東南アジアにとって、繁栄と健康は二者択一ではない

東南アジアにとって、繁栄と健康は二者択一ではない
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今日の東南アジアでは、多くの国が難しい選択に直面している。限られた資源を、人の命と経済発展に深刻な打撃を与える非感染性疾患(NCD)の急速な拡大への対策に充てるべきか、それとも貧困がもたらす深刻な影響を軽減するための取り組みの拡充に充てるべきか。

これを二者択一の問題と捉える向きもあるが、それは誤った選択である。実際には、どちらか一方だけでは実現できない。経済的活力は革新的で効果的な医療システムの構築と維持に役立つが、健康な労働力なくして経済的成功を収められる国はない。健康と富は、必ず両立させなければならない。

NCDの課題に対応する、スマートな医療エコシステムを東南アジアに構築すれば、数百万人の命が救われ、経済的生産高も数十億ドル規模で守られるだろう。これは、NCDの増加に一部起因する、前例のない疫学的・経済的転換の只中にある地域にとって、勝者が全員となる処方箋である。

世界保健機関(WHO)の事務局長は、高齢化、生活様式の変化などを背景に増加しているNCDの罹患率を「ゆっくりと進行する災害」と呼んでいる。この世界的な現象は、医療費の上昇、医療従事者の不足拡大、新たな医療技術への需要の増加、そして慢性疾患の予防への注力不足によって、さらに悪化している。

現在、NCDは世界で最も主要な死因であり、2008年には3,600万人が死亡した。その主な原因は、がん、心血管疾患、慢性呼吸器疾患、糖尿病である。WHOは、2050年までに世界人口の50%が少なくとも一つの慢性疾患を抱えると予測している。

しかし東南アジアでは、その未来はすでに現実のものとなっている。NCDはすでに流行の域に達しており、同地域の死亡の60%を占め、年間250万人以上の命を奪っている。2050年までにアジアの平均年齢は40歳に達すると見込まれており、2000年の平均年齢29歳とは対照的である。こうした人口動態の現実は、同地域における資源の不足、技術へのアクセスの限界、訓練を受けた臨床医の不足、そしてしばしば見られる地理的な遠隔性によって、さらに複雑になっている。

東南アジアの人々が直面する医療課題に対処するためには、官民双方が、NCDの予防に焦点を当てた21世紀型の医療のパラダイムを受け入れなければならない。これには、人々がより長く健康を保てるようにし、コストを削減すること、より健康的な生活を送れるよう人々を力づける医療教育を充実させること、そして医師がNCDを管理できるよう新技術の導入と研修の改善を進めることが含まれる。

何より重要なのは、これらすべての取り組みが、同地域全体で医療システムを強化するための包括的な協働の一環でなければならないということである。ある国や企業が医療分野のベストプラクティスを共有すれば、他の国々もその恩恵を受けることができる。この考え方に基づき、新たに「 ASEAN NCD Network」が設立された。同ネットワークは、同地域におけるこれらの深刻な疾患について、建設的な議論と知識共有を促すことを目的としている。

最近も、同じ考え方から、ミャンマー放射線学会、保健省、フィリップスが共同で、この新興国の画像診断能力の向上に取り組んだ。この協力により、ミャンマーの医療従事者が最先端の画像診断技術の臨床応用に関する技能をさらに高める機会を提供する教育プログラムが実施された。今年後半には、このパートナーシップによりミャンマー初のPET/CTが導入され、共有された知識がヤンゴン総合病院で有効に活用されることになる。

どの国も、国民の健康と繁栄のどちらかを選ばなければならないということがあってはならない。この活力あふれる地域が人的および経済的な潜在能力を実現するためには、世界のリーダーが協力し、東南アジアが患者の生活を改善し、人々の経済的活力を守る、スマートで持続可能な医療エコシステムを構築できるよう支援しなければならない。

執筆者:Harjit Gill、フィリップス ASEAN & パシフィック 最高経営責任者(CEO)

画像:ヤンゴン川にかかる橋の上で運動する人々 REUTERS/Soe Zeya Tun

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