インドは、COP33を開催する意向を正式に表明した。開催年は2028年だ。
インドでのCOP33開催は、開発と脱炭素化が対立するのではなく、ともに前進できることを示すだろう。
インドのCOP33開催招致には、気候の未来を自ら形づくろうとするグローバルサウスの決意が表れている。
気候の極端現象が新たな日常となった世界では、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)の一つひとつが、前回以上に重大な意味を持つ。パリでは歴史的なパリ協定が採択され、グラスゴーではネットゼロの誓約が固まり、ドバイでは損失と損害基金が設立された。2025年のブラジルでのCOP30では、初めてグローバル・ストックテイクのフォローアップが行われ、倫理的側面も取り上げられる。ルラ大統領と国連のアントニオ・グテーレス事務総長が主導するグローバル倫理的ストックテイク・サークルは、サミットの中心的な取り組みとなる。
いま、新たな動きが見えてきた。インドは正式にCOP33を開催する意向を表明した。2028年の開催招致は、7月の第17回首脳会議でBRICS加盟国から全面的な支持を得た。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の確認を待つ段階ではあるが、この立候補は開催地の問題にとどまらず、インドが世界の気候変動対策を主導する意志を示すものだ。
インドのCOP33開催招致は、地政学的な意図を明確に示している。世界最大の民主主義国であり、人口最多の国、そして世界第4位の経済大国であるインドは、先進国と発展途上国をつなぐ架け橋となる。グローバルサウスの数十億人にとって、もはや問われているのは気候変動対策が実施されるかどうかではなく、公正かつ公平な条件で実施されるかどうかだ。インドの立候補は、グローバルサウスが気候外交に参加し、その方向性をますます形づくっていることを示している。
主導することの道義的・戦略的根拠
インドは長年、「共通だが差異ある責任」に根ざした気候正義の原則を提唱してきた。すべての国が行動を起こす必要がある一方で、歴史的責任や対応能力は国によって同じではないというこの原則は、今もグローバルサウスの考え方の礎となっている。
何より重要なのは、インドがこの主張を裏づける実体験を持つことだ。世界人口の17%を擁するインドが占める割合は、歴史的排出量の約4%にすぎない。それでも、インドは深刻化するリスクに直面している。命に関わる熱波、壊滅的な洪水、農業生産性の低下などだ。同時に、インドは急速な経済成長とクリーンエネルギーの大規模な拡大を両立させてきた。
エネルギーへのアクセスを広げながら脱炭素化を進めるという二つの現実を、これほど鮮明に体現する国は多くない。COP33を開催すれば、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの国々にも深く響くこの独自の視点を、インドは世界の気候交渉の中心に持ち込める。
対話の場をつくってきた確かな実績
近年のインドの外交的リーダーシップは、インドでのCOP33開催が重要となる理由を裏づけている。2023年のG20議長国としての役割は広く成功と評価された。地政学的な分断がある中で合意を実現し、多国間開発銀行の改革や持続可能な金融の拡大といったグローバルサウスの優先課題を前進させた。インドの主導のもと、アフリカ連合はG20の常任メンバーとなり、世界のガバナンスを前例なく拡大した。来年、インドはBRICSを主催する予定であり、多様でしばしば利害の競合する声をつなぐ役割を再び担う。
こうした節目に加え、インドは国連の支援を受ける災害に強いインフラのための連合(CDRI)や国際太陽光同盟(ISA)など、持続性のある国際的な枠組みを築いてきた。これらの取り組みは、インドが分極化を乗り越え、連携を築き、ヴァスダイヴァ・クトゥンバカム、すなわち「世界は一つの家族」という理念を世界の外交に根づかせる力を示している。北と南の信頼が大きく損なわれている今、COP33はインドが人々を集める力を気候ガバナンスにも広げる機会となる。
公平な移行を大規模に実現するモデル
インドのクリーンエネルギーへの転換は、COP33開催候補国としての信頼性を高めている。すでに220 GWを超える再生可能エネルギー発電容量を導入しており、インドは世界第4位のクリーンエネルギー市場となっている。2030年までに非化石燃料発電容量を500 GWにするという意欲的な目標の達成に向けても順調に進んでいる。太陽光発電の買い取り価格は世界最低水準にまで下がり、急速な拡大を後押ししている。
同時にインドは、サウバギャ計画などを通じ、数億人をエネルギー貧困から救い、10年以内にほぼ全国民が電力を利用できるようにした。サウバギャに続き、2027年3月までに1,000万世帯へ屋上太陽光発電を導入するために開始されたPMスーリヤ・ガル・ムフト・ビジリ・ヨジャナは、2025年3月時点で100万件を超える設置を達成し、月最大300単位の電力を無料で提供している。インドがCOP33開催の準備を進める頃には、この取り組みは大規模で人々を中心に据えた再生可能エネルギー導入の世界的な事例となっている可能性がある。
こうした実績により、インドはグローバルサウスにとって身近なモデルとなっている。人口が多く資源に制約がある国でも、グリーン成長が可能だと示しているからだ。世界バイオ燃料同盟や、「一つの太陽、一つの世界、一つの送電網」という構想を含むインドの国際的な取り組みは、国内で移行を進めるとともに、海外で協力の枠組みを築いていることを示している。インドでのCOP33開催は、開発と脱炭素化が対立するのではなく、ともに前進できることを示すだろう。
グローバルサウスのリーダーシップを支える場
突き詰めれば、COP33は誰が気候変動対策の議題を形づくるのかという問題だ。この10年間、グローバルサウスは気候外交で発言権を得てきたが、実際に影響力を持つことはまれだった。インドの開催招致は、その変化を示している。COP33を開催すれば、共同交渉の場、公平な資金調達の新たな枠組み、より強力な適応策の約束などを通じて、インドはグローバルサウスの存在感を制度として定着させられる可能性がある。
これはインドだけの問題ではない。新興国が気候枠組みの主な受け手であることをやめ、解決策をともにつくる側へと変わる転機となるだろう。インドが開催国となれば、COP33は公正さ、公平性、イノベーションがついに世界の気候体制の中核に組み込まれたサミットとして記憶される可能性がある。インドならではの強みは、科学的専門知識と低コストのイノベーションの組み合わせから、デジタル公共インフラやAIなどの新興技術の活用に至るまで、気候交渉に新たな手段をもたらし得る。同時にインドは、気候交渉をより均衡のとれたものにする手続き改革を提唱し、グローバルサウスが資金、技術、強靱性に関する優先課題の設定に加わるよう促すことができる。
インドのCOP33開催招致は、人々を集め、成果を上げ、意欲を引き出せることを証明してきた国の自信と意志を示すものだ。何よりも、気候の未来を自ら形づくろうとするグローバルサウスの決意が表れている。実現すれば、インドでのCOP33は交渉の歴史に新たな一章を加えるだけではない。気候体制が真に多極的で、包摂的かつ革新的となり、危機の規模に見合う野心を備える転機として記憶されるだろう。



