すでに何百万人もの子どもが、気候変動のために移住を余儀なくされています。
国連によると、今や世界の若者の半数が、地球温暖化の影響によるリスクが高い地域に暮らしています。
国連は、こうして住む場所を追われた子どもたちを守るため、9つの原則を発表しました。
2002年5月、当時の国連事務総長で、故人となったコフィー・アナンは、子どもに関する初の国連総会特別会合を主宰し、国連は「子どもたちのためではなく、子どもたちとともに準備する未来」について話し合うべきだと訴えました。
それから20年が経ち、気候変動が世界各地で人々の生活の基盤を揺るがすなか、多くの子どもたちが先の見通せない未来に直面しています。
2020年には、気象関連の事象により、約1,000万人の子どもが避難を余儀なくされました。国連によると、今や世界の若者の半数が、気候変動の影響によるリスクが高い地域に暮らしています。
気候変動で住む場所を追われた子どもたちを守る
こうした状況を受け、ユニセフ、国際移住機関(IOM)、ジョージタウン大学、国連大学は、次の一連の原則を発表しました。気候変動を理由に国境を越える子どもたちを守るための9つの基本原則。
「気候変動に関連して移動する子どもたちは、とりわけ脆弱な立場にあります。それにもかかわらず、政策をめぐる議論では、子どもたちのニーズや願いが依然として見過ごされています」と、IOMのアントニオ・ヴィトリーノ事務局長は述べています。「この指針となる原則によって、子どもたちのニーズと権利が認識されるようにしたいと考えています。」
国連の9つの原則
国連が掲げる原則は次のとおりです。
1:権利に基づくアプローチ
2:子どもの最善の利益
3:説明責任
4:意思決定に関する認識と参加
5:家族の一体性
6:保護、安全および安心
7:教育、医療および社会サービスへのアクセス
8:差別の禁止
9:国籍
最初の指針は、国連が定めた権利に焦点を当てています。それは国連の「児童の権利に関する条約」に明記されています。この条約は1989年に制定され、「人種、宗教、能力にかかわらず、すべての子どもの市民的、政治的、経済的、社会的、文化的権利を定めた法的拘束力のある国際協定」です。
この条約を受けて、世界各地の多くの機関や政府が若者に対する考え方を改め、子どもをそれ自体で権利を有する個人として捉えるようになりました。
国連は、子どもの移住や気候変動に関する決定について、政府が市民に説明責任を負うべきだと主張しています。
また、当局に対し、子どもの最善の利益を念頭に置いて決定を下すよう求めています。この原則は2014年、ツバル出身の4人家族にニュージーランドで難民認定が与えられた際に実践されました。2人の子どもは同国で生まれ、現地に親族や知人のつながりがあり、学校にも通っていたためです。
意思決定の過程に子どもを参加させる
グレタ・トゥーンベリのような気候活動家のスピーチは、多くの若者が地球温暖化について深い知識を持っていることを示しています。国連は、子どもには「気候変動に関する情報を得て、意見を求められ、意思決定に参加する権利がある」と述べています。
政府にはまた、家族の一体性を保ち、移住する子どもが親や養育者に世話をされ、引き離されないようにすることが求められます。
保護を受ける権利も、もう一つの基本原則です。ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルによると、若者は特に「虐待や人身取引の被害に遭いやすく、早婚や児童労働を強いられることも多い」ため、この原則は重要です。
保護とウェルビーイングを念頭に、国連は受入国で教育、医療、社会サービスを利用できるようにすることを主張しています。また、その指針となる原則は、差別をしないことの重要性と、子どもが「国籍を有することを確保し、必要な場合には受入国の国籍を付与する」国家の義務にも焦点を当てています。
「新たな指針は新たな法的義務を定めるものではありませんが、国際法で既に確認され、世界各国の政府が採用してきた重要な原則を抽出し、活用しています」と、ジョージタウン大学国際移住研究所の研究教授、エリザベス・フェリスは述べています。





