40億人の新興国消費者が、カーボンニュートラルかつ気候変動に強い社会を実現できるよう後押しする

This image shows solar panels on rooftops, illustrating the need to be climate resilient
Private capital investment in developing countries is vital to becoming climate resilientImage: Photo Leapfrog
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  • 先進国がどのように途上国を支援し、気候変動に強くなれるようにするかを模索することは、COP27の重要な焦点です。

  • 途上国は、低炭素排出量を維持しながら、消費の拡大という複雑な課題に取り組んでいます。

  • 化石燃料の製品やサービスを飛び越え、低炭素技術へ直接移行することで、途上国はネットゼロへの移行において重要な役割を果たす可能性があります。

エジプトはCOP27の議長国として、アフリカにおける持続可能な開発と、低所得層の消費者を支援する必要性に光を当ててきました。エジプト国民は、気候変動の原因にはほとんど寄与していないにもかかわらず、熱波や砂嵐などの気候変動の影響を強く受けています。富裕国の気候汚染の代償を途上国が重く負うというこの構図は、途上国全体に共通して見られます。

この問題がさらに深刻化するのを防ぐため、低所得国は一見すると矛盾した状況に直面しています。市民が貧困から脱却して豊かさを手にするにつれ消費が急速に拡大する一方で、一人当たりの炭素排出量は低く抑えなければならないのです。

2009年、富裕国は、途上国が気候変動の影響に対処し、気候変動に強くなれるよう支援するため、2020年までに年間1,000億ドルを拠出することを約束しました。Image: IMF

中間層への仲間入りを目指す新興国の消費者は40億人を超えています。世界の成長市場の消費者の購買力は、2025年までに合計で30兆ドルを超えると推計されています。すでに新興国及び途上国市場は、世界GDPの40%以上を占めています。

世界の新興国の消費者が今後の未来を形づくることは避けられません。しかし、気候変動をめぐる議論の多くは先進国に焦点が当てられています。そして富裕国は、そのバランスを是正できない状況が繰り返されてきました。2009年、富裕国は、途上国が気候変動の影響に対処し、気候変動に強くなれるよう支援するため、2020年までに年間1,000億ドルを拠出することを約束しました。その後どの年もこの目標は達成されておらず、必要性は高まる一方です。国連は現在、途上国の気候変動対策を支援するために年間3,000億ドルが必要だと推計しています。世界は、こうした「トップダウン」型の約束が実現するのを、ただ待っているわけにはいきません。

「グリーン・ディスカウント」の紹介

幸いなことに、別の選択肢があります。グリーン・プレミアムは、ビル・ゲイツ氏によって一部広められた概念であり、優れた人材が、イノベーション、補助金、システム変革を通じてそのプレミアムの解消を目指しています。富裕市場の気候投資家にとって注目の焦点となっています。理論によれば、グリーン製品のプレミアムが消えれば、消費者は自然に大量にクリーン製品へと移行するとされています。

しかし、多くの新興市場では、消費者がエネルギー、輸送、建材などの化石燃料ベースの製品に、すでに割高な対価を払っています。そのため、グリーンな代替品は、ますます安価な選択肢になりつつあります。多くの途上市場では、すでに「グリーン・ディスカウント」が存在しており、「ボトムアップ」型の需要のみを原動力として、気候変動に対抗するための新技術やビジネスモデルを拡大する絶好の機会を提供しています。

この機会の規模は途方もないものです。現在、世界には送電網による電力へのアクセスがない、または不十分な人々が18億人おり、その多くがディーゼル発電機や灯油コンロを使って、家庭の電力を賄い、食事を調理しています。私たち全員に課せられた課題は、こうした世帯の電化への移行を、クリーンなものにすることです。幸いなことに、多くの市場では屋根置き型の太陽光発電がすでにはるかに安価になっており、場合によっては最大90%安くなっています。さらに、Sun King、M-Kopa、D.lightなど急成長中の多くの企業が、週わずか3.15ドルから利用できる従量課金制モデルを通じて、こうした屋根置き型の設備を数百万人の低所得層の消費者に提供し始めています。

モビリティ分野でも、同様の動きが低所得層に広がっています。多くの市場では、さやかなガソリンスクーターはすでに時代遅れになっており、一部の国では二輪電気自動車(EV)の走行コストが最大3分の1安くなっています。技術革新の急速な進展により、二輪EVの初期費用もガソリン車と同程度になることが多くなっています。インド、インドネシアをはじめとする市場は、これらの技術の可能性を認識し、クリーンな車両への移行を支援するため、補助金や制度整備を進めています。

こうした新たな芽生えは、低所得層の消費者が豊かさへと上昇していく中で、手頃な価格で脱炭素化された道筋を広げるため、世界の資本市場による支援を受けるべきです。先進市場とは異なり、消費者は購買力が高まるにつれて、低炭素技術へ直接移行することができます。これは、新興国の消費者が他の分野でも先端技術を飛び越えて採用してきた方法と似ています。固定電話を経ることなく携帯電話を導入し、従来型の金融商品を申し込むのではなく、デジタルバンキング革命に加わったのです。

経済的にも成り立つクリーンで気候変動に強い道筋

新興市場には、これまでアクセスが限られてきたため、低炭素技術へ転換する際に大きな「移行コスト」が生じない分野が数多く存在します。このため、このクリーンな道筋の経済性はさらに高まります。緩やかなグリーン・プレミアムがある場合でも、グリーンな製品やサービスは、その品質、耐久性、気候変動への強さを考えると、ますます費用対効果の高い選択肢となり得ます。

こうした機会を捉える世界の投資家は、この成長の恩恵を受けるとともに、その強固な財務的リターンが、これらのソリューションをさらに拡大する助けとなるでしょう。新興市場から気候変動に焦点を当てた資本を取り上げ続けることは、ネットゼロという世界的な目標の達成を不可能にしてしまいます。

公正な移行(経済的包摂と温室効果ガス排出削減が両立する移行)を進めることは、今後数十年にわたり、政府、NGO、投資家にとって大きな課題となるでしょう。需要側に重点を移すだけで、新興国の消費者のニーズを満たし、クリーン技術への移行を全員にとってのより良い生活水準への移行にもつなげられる大きな可能性があります。

2023年を迎えるにあたり、民間投資家は、包摂性という視点から気候変動を捉えることを始めなければなりません。これは、世界の気候目標を達成するための、独自性がありながらも不可欠な戦略です。

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