これらのインフォグラフィックで、プラスチックが海底にたどり着く経路がわかります

A man on a boat collects plastic materials from dirty water in Dhaka, Bangladesh, April 17, 2019. REUTERS/Mohammad Ponir Hossain TPX IMAGES OF THE DAY - RC15820905D0
Microplastics are invisible to the naked eye, yet are a very real killer.Image: REUTERS/Mohammad Ponir Hossain
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世界では現在、年間 3億8,000万トン を超えるプラスチックが生産されており、その一部は汚染物質となって、自然環境や海洋に流入する可能性があります。

もちろん、プラスチック廃棄物のすべてが海に流れ着くわけではなく、大半は埋立地に行き着きます。世界のプラスチック廃棄物のうち海に流入する割合は約3%と推計されています。最新の推計が得られている2010年には、その量は約800万トンでした。

私たちが生産するプラスチックの大半は水より密度が低いため、本来であれば海面に浮かぶはずです。しかし、海上に浮遊するプラスチック量について現時点で最も信頼できる推計値は、1年間に海洋へ流入するプラスチック量と比べて桁違いに少なくなっています。下の可視化で示すように、その量は800万トンよりはるかに少なく、数万トンから数十万トンのオーダーです。最も広く引用されている推計値の一つは25万トンです。

現在、毎年数百万トンのプラスチックで海洋を汚染しているのであれば、近年の数十年間で数千万トン規模のプラスチックを放出してきたはずです。それなのに、なぜ海面付近の水域で見つかるプラスチックは、少なくとも100分の1にとどまるのでしょうか?

この食い違いは、しばしば「行方不明のプラスチック問題」と呼ばれています。プラスチック廃棄物がどこへ行き着く可能性があるのか、そして野生生物、生態系、健康にどのような影響を及ぼしうるのかを理解するためには、この難題に取り組む必要があります。

「行方不明のプラスチック問題」

「行方不明のプラスチック問題」を説明するための仮説はいくつかあります。

一つの可能性は、測定が不正確であるというものです。海洋へ放出されるプラスチック廃棄物の量を大幅に過大評価しているか、海面付近に浮遊するプラスチック量を過小評価している可能性があります。海洋プラスチックの流入量とその分布を追跡することが極めて困難であることは承知していますが、これらの測定に伴う不確実性の程度は、行方不明のプラスチック問題を説明するために必要な数桁の差に比べればはるかに小さいものです。

もう一つ有力な仮説は、紫外線(UV)と波の機械的な力によって、大きなプラスチック片が小さな破片に分解されるというものです。マイクロプラスチックと呼ばれるこれらの小さな粒子は、はるかに容易に堆積物に取り込まれたり、生物に摂取されたりします。そして、行方不明のプラスチックは、こうした形で行き着いている可能性があります。

海洋プラスチックの「吸収源」として提唱されたものの一つが、深海底の堆積物です。複数の海盆にわたって深海堆積物を採取した研究では、大西洋、地中海、インド洋の深海堆積物に含まれるマイクロプラスチックの量(単位体積当たり)が、プラスチックで汚染された表層水の量と比べて最大で4桁多いことがわかりました。

しかし、新たな研究は三つ目の説明を示唆している可能性があります。それは、海洋中のプラスチックが従来考えられていたよりも遅く分解され、行方不明のプラスチックの多くが海岸線に打ち上げられるか、海岸線に埋もれているというものです。

プラスチックは数十年にわたって残存し、海岸線に蓄積していく

海洋に流入したプラスチック廃棄物の行方という難題を理解するため、Lebreton、Egger、Slat(2019年)は、1950年から2015年までの海洋プラスチックに関する全球モデルを作成しました。このモデルは、世界のプラスチック生産量、プラスチックの種類と経過年数別の海洋への排出量、輸送と分解の速度に関するデータを用いて、海洋の異なる環境におけるプラスチックの量だけでなく、その経過年数も示します。

研究者たちは、三つの環境、すなわち海岸線(海に接する乾燥した陸地と定義)、沿岸域(水深200メートル未満の水域と定義)、沖合(水深200メートルを超える水域)において、プラスチックがどこにどれだけ蓄積しているのかを定量化することを目指しました。研究者たちは、プラスチックがどこに蓄積しているのか、そしてそれがどのくらい前のものなのか、つまり数年前のものか、10年前か、あるいは数十年前のものかを明らかにしたいと考えました。

下の可視化では、研究結果を要約しています。これは二つのプラスチックのカテゴリーについて示したもので、青色は「マクロプラスチック」(直径0.5センチメートルより大きい大型のプラスチック素材)、赤色はマイクロプラスチック(0.5センチメートル未満の小さな粒子)を表しています。

