世界のトップ国際大学:これまで以上に重要になっている国際協力

A student with backpack walks in front of King's College in Cambridge: The United Kingdom has three of the world's top most internationally-connected universities according to Times Higher Education.
The international ranking explores the extent to which universities join forces across international borders on collaborative research projects, measuring the proportion of research published with an international partner.Image: Unsplash/Victoria Heath
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  • 地球規模の課題が大きくなる中、大学はその解決に向けて国境を越えて連携する必要がある。

  • インペリアル・カレッジは、英国外で初の主要な研究センターを設立したことを受け、世界で最も国際的につながった大学の一校に選ばれた。

  • タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの「国際的につながった大学」ランキングは、大学の国際的な教職員と学生の比率を測定するとともに、母国以外における大学の学術的評価を明らかにするものである。

「世界が直面する大きな課題は、個々の大学の手に余るほど大きい。統合された国際的なチームが必要だ」。アリス・ガストは2014年にインペリアル・カレッジ・ロンドンの学長に就任した際、こう述べた。「未来には大きな課題が待ち受けているが、優れた大学は連携することでそれに立ち向かうことができる」。

それから10年が経ち、インペリアル・カレッジは117年の歴史の中で初めて、英国外に主要な研究センターを設立したと発表した。「インペリアル・グローバル:シンガポール」と名付けられたこのセンターは、当初、シンガポールの南洋理工大学との提携により医療データセキュリティに重点を置く。拠点となるのは特別キャンパスで、カリフォルニア大学やケンブリッジ大学など、他の機関が設立したセンターも既に入居している。

そのため、インペリアル・カレッジが、タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの最新ランキングで世界で最も国際的につながった大学の一つに選ばれたことは、まさにふさわしいと言える。

視野の拡大

インペリアル・カレッジは、タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの「世界で最も国際的な大学」ランキングで世界第5位に入っている。欧州勢としては、オックスフォード大学(第3位)とケンブリッジ大学(第4位)が加わり、英国からは計3校がトップ10入りした。スイスからはETHチューリッヒとスイス連邦工科大学ローザンヌ校が第7位と第8位にランクインしている。

しかし、世界有数の国際的な研究・イノベーションの拠点である香港が、上位を席巻している。世界で最も国際的な大学第1位の香港城市大学をはじめ、香港大学(第6位)、香港科技大学(第9位)、香港理工大学(第10位)の計4校がトップ10入りを果たした。

世界で最も国際的な大学。Image: タイムズ・ハイヤー・エデュケーション

今年は203校が対象となったこの国際ランキングは、大学の国際的な教職員と国際的な学生の比率を測定し、タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの毎年の学術評判調査を活用して、大学の母国以外の学者の間での学術的評価を明らかにするものである。

また、このランキングでは、大学が共同研究プロジェクトにおいて国境を越えてどの程度連携しているかも調べており、国際的なパートナーと共同で発表された研究の割合を測定している。

世界経済フォーラムのボルゲ・ブレンデ会長は、今年のダボス年次総会の前に次のように述べた。「最も深刻な地球規模の差し迫った課題の多くは、パスポートなしで国境を越えてくる。サイバー攻撃、パンデミックの可能性、気候変動……。各国はもちろん最善を尽くすことができるが、協力することによってのみ解決できる」。

国境を越え、知識を前進させる

タイムズ・ハイヤー・エデュケーションのデータは、世界中の大学がこの課題に応えつつあることを示している。タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの世界大学ランキングのデータ(世界の主要な研究型大学およそ2,000校をランク付け)は、次のことを示している。

  • シンガポールのランク入り大学が発表する研究の68%は、国際的なパートナーとの共同研究である。2016年の53%から上昇した。

  • スイスのランク入り大学が発表する研究の67%は、国際共同研究の一部である(2016年の60%から上昇)。

  • 英国のランク入り大学が発表する研究の59%は、国境を越えた共同研究によるものである(2016年の50%から上昇)。

  • 香港のランク入り大学による研究の72%は、国際的なパートナーとの協力により発表されている。

世界の研究大国である米国と中国本土は、世界ランキングに入る大学の間での国際共同研究の水準が低いものの、現時点では共同研究は増加を続けている。米国は2016年の33%から現在の40%へ、中国は2016年のわずか18%から現在の27%へと上昇している。

アブダビ大学の総長ガッサン・アウアド氏は、同大学が タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの最も国際的なランキングに初登場で第2位に入ったことを受けてこう述べた。「私たちは皆、同様の地球規模の課題に直面しているため、大学の国際化は極めて重要である。国際的な舞台で協力することで、資源を最大限に活用し、社会全体に利益をもたらすことができる。テクノロジーの活用により世界は小さくなっており、私たちはこれを生かすべきである」。

フィンランドで最も国際的な大学であるアールト大学を率いる人工知能の専門家、イルッカ・ニエメラ氏は、同大学が世界で第53位であることについて、同意し、次のように述べた。「研究を前進させるのは、異なる視点を結び付け、多様な考え方を理解することだ」。

しかし、世界ランキングにおいて大学を駆り立て、ますます分断される世界において各国を動かし続けている激しい国際競争についてはどうか。インペリアル・カレッジのアリス・ガスト氏はこう述べている。「競争と協力は、同じコインの裏表である。私たちは両方に賭けることができ、また賭けなければならない」。

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