病気のリスク要因に大きな関心が寄せられるなか、私たちは「監視医療」の時代を生きている。リスクが重視されることで、健康と病気の境界が曖昧になっていると、イェール大学とシラキュース大学の研究者らは、12月号の『Journal of Health and Social Behavior』に掲載された研究で論じている。
イェール大学の社会学助教ルネ・アルメリンと、シラキュース大学の政治学助教シャナ・クシュナー・ガダリアンは、健康な人が仮定上の遺伝的リスク情報を受け取ったとき、行動を起こしたいと思うかを調べるため、米国の成人を対象に全国調査を実施した。
参加者には、ある病気の遺伝的リスクに直面したと想像してもらった。リスクの水準(20%から80%)と病気(心臓病、結腸がん、アルツハイマー病)は無作為に割り当てられた。いずれも一般的な疾患で、女性と男性におおむね同数の人が罹患し、遺伝的要因と環境要因の両方によって引き起こされるが、発症年齢や治療可能性は異なる。
この調査により、研究者らは病気になる可能性がもたらす不確実さや懸念を再現し、さまざまな水準や種類のリスクに対して、誰がどのような行動を望むのかを体系的に評価できた。
研究の主な発見は、リスクの水準が20%から80%へ上がるにつれて、人々はあらゆる種類の行動を起こそうとする傾向が強まることだった。これには、病気について情報を得ること、服薬や手術によってリスクを管理すること、家族に相談すること、財政を整えること、地域や政治の活動に参加することが含まれる。
調査結果は、健康な人にとってもリスク情報が重要であることを示し、健康と病気の間で生きる経験は、すでに患者となっている人だけに限られないことを示唆している。「社会科学者たちは、今やリスクを病気であるかのように扱っていると論じてきました。この結果は、その主張を強く裏付けています」とアルメリンは述べる。
参加者には、割り当てられた病気を患う家族や親しい友人がいるかどうかも尋ね、病気を経験したことが行動を起こす意欲を高めるかを評価した。研究者らは、病気を身近に見た経験がほとんど影響しないことに驚いた。全体を通じて、人々は仮定上のリスク情報に反応し、行動を起こしたいと考えた。
調査の質問は仮定上のものだったが、この研究が提起する問題は現実のものだと研究者らは指摘する。また、人々はリスク情報を用いて、がん検診の頻度を増やすか、予防手術を受けるかといった重要な医療上の決定を下していると付け加えた。
「人々がこうしたリスクの数値にどう反応し、重要な人生の決断にどう活用しているのかを、社会科学者や臨床医が理解することは極めて重要です」とアルメリンは述べる。さらに、「このような研究は、医療従事者が十分な背景情報とともに遺伝情報を提供し、人々が自分にとって最善の決断を下せるよう支援するのに役立ちます」と付け加えた。
健康な人から病気の人まで、また家族に病歴がある人もない人も、集団全体でほぼ同じ反応を示したことから、正常であることは確かに不安定なものとなり、私たちは皆、いつ患者になってもおかしくない存在になっていると研究者らは述べる。
イェール・ニュースとの共同掲載: Yale News
著者:ベス・コノリー・マーテルは、イェール大学広報・コミュニケーション局のコミュニケーション担当官。
画像:バイオテクノロジー研究所の研究者が、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療法に取り組んでいる。REUTERS/Jerry Lampen。


