投資拡大に踏み出す時

投資拡大に踏み出す時
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インフラ整備を必要とする国々では、低金利と低調な成長の組み合わせから、今こそ投資拡大に踏み出すべきだ。Brad DeLongとLawrence Summersはすでに理論的根拠を 2012年のブルッキングス研究所の論文で示していたが、実証的根拠は今週発表された最新のIMF『世界経済見通し』第3章で示された。

Lawrence Summers は、経済の停滞と公共投資の不足が続くなか、今回は例外的に「ただ飯」がある、つまり政府が経済と自らの財政状況の双方を強化できる方法があると記している。 Greg Mankiw は、「ただ飯」という見方は理論上は確かにあり得る(自己財源で賄える減税と同様)ものの、実際に起こり得るかどうかについては懐疑的であるべきだ(自己財源で賄える減税と同様)と記している。

投資縮小の狂気

Abiadら はIMFのブログで、公共資本ストックの推移を見ると、インフラ供給の不足が拡大していることがうかがえると記している。先進国、途上国のいずれでも、過去30年間に産出に占める公共資本の割合は大幅に低下した。先進国では公共投資が1980年代のGDP比約4%から現在の3%へと縮小した(維持管理費も、特に金融危機以降、減少している)。

Paul Krugman は、これは投資縮小の狂気だと記している。実質金利は極めて低く、民間部門が公共投資に資金を使う機会費用をほとんど見ていないことを示している。労働市場には大きな余剰があり、公共投資で雇用される労働者の多くは、そうでなければ働かずにいた可能性がある。したがって、こちらの機会費用もごく小さい。低迷する経済で公共投資を大幅に増やすべきだという強い根拠となる。大きな乗数効果があるという主張に頼らない根拠だが、乗数効果もあると考える理由は十分にある。

投資ショックを特定する方法

『世界経済見通し』第3章の執筆者ら は、公共資本やインフラ資本に対する産出の長期弾力性を生産関数アプローチで推定する研究が数多くあるのに対し、IMFの分析では新たな実証戦略を採用し、公共投資がさまざまなマクロ経済変数に及ぼす短期・中期の影響を推定できるようにしたと記している。具体的には、AuerbachとGorodnichenko(2012年、2013年)の平滑遷移VARの手法に従い、公共投資ショックを、外生的とみなせる可能性が高いものに絞り込む。ショックは予測投資額と実績投資額の差として特定される。『世界経済見通し』の章では、投資支出の予測値として、同じ年の秋に発行されたOECD『エコノミック・アウトルック』に掲載された数値を用いている。

『世界経済見通し』第3章の執筆者ら は、公共投資ショックの特定における問題として、産出の成長率の予想外の変化に対して内生的である可能性を挙げている。しかし、特定された公共投資のイノベーションと産出成長率の予想外の変化との相関は弱く、約–0.11にとどまる。特定上のもう一つの問題として、公共投資以外の経済変数の予測に体系的な偏りがあり、その結果、公共投資の予測誤差が他のマクロ経済変数の予測誤差と相関する可能性がある。この懸念に対処するため、公共投資ショックの指標を、政府支出の他の項目、民間投資、民間消費の予測誤差に回帰させている。

主な結果

Abiadら はIMFのブログで、便益はいくつもの要因に左右されると記している。執筆者らによれば、公共インフラ投資の拡大によるプラス効果は、景気に余剰があり、金融政策が緩和的な時期に公共投資を実施する場合に特に大きい。また、追加の公共投資支出が無駄にならず、高い収益率が見込めるプロジェクトに配分される場合、さらに、増税や他の支出削減ではなく、債券発行で資金を賄う場合に、産出への効果はより大きくなる。

欧州のインフラ投資

Mario Monti は、単純な安定協定はユーロ導入初期には適切な選択だったかもしれないが、欧州はもはやこのような初歩的な手段に固執する余裕はないと記している。公共投資の適切な役割を認識しなかった結果、政府は、インフラをもっと整備すべき時に建設を止めるよう促されてきた。必要なのは規則から逸脱する柔軟性ではなく、経済面でも道義面でも厳格な規則である。新欧州委員会は、生産的な公共投資の役割を反映するため、財政規律の規則を更新する提案を発表すべきだ。その後、委員会は既存の安定協定を執行しつつ、2013年に定められた範囲内で公共投資を有利に扱うことができる。

Lawrence Summers は、欧州には既存の予算上限の外で、自己資金で賄えるインフラ事業を実施する仕組みが必要だと記している。欧州投資銀行の拡充や、財政審査の実施において資本予算の考え方をより活用することで、実現できる可能性がある。

以下との協力により掲載: Bruegel

著者:Jérémie Cohen-Settonは、カリフォルニア大学バークレー校の経済学博士課程在籍者で、Goldman Sachs Global Economic Researchの夏季アソシエイト・インターン。

画像:リヤドのキング・アブドラ通り開発プロジェクト現場で働く建設作業員/REUTERS/Fahad Shadeed

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