未知の未知に備えるには

未知の未知に備えるには
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私たちは危険な時代を生きています。ようやく状況を把握できたと思った矢先に何かが起こり、足元をすくわれたように感じることがあります。行動や出来事はしばしば絡み合っており、あるレベルで起きたこと――個人、国家、経済部門、そして規模を問わない企業に影響を及ぼすこと――が、別のレベルに波及する場合もあります。

最近のパリでのテロ攻撃はその一例です。被害者の家族や友人、さらにはフランスの人々だけでなく、世界中に余波が広がっています。その影響は今後も、欧州をはるかに越えて、公共政策、選挙政治、メディアの自由などに及び続けるでしょう。

攻撃が起きたのは、世界が例年、来たる年を見通そうとする時期でした。待ち受けるリスク、訪れる機会、克服すべき課題を予測しようとするのです。しかし、より長期的なリスクについてはどうでしょうか。パリでの攻撃のような出来事は、そうしたリスクの予測が不可能であることを示しているのでしょうか。それとも、この攻撃は、長期予測がまさに特定すべき種類のリスクを浮き彫りにしたのでしょうか。

世界経済フォーラムはこのほど、今後10年間に世界が直面する最大のリスクを予測し、順位付けする「Global Risks 2015」報告書を発表しました。WEFの焦点は、あくまでマクロレベルにあります。たとえば、「今後10年間の世界の安定に対する最大の脅威は、国際紛争のリスクから生じる」としています。戦争の脅威に続いて、社会、環境、地政学、技術、経済に関するさまざまなリスクや傾向が挙げられています。

しかし、これらのリスクは組織レベルで、そして最終的には個人レベルでも感じられるでしょう。だからこそ私たちは、会議室や家庭の食卓を囲んで、リスクを特定し、軽減しようと時間を費やします。それでも、変化の速度はかつてないほど速く、政府、企業、家庭がそれについていくのはますます難しくなっていることも分かっています。リスクの特定、定量化、軽減のすべての根底にあるのは、変化だけが唯一不変のものだという、否定しようのない時代を超えた真実です。

ヘラクレイトスにとって、変化は生命の根本原理でした。マキャベリはそれを「フォルトゥナ」と呼びました。私たちを形づくり、幸福を左右する出来事は、しばしば理性や制御の及ばないところにあります。変化に備える計画を立てることはできても、それがいつ、どのような形で起こるかを常に予測できるわけではありません。

さらに、予測して備えることのできるリスクが数多くある一方で、最も大きな損害をもたらし得るのは、備えようのないリスクです。だからこそ、特定、定量化、軽減に取り組むと同時に、すべての変化を明確に予見し、計画できるわけではないという考えも受け入れなければなりません。そこから導かれるのは、危機の際に効果的に行動し、予期せぬ変化による潜在的な被害を最小限に抑えるために必要なレジリエンスと手段を、家族、組織、国家に育むべきだということです。

この姿勢は、こうした変動がもたらす潜在的な利益を最大化する助けにもなります。そもそも、予期せぬ変化がなければ、人間の営みの多くは実を結ばず、イノベーションも必要なくなるでしょう。

パリのシャルリー・エブドでの虐殺のような衝撃的な出来事が起こり、かつてないほど頻繁に起きているように感じられます。それらは私たちの世界をひっくり返し、自分が何者なのかという認識を問い直させます。

そうした瞬間にこそ、説明のつかないこと、計画外のこと、理解を超えたことに立ち向かう能力――あるいはその欠如――が明らかになります。同時に、そうした瞬間は、将来の世代が最終的に私たちを評価するのは、個人として、組織として、あるいは国家として何を蓄積したかではなく、周囲の人々にどのような影響を与え、その人々のニーズにどれほどうまく応えたかによるのだと、私たちに思い起こさせます。

リスクの顕在化、発生時期、拡散が人々を麻痺させかねない危険な時代に重要なのは、何を成し遂げるかだけでなく、どのように成し遂げるかです。こうした時代に私たちが生み出す価値は、金銭だけでは測れません。より重要なのは、同僚、パートナー、子ども、そして市民仲間が、どれほど強く、能力を高め、レジリエンスを備えられるよう支援するかです。今年、そしてこれからの10年間における最大のリスクは、この根本的な真実を見失うことなのかもしれません。

本記事は、 Project Syndicateとの協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。

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著者:ルーシー・P・マーカスは、Marcus Venture Consulting, Ltd.の創設者兼CEOであり、IEビジネススクールのリーダーシップおよびガバナンス担当教授、Atlantia SpAの社外取締役、Mobius Life Sciences Fundの社外会長、BioCityの社外取締役を務めています。

画像:2008年11月25日、日没時にカイロを見下ろす丘の上で話す若い男性たち。REUTERS/Asmaa Waguih。

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