核兵器の安全保障を強化するには、どうすればよいのか?

核兵器の安全保障を強化するには、どうすればよいのか?
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5月17日、英国海軍の内部告発者ウィリアム・マクニリーが明らかにした英国のトライデント潜水艦計画における安全上の不備疑惑は、軍事核計画の安全保障上の欠陥や脆弱性という問題に焦点を当てた。こうした計画に関する核セキュリティ上の不備を知るのは、通常、不測の事態や内部告発があったときだ。適切な監督があれば、事態が起きる前に脆弱性を特定し、解消できる。しかし、核兵器備蓄の安全確保に関する原則や実施方法について、信頼できる公開情報はほとんどない。核テロを防ぐため、国際社会が民生用核物質の安全保障に多大な注意を払っていることを考えれば、軍事分野の核物質に関するこの情報の空白は懸念すべきものだ。 明らかにした 英国海軍の内部告発者ウィリアム・マクニリーが

2010年、米国のバラク・オバマ大統領は、危険な者の手に渡れば即席核装置に転用されかねない、脆弱な核物質をすべて確保するための世界的な取り組みを開始した。これは、世界の指導者や核テロ専門家を今なお悩ませる悪夢のシナリオである。2010年にワシントンD.C.で、2012年にソウルで、2014年にハーグで開催された3回の核セキュリティ・サミット(NSS)は、こうした取り組みを大きく前進させた。主な成果の一つは、世界各地の研究炉や民生用備蓄から、15トンを超える高濃縮ウラン(HEU)を迅速に撤去したことだ。テロリストが粗製核爆弾を製造しようとする場合、HEUを用いた砲身型装置が最も容易な選択肢となるため、これは重要である。NSSの後押しにより、さらに12カ国がHEUを完全に保有しない国となった。ほかの国々も、代替技術が利用可能になり次第、民生用途にある兵器利用可能物質をなくすと誓約したり、核物質の安全性を大幅に高める措置を講じたりしている。

こうした成果は称賛に値し、今後も継続されなければならない。しかし、これまでの取り組みは、最大の懸案、すなわち軍事計画における核兵器ならびにHEUとプルトニウムの備蓄の安全保障には取り組んでこなかった。評価すべきことに、ハーグで開催された前回の核セキュリティ・サミットの参加国は、初めて、 すべての 核物質の安全保障に言及するコミュニケ文言に合意した。しかし、具体的な約束や解決策は示されなかった。兵器および軍事備蓄中のHEUとプルトニウムは、これらの物質の世界全体の保有量のおよそ85%を占めるにもかかわらず、国際原子力機関(IAEA)の核セキュリティ指針・勧告を含む既存の国際的な核セキュリティの枠組みや監督のいずれにも含まれていない。軍事用核物質は、核物質の防護に関する条約の対象にもなっていない。

遺憾ながら、核兵器保有国には、こうした危険な物質や兵器の管理、防護、計量管理に関する安全保障指針やベストプラクティスの策定について議論を始めようという意欲があまりない。兵器備蓄と核物質備蓄の核セキュリティ体制を相互評価や何らかの国際的監督の対象とすることへの意欲は、さらに乏しい。

核兵器保有国が主な安心材料として示すのは、自国の核兵器と核物質は十分に安全確保されており、私たちはただ 彼らの「厳粛な言葉を信じる」べきだという主張だ。これは、退役陸軍中将ハリド・キドワイの言葉である。彼は最近まで、パキスタンの軍事核計画を統括する組織を率いていた。しかし、世界各地の核兵器施設で脆弱性や侵害が毎年明らかになっていることを考えれば、ほとんど安心材料にはならない。兵器施設は軍によって防護されているため、民生用備蓄より安全だという主張も、明らかになった安全上の問題を踏まえれば信頼できない。例えば、昨年、モンタナ州のマルムストローム米空軍基地で相次いだ試験不正スキャンダルや、同基地の核ミサイル発射担当将校が違法薬物を使用したとの4月の 疑惑 を考えてみよう。問題はマルムストロームに限られない。エリック・シュローサーの著書『Command and Control』で詳述されているように、米国の核兵器計画の歴史を通じて、警備体制の不備や危険な事故寸前の事態が幾度も起きてきた。

当局はしばしば、核兵器や備蓄の安全保障について議論を拒む理由として、そうした情報を提供すること自体が安全を損なうと主張する。あらゆる詳細を共有したり公表したりすべきだと主張する真剣な専門家はいないだろう。しかし、核セキュリティ上のリスクや脆弱性に本腰を入れて取り組む意思があるなら、懸念を和らげるために、限定的ながら意味があり信頼できる情報を提供する方法は見つけられるはずだ。他の核兵器保有国が厳格な核セキュリティ体制を整えていると知ることは、核保有国自身にとっても同じように安心につながるだろう。

今なお1万6,000発を超える核兵器と、軍事計画における兵器利用可能な核物質100万キログラムを優に超える量が存在する世界で、口頭での保証に頼るわけにはいかない。私たちは、世界経済フォーラムの 核セキュリティに関するグローバル・アジェンダ・カウンシル のメンバーとして、核兵器の安全保障が自宅軟禁ではなく、アルカトラズ刑務所のように厳重であることを確かめたい。

この論説と、軍事計画における核兵器および核物質の安全保障強化の呼びかけは、 核セキュリティに関するグローバル・アジェンダ・カウンシル

著者: エレナ・ソコヴァはウィーン軍縮・不拡散センターの事務局長。マーク・フィッツパトリックは国際戦略研究所の不拡散・軍縮プログラム部長。

画像:2014年3月24日、ハーグで開催された核セキュリティ・サミット(NSS)の開会セッションに出席する各国首脳。REUTERS/Yves Herman

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