なぜ中国市場にパニックが広がるのか?

なぜ中国市場にパニックが広がるのか?
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中国で現在起きていることは、完全に予測可能なものである。私が言及しているのは株式市場のバブル崩壊ではない。それは起きるべくして起きたものだ。そうではなく、中国の経済減速のことである。中国の減速の背景には多くの理由がある。同国はバリューチェーンを急速に上昇してきたこと、生産性向上の源泉が枯渇しつつあること、人口が高齢化していること、そして資本投資の利回りが低下していることである。しかし、主因が何であれ、実証データを見れば、この減速がなぜ不可避だったのかは理解できる。

以下のグラフの赤い線は、1980年以降の中国の年間実質成長率を示しており、これはおおむね中国で市場改革が始まった時期に当たる。X軸には、各年に中国が属していた所得グループ(1980~1996年および1998年は低所得、1997年および1999~2009年は中所得下位、2010年以降は中所得上位)を示している。緑の線は、 中国を除く 当該所得グループのGDP加重実質成長率を示している。1991年以降、中国は自らが属していた所得グループを毎年例外なく上回ってきた。1990年代の数年間は、その差がほぼ10パーセントポイントに達した。2010年に中所得上位へ昇格して以降、その差は約5パーセントポイントで推移している。

図1:実質GDP成長率(%)

改訂版 図1

出典:著者の計算( IMF および 世界銀行 のデータ)

このデータに照らせば、中国で起きていることは驚くにあたらない。2、3年以上にわたって7%超の成長を続けた中所得上位国は存在しないからだ。中国の成長率に疑問を持つ人々にとっては、中国当局やIMFの数値が100%過大に見積もられていたとしても、中国は近年なお同じ所得グループの他国を上回っていたはずだという点を指摘しておきたい。

もちろん、中国の特異性を理由に、過去の歴史は良い指標ではないと言う人もいるだろう。確かに中国は前例のない領域にある。しかし、その規模の大きさ自体が、二桁成長は持続し得ないことを示している。韓国やその他のアジア新興国の発展、そして2000年代初頭まで中国の発展を牽引した輸出主導型成長は、中国が世界GDPの16%を占める現在では機能しない。世界が「メイド・イン・チャイナ」製品を吸収できる能力には限りがある。ピーク時でさえ、日本の占有率は「わずか」8%だった。

中国が直面する相当な課題と不確実性にもかかわらず、大規模な破局が起きない限り、私は中国がハードランディングに陥るとは考えていない。 『The Global Competitiveness Report』 2014-2015年版の結果は、同国の経済の基礎的条件が極めて強固であり、そのようなハードランディングを防ぐはずであることを示している。しかし、中国は豊かになるにつれ、その経済は 今後 より緩やかに成長するだろう。以下のグラフをご覧いただきたい。

図2:中国と所得グループの成長率(%)

改訂版 図2

出典:著者の計算( IMF および 世界銀行 のデータ)

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著者:Thierry Geiger、世界経済フォーラム グローバル競争力・リスク担当 アナリティクス・定量研究部門長

画像:2015年8月12日、中国天津にあるエアバス工場のA320ファミリー最終組立ラインで作業する従業員。REUTERS/Damir Sagolj

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