最近、インドのウッタル・プラデーシュ州にある人口わずか1,200人の村、モフサンドを訪れた際、地域保健ワーカー(アシャ)であり、ワクチン接種のヒーローでもあるプーナム・デヴィさんに会った。
プーナムさんは小柄な女性で、身長5フィート2インチの私よりずっと小さいが、村を歩く姿には威厳があり、明るい笑顔をたたえている。2歳未満の子どもなら一人ひとり名前を知っている。整った字で台帳に子どもたちの出生、体重、命を救う予防接種を受けた日付を記録している。自らワクチンを接種するわけではないが、台帳には子ども一人ひとりの健康に関する知識が蓄えられている。
アシャとしての経験について、たどたどしいヒンディー語で質問すると、プーナムさんは自信をもって答えた。そう、村には必要なワクチンがある。そう、熱や風邪で子どもが接種を受け損ねることもあるが、回復すれば親は必ず連れてくる。そう、赤ちゃんが生まれる前に妊婦一人ひとりの様子を確認している。プーナムさんの仕事があるからこそ、ワクチンという奇跡がモフサンドの子どもたちに届き、ワクチンで予防できる病気を恐れずに人生を始めることができる。
しかし、ワクチンの成功にもかかわらず、プーナムさんに村を案内してもらうなかで、ほかの健康関連の課題も浮き彫りになった。たとえば、次のようなことがある。
村では188世帯のうちトイレがあるのは40世帯だけで、以前に建設されたトイレが適切に使われていないことも明らかだった。今も近くの野原で用を足すことを好む人がいる。適切な衛生設備を利用できなければ、子どもたちは下痢性疾患にかかりやすくなる。
生後7か月から3歳までの子どもがいる各世帯には、補助食として栄養強化穀物1キログラム入りの袋が配られる。訪問した世帯の母親の一人は恥ずかしそうに、水牛の乳がとても濃くなるので、その穀物を水牛に与えていると打ち明けた。
出会った父親の一人は、1歳の娘を愛情深く抱きながら、妻と自分は4年間のうちに4人の子どものうち2人を乳児期に亡くしたと話してくれた。
こうした目の当たりにした事実は印象深く、村人が健やかに暮らせるようにするには、ワクチン、家族計画、栄養、水と衛生にわたる保健サービスを連携させることが重要だと改めて感じさせた。
この記事は、 ビル&メリンダ・ゲイツ財団 との協力のもとで公開されています。公開は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。
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著者:ヘレンは、ワクチン供給チームのシニア・プログラム・オフィサーとして、ロタウイルスおよびコレラワクチンに関する腸管・下痢性疾患ポートフォリオを支援している。
画像:ワクチン接種プログラムで、保健ワーカーが「ニューモバックス」のワクチン瓶を掲げている。REUTERS/Rupak De Chowdhuri。



