以下は、世界経済フォーラムの ダボス年次総会で行われた、ジョン・ケリー米国務長官の特別演説からの主な発言です。演説の全編は こちらでご覧いただけます。
「今日は、暴力的過激主義への対処についてお話しするためにここに来ました。可能性については今も楽観していますが、私たちが直面しているものを理解しなければなりません。最も根本的な選択、すなわち死か生か、破壊か建設かという選択は……簡単に決められるはずです。」
「一つ明らかなことがあります。暴力的過激主義との闘いに成功するには、あらゆる要因を理解したほうがよいということです。人々の心の中に何があるかを知らずに、考えを変えることはできません。そして、理解することと受け入れることは同じではないという事実を念頭に置かなければなりません。」
「歴史、宗教、思想、不満、心理、政治、経済的不利、個人的野心のいずれも、子どもを殺害し、10代の少女を誘拐してレイプし、あるいは思想や何らかの偽りの宗教的主張のために非武装の市民を虐殺することを正当化する根拠には決してなりません。」
「私たちの注意を要する国際的な優先課題が数多くあることは明らかですが、これほど多くの危機が同時に起き、私たちが対処しなければならなくなるとは想像もしていませんでした。この現実から目を背けるわけにはいきません。」
「20世紀は、文明世界が混乱、無秩序、独裁に代わるものとして法の支配を確立しようと闘った時代でした。そして今日、私たちが目の当たりにしているのは、犯罪的な無政府状態の一形態、すなわち思想的・宗教的な基盤を不当に標榜するニヒリズムにほかなりません。この敵に対し、私たちは連携を強め、反撃しています。しかし、その際にも冷静さを保たなければなりません。」
「宗教は、村を破壊し、人々を爆破するよう求めてはいません。それを行うのは、宗教をゆがめ、さらには無知な見方で捉える個人です。では、何をすべきでしょうか。第一歩は、文明世界がこの暴力に屈しないと明確に示すことです。」
「今日、私たちに立ちはだかるテロリストを排除しても、問題の一部しか解決しません。暴力的過激主義の終わりなき連鎖を避けるため、さらに取り組む必要があります……こうした勢力が生まれる環境そのものを変えなければなりません。」
「今、必要なことをしなければ、根本的な紛争は現状維持か、さらに悪化するでしょう。これは断言できます。……長期的な取り組みへの決意が必要です。より大きなリスクを取り、より多くの資源を投入しなければなりません。」
「最終的に、この闘いの行方は戦場では決まりません。その結果を左右するのは、教室、職場、礼拝所、コミュニティーセンター、街角、そして一人ひとりの認識や考え、それらが形づくられる過程です。広く共有される繁栄を実現できるかどうかも、結果を決める要因となります。」
「暴力的過激主義に代わる選択肢を生み出す取り組みを、より良いものにしなければなりません。できる限り、信頼でき、目に見え、人々に力を与え、幅広く利用できる選択肢をつくる必要があります。」
「暴力的過激主義の台頭は、国民国家と世界的な法の支配に対する挑戦です。それを助長する勢力と、そこから生じる危険は、備え、計画し、団結するよう私たちに迫っています。そして、私たちの共通の未来が、テロリストの原始的で偏執的な思想によって損なわれるのではなく、品位、礼節、知識、理性、法という普遍的価値によって築かれるべきだと主張するよう求めています。それが私たちの信条であり、私たちの立場です。パリとペシャワールの光景が心に新しい今、私たちが共に立ち向かうことを疑う人はいないはずです。」
画像:世界経済フォーラムの2015年年次総会で、1月23日にコングレスセンターのコングレスホールにおいて開催された「特別演説」で聴衆に向けて話すジョン・F・ケリー米国務長官。WORLD ECONOMIC FORUM/swiss-image.ch/Photo Valeriano DiDomenico



