産業革命前と比べた短期的な地球温暖化であっても、深刻な影響をもたらす恐れがあると、世界気象機関(WMO)は警告した。
専門家は、早ければ2026年にも、この閾値を一時的に超える確率は50%に上ると予測している。
専門家によると、現在の活動と政策が続けば、今世紀末までに世界の気温は約3.2℃上昇する見通しだ。
世界気象機関(WMO)は5月9日、世界の気温が産業革命前と比べて1.5℃上昇する確率は、たとえ一時的であっても、2026年までに50%に達すると発表した。
これは、壊滅的な気候変動を避けるための上限として科学者が設定した、長期的な気温上昇の閾値である1.5℃(華氏2.7度)を世界が超えることを意味するわけではない。
しかし、1.5℃の気温上昇が1年間続けば、長期的な閾値を超えた場合に何が起きるかを垣間見ることになるかもしれない。
地球温暖化:短期間に1.5℃を超える確率は50%
「パリ協定のより低い目標に一時的に到達する可能性が、数値で測れるほど高まっています」と、WMOのペッテリ・ターラス事務局長は述べた。2015年に採択された気候協定に言及したものだ。
短期間に1.5℃を超える可能性は2015年以降高まっている。科学者は2020年にその確率を20%と見積もり、昨年には40%に上方修正した。気温上昇が1.5℃に達する年が1年あるだけでも、世界のサンゴ礁の多くが死滅したり、北極海の海氷面積が縮小したりするなど、深刻な影響が生じる恐れがある。
長期平均で見ると、世界の平均気温は現在、産業革命前の平均より約1.1℃高い。
「気候変動に関連する、または気候変動によって悪化する損失と損害はすでに発生しており、その一部は、予見可能な将来にわたって不可逆的である可能性が高い」と、WMOの気候部門副部長マックス・ディリー氏は述べた。
各国首脳は2015年のパリ協定で、数十年単位の平均で測る長期的な1.5℃の閾値を超えないよう取り組むことを約束した。しかし、これまでのところ、気候を温暖化させる排出量の削減は目標に届いていない。現在の活動と政策が続けば、今世紀末までに世界の気温は約3.2℃上昇する見通しだ。
「1.5℃に達した後も、科学的根拠に基づく排出削減政策がなければ、1.6℃、1.7℃へと近づき、その後も気温が上昇するたびに影響が悪化していくことを忘れてはなりません」と、ジョージア工科大学の気候科学者キム・コブ氏は述べた。
(取材:グロリア・ディッキー、編集:ケイティ・デイグル、ニック・マクフィー)



