欧州の指導者たちが、EUにおける若年失業の過去最高水準を懸念するのは当然である。欧州統計局(ユーロスタット)の最新データによると、 ユーロスタットのデータでは、2013年4月時点で25歳未満の失業率はEU全体で23%超、ユーロ圏全体で24%超に達した。ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインの4カ国では若年失業率が40%を超えており、そのうちギリシャとスペインでは50%を超えている。この深刻な状況を受けて、欧州理事会のヴァン・ロンパイ議長は本日のEU首脳会議で本件を最優先議題に据えた。主な成果は、「教育、雇用、職業訓練のいずれにも就いていない若者を、4カ月以内に就労または教育・職業訓練に復帰させる」ことを目的とした60億ユーロの制度の実施となる。
残念ながら、若者だけを対象とした施策では問題の解決にはほとんど効果が期待できないだろう。若年失業率の変動は、訓練や就学といった若年層に特有の要因よりも、全体の失業率や成長率の変化との相関が強い傾向にあるからだ。実際、EUだけでなく日本や米国においても、若年失業率は通常、全体の失業率の約2倍であり、この比率は景気循環を通じてほぼ一定している。
確かに、EU内では若年失業の相対的な発生率(若年失業率と全体失業率の比率)は国によって大きく異なる。例えば2013年4月時点では、その発生率はドイツの1.4からイタリアの3.4までの幅があった。しかし注目すべきは、若年失業の発生率が景気循環を通じて驚くほど安定して推移してきたことだ。ほぼすべてのEU加盟国において、その発生率は危機が始まる前の2007年と、2013年現在とでほぼ同じである。
つまり、2007年以降の若年失業率の急上昇は、全体の失業率の上昇とほぼ正確に並行しており、若者に特有の動きによるものではなく、成長の不足によるものだということになる。ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインでは、2007年から2013年4月までの間に若年失業率が平均20%から50%へと驚異的に上昇したが、この間も、これらの国々における若年失業の相対的な発生率に変化はなかった(ギリシャではむしろ若干低下した)。むしろ、若年失業率の上昇は、同時期に全体の失業率が平均8%から21%へと急増したことに伴うものであった。言うまでもなく、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインが危機以前にドイツの職業教育制度を範とする労働市場政策の改革に成功していれば(ドイツの制度は1888年にまで遡る歴史的基盤を持つため、明らかに大事業ではあるが)、若年失業率の上昇はこれほど大きくはならなかったはずである。
EU加盟国の中で若年失業の発生率が最も高いのはイタリアであることを考えると、新イタリア首相エンリコ・レッタ氏が、国家的な若年失業対策計画の早期策定と、それへのEU資金による支援を求めていることは正しい。しかし、他のEU加盟国、とりわけ若年失業率が40%を超える国々、そしてイタリアにおいても、若年(および成人)の失業削減の優先課題は成長であるべきだ。
危機発生から6年が経過したが、EUにはいまだに適切な成長戦略が欠けている。こうした戦略の目的は二つあるべきだ。産出ギャップを埋め、失業をできる限り速やかに減らすこと、そして潜在的な産出成長率を段階的に引き上げることである。この二重の目標を達成するには、マクロ経済政策と構造政策の両方からなる両面的なアプローチが欧州には必要だ。施策には次のものが含まれるべきである。EU諸国の信用収縮を解消するための銀行同盟の迅速な実施と銀行のバランスシートの整理。危機国への海外投資を誘導するための欧州投資保証基金の創設(欧州政策センターのフィリップ・マイスタット会長の提案による)。成長に必要な経済の柔軟性の向上と適切な社会的保護の促進を目的とした労働市場・社会政策の改革。依然として単一市場への参入を分断し妨げている障壁の撤廃(単一市場は欧州にとって最も強力な成長のエンジンである)。そして、ユーロ圏全体としては、より抑制的でない財政政策と、より拡張的な金融政策。施策の順序としては、銀行同盟とマクロ経済政策を最初に行い、その他の施策はその直後に続けるべきだ。欧州が、国民の失われた10年と、職に就けない若者の失われた世代を防ぐことに真剣であるならば、若者保証制度を実施するだけよりもはるかに強力な施策を、早急に講じなければならない。
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本記事は当初 bruegel.org
著者: アンドレ・サピール は、ブリュッセル自由大学(ULB)の経済学教授である。
画像:マドリードでインターネットを使って仕事を探す若い男性 REUTERS/Sergio Perez


