ビジネスの未来は?利益だけでなく、目的を

An employee of tech start-up Sendy, which offers online logistics services, works on her computer at their office in Nairobi, Kenya, October 30, 2018. Picture taken October 30, 2018. REUTERS/Baz Ratner - RC1FE1B5F060
Forty-percent of millennials polled for one survey believe the goal of businesses should be to ‘improve society’.Image: REUTERS/Baz Ratner
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私たちは激動の時代を生きています。貧困、不平等、若者の失業、気候変動など、私たちはさまざまな課題に直面しています。

ビジネスの世界では、CEOは憧れの象徴から、厳しい監視の対象へと変わりました。若く「クール」な起業家たち、共有経済を切り開く人々でさえ、今では自社が社会に与える影響について問われています。信頼は究極の通貨となりました。

ミレニアル世代の消費者がこの傾向を牽引しています。「デロイト・ミレニアル世代調査2018」の回答者の40%は、企業の目標は「社会をより良くすること」であるべきだと考えています。これは真剣に考える価値があります。2020年までに、ミレニアル世代は全消費者の40%を占め、年間売上高約400億ドルに影響を及ぼすようになります。

目的を伴う利益追求が、新たな標準になろうとしています。これまで、この概念を推進してきたのは社会的企業やインパクト投資でしたが、どういうわけかニッチな領域にとどまっていました。もはやそうではありません。今、すべてが変わろうとしています。未来のCEOは、自社が善をもたらす力として認められることを望むでしょう。

今日のビジネスリーダーが社会に良い影響をもたらす存在かどうかについて、ミレニアル世代の意見は分かれているImage: デロイト・ミレニアル世代調査2018

ユニリーバは、大手複合企業が中核事業に目的主導の戦略を取り入れていく可能性を示す好例です。退任を控えたCEOのポール・ポールマンは、「サステナビリティ」という言葉に新たな、より深い意味を与えた先駆的なビジネスリーダーの一人です。彼はサステナビリティを、単に正しい行いとしてではなく、成長に不可欠な要素と捉えています。

2010年、ポールマンは「持続可能な暮らしのための開発計画」を立ち上げました。その目標には、10億人を超える人々の衛生状態と生活環境の改善、ユニリーバの事業が環境に与える影響の軽減、工場における男女平等の促進が含まれています。

ポールマンにとって、動機は明らかです。人々が繁栄できない世界で、企業は繁栄できません。人々と環境を守ることは、企業の未来を守ることにつながります。包装材の削減、工場での水の浪費を半減させる取り組み、遠隔地の地域社会への保健・衛生用品の無償提供などを進めるユニリーバには、独立した企業の社会的責任(CSR)部門はもはやありません。その代わり、サステナビリティを中核に据えた新たなビジネスモデルを採用しています。ユニリーバの2017年の純利益は68億4,000万ドルでした。

ポールマンは業界に革命を起こしたのでしょうか。そこまでは言えません。しかし、より多くの企業がサステナビリティの課題を真剣に受け止め、それに応じて事業戦略を変える傾向が確実に現れています。

「Bコーポレーション」の台頭を見てみましょう。これらは、社会的サステナビリティと環境パフォーマンスの基準に基づいて認証された企業です。2006年に始まったBコーポレーション運動は、かつては中小企業で構成されていました。現在では60カ国で2,600社を超える企業が参加し、パタゴニアや、2013年以来コカ・コーラが完全所有するイノセント・ドリンクスなど、大手多国籍企業の参加も増えています。

世界最大級の食品企業であるダノンは、2030年までにBコーポレーション認証を取得するという公約を公表しました。同社のCEOエマニュエル・ファベールは、「従業員、消費者、パートナー、市民社会、政府との信頼を再構築する」ことを目指しています。彼の掲げる「One Planet. One Health(ひとつの地球、ひとつの健康)」というビジョンは、食品のサステナビリティ、健康、環境の交差点に取り組むものです。一例として、ダノンは現在、52カ国の顧客の習慣や健康上の課題を分析し、それに応じて製品を調整しています。最近では、ブラジルの若者の食生活を調査した結果、売れ筋チーズの一つにビタミンを加えました。

私たちは重大な岐路に立っています。昨年のエデルマン・トラスト・バロメーターによると、世界の人々の64%は、政府の介入を待つのではなく、CEOが社会変革を主導することを期待しています。また、実に84%が、CEOに社会問題をめぐる政策論議に影響を与えることを期待しています。全体として、企業への信頼(52%)は、政府への世界的な信頼(43%)を上回っています。

企業はますます、法令遵守の範囲を超えて行動しています。約90%の世界最大企業が、GRI(2016年10月に設立されたグローバル・レポーティング・イニシアティブ)が定めた指標を用いて、サステナビリティの実績を報告しています。160カ国の約9,933社が現在、国連グローバル・コンパクトに参加しています。これは企業戦略を社会目標に沿わせ、持続可能な開発目標を支援するために始まった取り組みです。企業責任は主流になりつつあります。

では、大企業の未来は社会的企業をモデルとするのでしょうか。そうなる可能性は十分にあります。投資家も、金銭的なリターンとともに社会的インパクトを求めています。最近の調査では、資産の多いミレニアル世代の69%が、企業の社会的責任を高い水準で果たしている企業への投資をより重視していることが分かりました。世界では、責任ある投資が急拡大しており、グローバル・サステナブル投資アライアンスによると、過去2年間で25%増加し、総額23兆ドルに達しました。さらに、環境や気候に好ましい効果をもたらすプロジェクトへの資金提供を目的とする世界のグリーンボンド市場は、2018年末までに最大3,000億ドルに達すると推定され、2017年のほぼ2倍となりました。

世界が直面する最も差し迫った問題は、政府や市民社会だけでは解決できないことがますます明らかになっています。今こそ企業が力を貸す時です。環境負荷の軽減から、より健康な社会への貢献、強制労働との闘いまで、利益と目的のバランスを取れば、企業は大きな成果を上げられます。Bコーポレーションの「相互依存の宣言」にあるように、その根底にあるのは「害を与えない」「すべての人に利益をもたらす」という考え方です。

投資家や消費者が、金銭的なリターンとともに社会に前向きな変化をもたらす企業を選ぶ傾向が強まるなか、大企業が大きなインパクトを生む社会的使命を掲げる流れは続きそうです。問われるのは、何人のビジネスリーダーが勇気を持って役割を果たすのかということです。世界を変える仕事は、彼らの手に委ねられています。

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