この可視化から読み取れる主要なポイントは以下のとおりです。

  • 大半、すなわちマクロプラスチック8,200万トンとマイクロプラスチック4,000万トンは、世界中の海岸線に打ち上げられ、埋没し、または再び表出しています。

  • 海岸線にあるマクロプラスチックの多くは過去15年以内のものですが、それでも相当量はそれより古く、数十年にわたって分解されずに残存している可能性を示唆しています。

  • 沿岸域では、マクロプラスチックの大半(79%)は新しく、5年未満のものです。

  • 沖合の環境では、古いマイクロプラスチックは沿岸域よりも長い期間にわたって蓄積してきました。そこには、数十年前、さらには1950年代や1960年代にまでさかのぼるマクロプラスチックが残存しています。

  • 沖合環境のマイクロプラスチックの大半(4分の3)は1990年代以前のものであり、プラスチックが分解されるまでには数十年かかる可能性があることを示唆しています。

これは「行方不明のプラスチック」問題の理解にとって何を意味するのでしょうか? 第一に、海洋プラスチックの大半は、海岸線に沿って打ち上げられ、埋没し、再び表出していることです。海洋への流入量を、海洋の中心部の環流に浮遊する量と突き合わせようとする一方で、大半は海洋の縁辺部に蓄積している可能性があります。これは、表層水で予想よりはるかに少ない量しか見つからない理由を説明するかもしれません。

第二に、蓄積されたプラスチックは、従来考えられていたよりもはるかに古いということです。マクロプラスチックは、海面において数十年にわたって分解されずに残存しているようです。沖合では、1950年代や1960年代まで年代をさかのぼれる大型のプラスチック製品が見つかっています。これは、紫外線と波の作用によって数年のうちに分解され、表層から除去されるとした、従来の「行方不明のプラスチック」問題の仮説とは相反するものです。

今後数十年間に、表層海洋にはどれほどのプラスチックが残存するのでしょうか?

Lebreton、Egger、Slatによる研究は、表層海洋中のプラスチックは寿命が非常に短く、速やかに劣化してマイクロプラスチックとなり、より深い場所へ沈むという従来の仮説に異を唱えるものです。研究結果は、マクロプラスチックが数十年にわたって残存し得ること、海岸線に沿って埋没や再表出を繰り返すこと、そして数年後に沖合の海域にたどり着く可能性があることを示唆しています。

これが正しいとすれば、今後数十年間に表層海洋にどれだけのプラスチックが存在すると予想されるかに、極めて大きな影響を及ぼします。同じ研究では、三つのシナリオの下で世界の表層水におけるプラスチックの量(マクロとマイクロの両方)がどのように推移する可能性があるかもモデル化しています。

  • 2020年までに、海洋へのプラスチックの排出を完全に停止する。

  • 海洋へのプラスチックの「排出」は2020年まで増加を続け、その後は横ばいになる。

  • 「排出」は、過去の増加率に沿って2050年まで増加を続ける。

その結果は下のグラフに示されています。

排出の増加が続くシナリオは、予想どおりの結果です。海洋へのプラスチックの排出を増やし続ければ、表層水のプラスチックも増えることになります。

さらに注目すべきなのは、2020年までに海洋プラスチック廃棄物を止めたとしても、マクロプラスチックは今後さらに数十年にわたって表層水に残存し続けるということです。これは、海岸線に埋没し、打ち上げられている大量のプラスチックが遺産として残されており、それらが再び表出して沖合の海域へ運ばれ続けるためです。また、既存のプラスチックは海洋環境において数十年にわたって残存し得るためでもあります。

どのシナリオにおいても、表層海洋のマイクロプラスチックの量は増加します。これは、すでに海岸線や表層水にある大型のプラスチックが分解され続けるためです。さらに、新たに加わるプラスチックも、その増加にさらに寄与します。

このことは、海洋汚染問題をどのように解決するかという点にも関わります。

マクロプラスチックとマイクロプラスチックの両方の海洋中の量を速やかに減らしたいのであれば、これらの結果は二つの優先課題を示唆しています。

第一に ——海洋水域へのプラスチック廃棄物の流入を、できるだけ早く止めなければなりません。海洋に行き着くプラスチックの大半は、不適切な廃棄物管理、特に低中所得国における の慣行によるものです。これを達成するためには、世界中で適切な廃棄物管理を行うことが不可欠です。

しかし、この野心的な目標だけでは十分ではありません。私たちは、何十年にもわたる過去の廃棄物の遺産に対処しなければならないのです。そのため、第二の優先課題が必要となります。すでに沖合の海域や海岸線にあるプラスチックを回収し、除去することに努めなければなりません。これは、本論文の著者であるSlat、Lebreton、Eggerが、Ocean Cleanupプロジェクトを通じて目指している目標です。

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