産婦・新生児・子ども・青少年の健康(RMNCAH)に対する開発援助は、2011年以降停滞しています。現在、アフリカだけで保健投資に年間600億ドルの不足が生じていると推定されています。

この不足を埋めるには、各国政府が、国民皆保険(UHC)の実現に向けた計画に、国内外の民間セクターをより明確な目的と戦略をもって組み込む必要があります。

Devexが発表した最新の分析は、 MSD for Mothersの支援を受け、世界の保健コミュニティが民間セクターとより効果的に連携し、従来型の慈善活動を超えて、より大きな成果を上げるための機会を示しています。『進歩のためのパートナー:SDGs達成に向けた民間セクターのアプローチ』は、世界の保健分野の関係者が、民間セクターとの連携に大きな可能性を見いだしていることを示しています。とりわけ、医療用品・サービスへのアクセス拡大、医療の質と持続可能性の向上、保健人材の強化に関して、その可能性が期待されています。

実際、2018年12月には、USAIDが民間セクターとの連携に関する意欲的な方針を発表し、民間企業を「人々の生活を向上させ、地域社会を強化し、各国の自立を加速させる最も強力な力の一つ」と位置づけました。

実際、民間セクターはすでに、低・中所得国(LMIC)の保健エコシステムにさまざまな形で貢献しています。サプライチェーンの一翼を担い、製品を最終地点まで届けるほか、患者に必要な医薬品を製造し、それを調剤する地域薬局を運営しています。また、保健分野で活用が進むITネットワークやデジタル技術を生み出し、医療従事者の研修や資金調達の源にもなっています。民間の医療提供者は、すでに患者に対して相当な割合の医療サービスを提供しています。

政府には、こうした機能を再現するだけの資金、能力、専門知識がありませんし、そうする必要もありません。ナイジェリア、ウガンダ、ガーナ、セネガルをはじめとする多くの国はこの点を理解し、それに応じて政策や取り組みを調整しています。

妊産婦死亡率を下げ、女性と子どもの健康を改善するために、政府が民間セクターと連携できる、また連携すべき重要な方法を3つ紹介します。

1. 開発に向けた革新的な資金調達手段を最適化する

意欲的なRMNCAHの取り組みに必要な資金不足を解消するうえで、民間セクターは重要な役割を担います。特に、革新的な資金調達の仕組みを通じた貢献が期待されます。

投資の世界で一般的に使われる金融手段は、社会的インパクトを生み出すための資金、特に民間資本を呼び込むのに役立ちます。この分野では試行が広がっており、民間投資家やグローバル企業が援助機関、財団、NGOと協力し、命を救うプログラムへの資金を増やしています。

例えば約1年前、UBS Optimus FoundationとMSD for Mothersは、USAIDおよびインドの現地実施団体と連携し、初の母子保健インパクト債を立ち上げました。Utkrishtは、母子保健の負担が大きいラジャスタン州で民間の産科医療の質を高め、妊産婦と新生児の死亡数を減らすことを目指しています。このような仕組みは、寄付者や政府が望ましい成果に資金を振り向け、実施団体が革新を起こして成功するために必要な初期資金を確保するのに役立ちます。ナイジェリアの基礎保健医療提供基金は、限られつつある公的資源を補うため、新たな資金を呼び込む、より大規模な戦略的取り組みです。

Image: 国連人口基金

2. 地域の民間医療提供者を活用して保健制度を強化する

多くの低・中所得国では、地域の民間セクターが保健医療に大きく貢献していますが、国の保険制度や医療の質向上プログラムでは見過ごされ、対象から外されることが少なくありません。こうした国々で家族計画や母子保健サービスを求める女性の約40%が、民間の医療提供者からケアを受けていることを考えると、これは懸念すべき状況です。民間の医療提供者には、地域の医師、看護師、助産師、地域保健従事者が含まれます。

女性が民間の医療を選ぶ理由はさまざまです。自宅から近いこと、診療時間が柔軟であること、質が高いと感じられること、一人ひとりに合わせたケアが受けられるという安心感、地域のニーズや文化、慣習への配慮などが挙げられます。各国は、民間の医療提供者の到達範囲と能力を活用し、国の医療の質向上プログラムに組み込む方法を探るべきです。そうすることで、保健制度全体にわたって医療の質を確保できます。

医療分野の非営利団体PATHのCEO、スティーブ・デイビスはこう述べています。「『民間セクター』と言うとき、多国籍企業だけを指しているのではありません。この分野で最も重要な民間セクターの担い手は、現場で患者に対応する民間の医療提供者です。」

3. 民間セクターの専門知識とイノベーションを取り入れる

製品開発、情報技術、データ分析、サプライチェーンは、資金以外に民間セクターが提供できるものの一例です。これらは、保健と開発をより速く、効率的に、より大きなインパクトをもって前進させる独自の能力です。DevexのCEO、ラジ・クマールはこう語ります。「資金は重要ですが、民間セクターから得られるものはそれだけだと考えるなら、大切な機会を逃しています。」

ビジネスの成功を支える経験と専門知識は、女性と子どもの健康の向上を今後何年にもわたって維持する解決策を見つけ、拡大するために、そのまま生かせることが少なくありません。

一例が、セネガルの公衆衛生サプライチェーンの改革です。民間の物流事業者を導入したことで、政府は一部地域で最大80%に達していた避妊具の欠品率を、全国平均で2%未満にまで下げることができました。これにより、女性が安全に出産計画を立て、出産間隔を調整するために必要な製品を入手できるようになりました。

コートジボワールのアビジャンにある産科病院で座る女性たち。Image: Reuters/Luc Gnago

今後に向けて

民間セクターとの連携を進めるうえでは課題もあります。何よりもまず、資金提供者としての役割を超えた民間セクターの貢献を、包括的に追跡している人はいません。そのため、民間セクターがどれほど成果を上げているのか、最大のインパクトを生むために提供できるものを実際に最適化できているのかを、十分に把握できていません。

もう一つの課題は、民間セクターとの連携を可能にする環境が常に整っているわけではないことです。例えば、地域企業が医療サービスの提供に十分貢献できるような政策を政府が整備していない場合があります。また、助産師が運営する診療所や民間の物流会社などの事業者と連携し、保健エコシステムの一員として活動できるようにする能力が、政府に不足している場合もあります。

政府が民間セクターの多様な強みと貢献を最大限に生かし、国の政策としてそれぞれの役割や能力を十分に活用できるよう、私たちはこうした障壁やその他の障壁を取り除くために協力しなければなりません。政府はガバナンス体制を強化し、制度全体にわたって公開性と透明性を徹底する必要があります。

MSD for Mothersは、より広い保健コミュニティと協力し、今後の道筋を描いていくことを楽しみにしています。民間セクターの現在の貢献への信頼と理解を築き、その能力を十分に生かすことで、最も脆弱で周縁化された人々にも、質の高いケアと医薬品へのアクセスを届けられます。実質的で透明性があり、相互に説明責任を果たす連携を確保すれば、各国はUHCの目標達成に近づき、誰もが受けるに値する持続的かつ長期的な健康上の恩恵を実現できます。

テミタヨ・エロボグボはMSD for Mothersのアドボカシー担当ディレクターです。Merck & Coの5億ドル規模のグローバルイニシアチブであるMSD for Mothersは、国の保健戦略に民間医療を組み込むよう長年提唱してきました。私たちはWHO母子保健パートナーシップの民間セクター構成員の共同議長を務め、プログラムを通じて、妊産婦死亡率の低下に民間セクターの能力を生かすことに取り組んでいます。これまでに48か国で102のプログラムを実施しています。

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