国連によると、今世紀末までに地球の人口は110億人近くに達する。
しかし、新たな研究は、それがもはや最も可能性の高いシナリオではないと示唆し、今世紀半ばを過ぎた頃にピークを迎え、その後減少すると予測している。
ワシントン大学は、今世紀最後の3分の1に世界人口が減少し、2100年には88億人になると予測している。
人口がどのように推移するかを理解することは重要だ。世界各国の政府や産業界が策定する戦略に影響するためである。
人口過剰は、長い間、地球の未来に影を落としてきた概念だ。
それは、スティーブン・エモットの著作『10 Billion』をはじめ、多くの作品の着想源となってきた。同書は、食料不足、エネルギーをめぐる戦争、内戦が起きる未来を描いている。
急速な世界人口の増加への懸念を呼び起こす研究が、もし間違っていたとしたらどうだろうか。ワシントン大学の保健指標・評価研究所によれば、その可能性がある。同研究所は、人口が増え続けるという予測の前提に異議を唱え、次のように指摘している。人口の減少と高齢化が、将来の主要な課題となる。
この見解は、国連の予測とは相いれない。国連は、世界人口がペースを落としながらも増加を続け、2019年の約77億人から増えて、2100年には109億人に達すると予測している。
こうした予測が重要なのはなぜか?
人口がどのように推移するかを理解することは重要だ。将来の人口規模は、世界各国の政府や産業界の戦略の基盤となる。インフラへの重要な投資や、国際開発、炭素排出削減の目標を計画する必要があるからだ。人口が増加するのではなく減少すれば、多くの影響が生じる。
「世界人口が縮小するという私たちの予測は、環境、気候変動、食料生産にプラスの影響をもたらします」と、スタイン・エミル・ヴォルセット教授が率いる研究者らは記している。「一方で、労働力、経済成長、社会保障制度にはマイナスの影響が生じる可能性があります。」
世界人口の予測にはどのような違いがあるのか?
ワシントン大学の研究者らは『ランセット』誌で、世界人口は2064年に97億人でピークを迎え、その後減少して2100年には約88億人になる可能性があると記した。
国連が予測する2100年の109億人という人口は、少なくとも一部は「世界人口の前例のない高齢化」に基づいている。また、一部の国や地域で「高い出生率にけん引された急速な人口増加」が見込まれていることも根拠となっている。
一方、ワシントン大学の研究者らは、人口減少は開発目標の達成と結びつくと主張している。たとえば、女性や少女の教育、避妊手段へのアクセスが挙げられる。
「異なる結果が出るのは、これほど長い期間の予測に伴う不確実性を反映しています」と、マサチューセッツ大学アマースト校の統計モデラー、レオンティン・アルケマ氏は、『ネイチャー』誌の記事で取り上げられた人口データの食い違いについて述べている。
「ある意味、これは不可能に近い作業です。だからこそ、できる限りのことをするのであり、異なるグループが異なる手法を用いるのはよいことです。」



