新たな研究により、地球の気温を安全な水準に保つことをはじめ、熱帯林が地球にとっていかに重要であるかが明らかになった。
気温を下げるだけでなく、降雨量を増やし、住まいと食料、生計手段を提供し、空気を浄化する。
監視機関のグローバル・フォレスト・ウォッチによると、2020年にはオランダと同じ面積の熱帯林が失われた。
森林破壊の拡大を防ぐには、資金調達と革新的な解決策が必要だ。
研究者らによると、熱帯林は世界の気温を1℃以上下げ、降雨量を増やし、人々や作物を命に関わる猛暑から守る。これは、樹木がもたらす気候上の恩恵が、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を大気中から吸収することにとどまらないことを示している。
ある新たな研究で、研究者らは、地球とその気候、そしてそこに暮らす人々が、森林にどのように依存しているかを明らかにした。
気温上昇が10分の1度進むごとに異常気象や海面上昇の脅威が強まるなか、筆頭著者のデボラ・ローレンス氏は、「熱帯林が気温を安全な水準に保つうえで非常に重要な役割を果たしていることを認識するのが鍵だ」と述べた。
森林伐採は、世界中で排出される二酸化炭素の約3分の1を樹木が吸収しているため、産業革命前と比べた世界の平均気温の上昇を「2℃を十分に下回る水準」に抑え、できれば1.5℃にとどめるというパリ協定の目標を危うくする。
地球の気温はすでに約1.1℃上昇し、異常気象の増加と海面上昇を招いている。
気温を下げるだけでなく、インドネシア、マレーシア、ブラジル、コンゴ民主共和国などの熱帯地域の森林は、食料と生計手段を提供し、空気を浄化し、人々の健康を支え、野生生物にとって不可欠な生息地となっている。
しかし2020年には、熱帯林のうちオランダと同じ面積が失われたと、監視機関のグローバル・フォレスト・ウォッチは報告している。
新たな研究によると、最も暑い季節には、森林は太陽光を宇宙へ反射し、熱を吸収するとともに水分を放出する。その水分が空気を冷やして雲の形成を助け、雨をもたらすことで、地域の人々や作物を守る環境を作り出す。
ローレンス氏は、森林は排出抑制の役割や炭素クレジットの源としてだけでなく、地域社会に直接もたらす恩恵も評価されるべきだと述べた。
ボルネオ島で森林の研究を始めたバージニア大学の教授である同氏は、都市部と農村部の双方で植樹の取り組みを増やすよう呼びかけた。
「熱帯林は地球にとって大きな保険のようなものです」と同氏は述べた。「森林を失えば、私たちは危険にさらされます。こうした森林を残していかなければなりません」
アイルランドのダブリン市立大学で環境政治学を教える助教のダニー・マークス氏は、この研究には参加していないが、健全な森林は、排出量の抑制と温暖化した世界への適応の両面で、気候変動対策に不可欠だと述べた。
森林が提供するサービスに新たな資金を投じ、その価値をより高く評価することなどにより、拡大する森林破壊を食い止めるため、さらに取り組むべきだと同氏は述べた。
マークス氏は、コスタリカを好例に挙げた。同国では、化石燃料への課税によって、自然や森林を守るための支払いが可能になった。
二酸化炭素の吸収にとどまらず、熱帯林がもたらす恩恵は数え切れないと、環境保護団体WWFのグローバル森林部門のダミアン・フレミング氏は述べた。
森林には血圧を下げ、肺疾患のリスクを減らし、心の健康を向上させる効果もあることが研究で示されていると同氏は述べ、熱帯林が地球を1℃冷やしているという新たな研究結果は「驚くべきものだ」と付け加えた。
「これは大きな成果です。熱帯雨林が地球上で最も絶滅の危機に瀕した生息地の一つであり、森林破壊に最も脆弱であることが、いかに理にかなわないかを示しています」と同氏は付け加えた。




