マイケル・リーブライク氏は、世界経済フォーラムの 新エネルギー・アーキテクチャーに関するグローバル・アジェンダ評議会のメンバーとして、金融システムがクリーンエネルギーおよびクリーンインフラに対してどのように偏っているかを解説している。
2004年から2010年にかけて、再生可能エネルギー、エネルギー効率、関連技術への年間世界投資額は、わずかに500億米ドル超から約2,500億米ドルへと急増した。クリーンエネルギー技術も安価になった――特に太陽光発電が顕著だが、風力タービン、LED、蓄電池、およびそれらに関連するすべての制御技術においても――その結果、投資の1ドルで購入できる機器が大幅に増え始めた。
しかし近年は進展が停滞しており、2012年は世界の投資額が11%減少した初めての年となった。それでも、エネルギー関連の二酸化炭素排出量を2020年までにピークに到達させるには、投資額を年間7,500億~1兆米ドルに増やす必要がある。
過去10年間、私はクリーンエネルギーへの投資を促す方法に関する会議セッションに数百回出席してきた。議論は常にエネルギー政策に焦点が当てられてきた。すなわち、投資家が引き受けるリスクに見合う資本収益を投資家に提供するための規制の枠組みの必要性である。金融セクターに関する政策および規制は、エネルギーセクターとは異なり、議論からほぼ完全に欠けていた。
異議を唱えられると、資産保有者は価値中立的であり、リスクとリターンのバランスが見合う場所であればどこにでも投資し、そうした機会を創出する責任をエネルギー大臣や規制当局に転嫁すると主張する。しかし、より詳しく検証すると、金融システムにはクリーンインフラへの投資に対する様々な偏りがあることが示唆される。ここで偏りとは、純粋に経済的な分析から予想されるよりも投資を低い水準に制限する傾向のあるあらゆるものを指す。
金融危機の再発を防ぐために導入された法律により、銀行は長期投資を一切行えなくなっており、再生可能エネルギーが特に深刻な打撃を受けている。流動性を重視する規制も同様に保険会社に影響を与えている。年金基金の受託者は、格付機関が算定した短期的リスク以外は考慮できないと言われている。化石燃料投資家が利用できる税制構造は、クリーンエネルギーには適用できない。国家補助規制は歴史的な補助金を認める一方で、新興技術への支援を妨げている。規制当局は、条約上の義務によりそれらの資産が使用されなくなる可能性がある場合でも、貸借対照表上の化石燃料資産を全額として認めている。その他同様の事例も多数ある。
金融システム全体を監査すれば、それは「制度的に化石燃料寄り(institutionally fossilist)」と判定されるだろうと私は考える。すなわち、既存技術を優遇し、クリーンエネルギーおよびクリーンインフラへの投資に対して広範に偏りがあるということである。
世界経済フォーラムのレポート「 Financial Regulation – Biased against Clean Energy and Green Infrastructure?」、および関連する Bloomberg New Energy Finance white paperは、世界の金融システムと、そのシステムが資金提供を必要とするインフラとの間の障壁を取り除くことを目的としている。
執筆者:マイケル・リーブライク氏は、 Bloomberg New Energy Finance の最高経営責任者であり、世界経済フォーラムの 新エネルギー・アーキテクチャーに関するグローバル・アジェンダ評議会のメンバーでもある。
画像:日本・東京近郊の住宅の屋根に設置された太陽光パネル REUTERS/Toru Hanai


