企業リーダーがサイバーセキュリティ人材のスキルギャップを埋める方法

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  • サイバーセキュリティをテクノロジー任せにはできません。人の関与も必要です。

  • この課題に経営幹部が取り組むことで、複数のメリットが得られます。

  • 研修に多額の費用をかける必要はありません。無料で利用できる教材があります。

  • サイバーセキュリティはコスト削減に役立つだけでなく、顧客の信頼を育み、従業員の定着にも貢献します。

最近の調査によると、戦略国際問題研究所(CSIS)がIT分野の意思決定者を対象に実施した調査で、雇用主の82%がサイバーセキュリティのスキルを持つ人材が不足していると回答し、71%がそれによって自組織に直接的かつ測定可能な損害が生じていると答えています。

高度なサイバーセキュリティ技術は、企業が人材不足の影響を軽減する方法の一つです。それでも、サイバー脅威から広範かつ継続的に守るには、人間による戦略と協力が欠かせません。危険にさらされているのは個々の企業だけでなく、その顧客やサプライチェーン、そして社会全体です。

人材不足を嘆くのではなく、経営幹部はその解消に向けて行動できますし、行動すべきです。容易な取り組みではないかもしれませんが、協力者や着手の機会は数多くあります。いくつかの方法を紹介します。

サイバーセキュリティは負担から成長の推進力へ

かつては事業の俊敏性や業績を妨げる制約と見なされていたサイバーセキュリティは、今や企業が存続するための必須条件と捉えられています。データ侵害、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃、ランサムウェアによる深刻な被害を避けたいのは当然です。それに加え、デジタルプライバシーへの社会的な関心が高まり、個人データや知的財産を保護する価値が認識されるにつれ、企業はサイバーセキュリティを競争上の差別化要因とも見ています。

あらゆる事業機会と同様、積極的に取り入れる企業が優位に立ちます。デジタル面で最も信頼される企業は、サイバーセキュリティの技術、プロセス、人材に多額の投資を行っています。ガートナーは、情報セキュリティ製品・サービスへの世界の支出が2019年に1,240億ドルに達し、2018年から8.7%増加すると予測しています。

一方、人材の獲得は依然として困難です。企業の資金力がどれほどあっても、サイバーセキュリティのスキルを持つ人材は十分に行き渡っていないからです。サイバー攻撃を容易に仕掛けられるようになり、企業が対処しなければならない相手もサイバー犯罪者、サイバーテロリスト、国家など多様化するなか、こうしたスキルへの需要はますます切迫しています。

サイバーセキュリティ人材不足の克服

企業がITセキュリティ人材の不足を補う方法はあります。まず、自社で人材を育成できます。最高情報セキュリティ責任者(CISO)をはじめとするIT幹部が、サイバーセキュリティ施策に必要な予算を確保するうえで大きな壁に直面しているのは確かです。また、セキュリティ技術よりもサイバーセキュリティ研修の投資対効果を見積もるほうが難しい場合もあります。それでも、企業は最小限の支出で一定の進展を遂げられます。

サイバーセキュリティ全般の制約は研修にも影響するImage: Forbes / Fortinet

次に、サイバーセキュリティは多くの事業活動と同様、チームで取り組むものだと認識できます。侵入やデータ損失、マルウェアの拡散を最小限に抑えるには、社内の全員の協力が必要です。目に見える効果を上げるには、従業員へのサイバーセキュリティ教育を多面的かつ継続的に行わなければなりません。

幸い、企業がサイバーセキュリティ教育プログラムをすべて独自に開発・運営する必要はありません。無料で利用できる教育資料を活用できます。たとえば、サイバーセキュリティ・ラーニング・ハブや、CompTIAのような国際的な認定団体の教材、そしてベンダーが提供するプログラムがあります。

サイバーセキュリティ教育・研修の中核を担う経営幹部

サイバーセキュリティ研修や教育の推進役は、CISOや最高情報責任者(CIO)かもしれません。しかし、こうした取り組みの成否は、経営幹部全員に関わります。

CEOや最高財務責任者(CFO)にとって、サイバーセキュリティの能力向上は、システム障害による停止時間の削減・解消、侵害に伴う収益損失リスクの低下、コンプライアンス違反への罰則の減少に直結し得ます。最高マーケティング責任者(CMO)にとって、十分な訓練を受けた社内のサイバーセキュリティ人材がいれば、企業は安全にイノベーションを進められます。また、顧客やサプライヤーのデジタル資産を保護する姿勢を示すことで、信頼できるパートナーとしての評判を確立できます。最高執行責任者(COO)にとって、研修は技術人材の定着率向上に役立ちます。技術人材は採用コストが特に高く、採用までに他の職種より50%長くかかります。

企業におけるサイバー犯罪の年間平均被害額は1,300万ドルであることを考えれば、研修や教育への支出の大半は比較にならないほど小さいでしょう。また、従業員へのサイバーセキュリティ教育は全社的な関与を高めます。一人ひとりがネットワーク全体の安全に欠かせない貢献を果たせるようになるためです。

サイバーセキュリティに関して世界経済フォーラムは何をしているのか

サイバーセキュリティセンターは、リーダーたちが集まり、進化するサイバーリスクとそのシステム全体への影響を理解するための、信頼できるプラットフォームを提供しています。相互接続がますます進むデジタル世界において、理解と信頼の構築に取り組んでいます。

分野を越えた協力と知見の共有を促すことで、同センターはパートナーのサイバーレジリエンス強化と、集団的な対応が必要な課題への取り組みを支援しています。

同センターの取り組みを見る

サイバーセキュリティ教育は、企業の門を出たところで終わるべきものでもありません。サイバー犯罪の拡大を食い止める取り組みにおいて、組織同士が協力してサイバーセキュリティ教育を進めることは双方にとって有益です。たとえば、フォーティネットとセールスフォースは、世界経済フォーラムのサイバーセキュリティセンターと協力し、世界各地の地域社会にサイバーセキュリティ教育を広める第一歩をすでに踏み出しています。その一環として、サイバーセキュリティ・ラーニング・ハブの制作と教材の収録に取り組みました。

さらに、デジタルとの関わりが幼少期に始まるように、サイバーセキュリティ教育も早くから始めるべきです。実務に携わるサイバーセキュリティ専門家が提供する、年齢に応じた無料教材は、予算の限られた学区や多忙な教員にとって大きな助けとなります。企業、団体、政府機関は、幼稚園から高校までを対象としたサイバーセキュリティプログラム向けに、さまざまな教材を提供しています。高校や大学でも、次世代のサイバーセキュリティ人材を早期に育成する機会があります。これはスキルギャップの解消を早める一助となる可能性があります。

加速するサイバーセキュリティ脅威から経済と社会を守るには、世界規模の取り組みが必要です。サイバーセキュリティの研修と教育は、その重要な一部です。経営幹部が研修・教育の推進に関与し、投資すれば、組織は事業イノベーションを促す力としてのサイバーセキュリティの可能性を最大限に引き出せます。

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