成長だけで失業に対処できるのか?

成長だけで失業に対処できるのか?
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失業は世界的な問題です。失業者が独自の国を形成したとすれば、世界で 5番目に大きい国 となるでしょう。世界で仕事を探している約2億人のうち、半数は新興市場国、約4分の1は先進国におり、これは世界の労働力に占める新興市場国の比重が高まっていることを反映しています(図1)。

失業率を下げるには何ができるでしょうか。先進国について、経済学者は長年、単純な解決策、すなわち成長の加速を提唱してきました。これは、ほとんどの先進国で、産出の伸びと雇用創出の 結び付き がかなり強いためです。しかし新興市場国では、失業は根深い構造問題を反映しており、成長の拡大だけでは解決できないという見方が広くあります。では、新興市場国と発展途上国において、雇用創出の特効薬として成長がどれほど有効かを示す証拠は何でしょうか。

新たな 研究 (ローレンス・ボールおよびダニエル・リーと共同で実施)では、G20諸国を含む約80カ国の大規模なグループについて答えを示します。全体的な結論として、成長と雇用の関係は多くの新興国でよく当てはまります。フロンティア市場国やその他の発展途上国では、この関係ははるかに弱くなっています。

多くの国で雇用創出の特効薬となる成長

私たちの証拠は図2にまとめられています。同図は、労働市場の状況を示す2つの代替指標、失業率と雇用の伸び率を用いて、成長と雇用のつながりを示しています。図2の左側のパネルによると、先進国では平均して、実質GDP成長率が1パーセントポイント上がるごとに失業率が3分の1パーセントポイント低下します。新興市場国でも平均すると雇用と成長の関係はほぼ同じ強さで、産出の伸びが1パーセントポイント高まると、失業率は4分の1パーセントポイント低下します。

同様に、図2の右側のパネルは、産出の伸びが雇用の伸びに及ぼす影響が、先進国と新興国では他のグループより強いことを示しています。例えば新興市場国では平均して、産出の伸びが1パーセントポイント上がると、雇用の伸びは0.2パーセントポイント高まります。

最近開催された G20首脳会議では、加盟国が今後数年間に大幅な追加成長を実現する計画について協議しました。私たちの研究は、この追加成長が各国でどの程度の雇用を生み出せるかを推計する材料となります。図3が示すように、G20加盟国の大半では、成長と雇用の歴史的なつながりは強く、その度合いは米国の0.6からロシアの約0.2まで幅があります。

成長を促進する

追加成長が多くの国で雇用を回復させるという証拠から、当然ながら次の問いが生じます。追加成長をもたらすものは何でしょうか。

IMFの最新の 世界経済見通し が指摘するように、これには「内需への継続的な支援と、供給を押し上げる政策および改革の採用」が必要です。需要を支える政策がなければ、供給面の措置は短期的にはほとんど効果をもたらさない可能性があります。企業が販売見通しの改善を見込めなければ、生産能力を増強しません。したがって、供給を持続させる需要を確保することが不可欠です。しかし供給面の措置がなければ、需要刺激だけに基づく産出の増加は一時的なものに終わるでしょう。

具体的にはどのような政策が必要でしょうか。大まかに言えば、先進国では金融政策によって需要の回復を引き続き支えるべきです。財政調整は、そのペースと構成を各国固有のニーズに合わせつつも、 可能な限り成長に配慮したものでなければなりません。新興市場国では危機前の成長率から 減速し ています。各国で大きく異なる根本的な構造問題に主として対処する必要があります。具体的には、電力部門のボトルネック解消から、労働市場や製品市場の改革までさまざまです。

多くの国では、 公共インフラ投資を増やすことが強く求められています。これは短期的に需要を大きく押し上げるとともに、長期的には供給(すなわち潜在産出量)の向上にも役立つでしょう。

要点

私たちの研究によれば、成長は雇用創出に役立ちますが、その効果の程度は先進国の場合と同様、新興市場国の間でも異なります。したがって、成長は万能薬ではないものの、失業を解消するための治療に欠かせない要素です。

掲載協力: IMF Direct

著者:ダビデ・フルチェリはIMF調査局のエコノミストです。プラカシュ・ルンガニはIMF調査局のアドバイザーです。

画像:2012年4月3日、ミラノで求人情報が掲示されている様子を捉えたイラスト。ロイター/アレッサンドロ・ガロファロ

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