地政学で「ミドルパワー」が存在感を示すべき時が来た理由

Flag hanging to one side fo the image: With major powers and the UN unable to prevent or end many wars, maybe this is the moment for middle powers.
As major economies and the United Nations struggle to prevent wars, is this the moment for middle powers to step up?Image: Getty Images/istock
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  • 地政学をめぐって、旧来と新興の超大国間で緊張が高まるなか、いわゆる「ミドルパワー」は存在感を示せるだろうか。

  • 2人の専門家が、ミドルパワーの役割と、難しい外交上の課題を仲介するうえで独自の立場にある理由を解説する。

  • ポッドキャストを聴くこちら。あらゆるポッドキャストアプリではこちらのリンクから、またはYouTubeで視聴できます。

「冷戦期と冷戦後の双方において、協力と多国間主義をどう前進させてきたかを振り返ると、ミドルパワーはどちらの時期にも極めて重要な役割を果たしています。」

そう語るのは、ブルッキングス研究所の上級フェロー、ブルース・ジョーンズ氏です。

ジョーンズ氏によると、ミドルパワーとは、米国や中国のような主要国と競い合うだけの力はないものの、地政学において重要な役割を果たし得る国々を指します。カナダ、ノルウェー、ブラジルなどが挙げられます。

ジョーンズ氏と、アルゼンチンの元外相で、この回の「Radio Davos」にゲスト出演したスサナ・マルコラ氏は、ますます多極化する世界でミドルパワーが果たし得る、均衡を保ち建設的な役割について話し合います。両氏は世界経済フォーラムのグローバル・フューチャー・カウンシルの報告書にも寄稿しました。分断する世界で協力を形づくる。

ポッドキャストの主な内容を紹介します。

「ミドルパワー」の役割と可能性

ブルース・ジョーンズ:主要国間の不信感が極めて強い世界に私たちは生きています。紛争のリスクは高く、すでに欧州では紛争が起きており、米国と中国の間で紛争が起きる深刻な恐れもあります。過去30年ほどと同じような協力では、もはや通用しない世界です。

ミドルパワーの要点は、カナダ、オーストラリア、ノルウェー、ブラジルなどの国々が、中国、米国、ロシアとの間で、それらの大国同士ほど強い緊張や敵対関係を抱えていないことです。そのため、提案や解決策を示し、各主要国にある程度の寛容さをもって受け止めてもらうことができます。

黒海に紛争が波及することで生じる最悪の世界的影響を避けるため、トルコが国連と協力し、黒海穀物合意の仲介を支援した役割を見てください。

スサナ・マルコラ:紛争が避けられないことに疑いの余地はありません。世界が直面する緊張の度合いを見れば、紛争の予防と解決が絶対に必要だと分かります。

ウクライナへの対応として、何らかのロードマップを提示する必要があることは明らかだと思います。

ビジネスへの影響

ブルース・ジョーンズ:これまで以上に深くグローバリゼーションが再編されるでしょう。その背景には、中国への信頼の欠如があります……

WTOのンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長は、バリューチェーンの上位へ移行する準備が整い、投資先となる可能性のあるグローバルサウスの国々の数について、非常に説得力のある話をしていたと思います。

スサナ・マルコラ:企業は、まず変革を後押しする可能性のある存在として、ミドルパワーに目を向ける必要があります……さらに、サプライチェーンの構築方法に生じる変化の行き先となる可能性のある国々としても、ミドルパワーに注目すべきです。

つまり、企業へのメッセージとして非常に重要なのは、大国間の二者択一を白か黒かで捉えるのではなく、はるかにきめ細かな視点で世界を見る必要があるということです。

リスクと機会

スサナ・マルコラ:この勢力図の変化は、米中関係に影響を及ぼし、注目を集めるだけでなく、地域レベルの複雑さも増しています。

より広い舞台で複雑さが増し、勢力の均衡も変わります。ですから、ミドルパワーの台頭によって緊張がさらに高まる、あるいは異なる形の緊張が生じる可能性は確かにあります。

ブルース・ジョーンズ:[国際]機関そのものには主体性がなく、独立した行為者ではありません。大国が問題を解決するために使える手段です。しかし、大国間にこれほどの不信と緊張があると、機関は成果を上げにくくなります。

スサナ・マルコラ:私たちが知る[国際連合]は、各国の勢力やその分布がまったく異なっていた1945年の現実を反映して創設されました。

そのため、それ自体が解決策を見いだす妨げになることもあります。世界の紛争問題に対処する中心的機関である安全保障理事会は5か国で構成され、5人の代表が常任理事国として拒否権を持っています。

米国とロシア、また米国と中国の間にこうした緊張があると、双方はあらゆる提案を互いに阻止できます。最近のガザの事例でも、それが見られました。

だからこそ、互いに深く不信を抱く両陣営の間に連絡経路を築き、橋渡しをする可能性を開く新たな仕組みが必要なのです。

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