世界のトップ企業が活用する戦略的フォーサイト——あなたも取り入れてみませんか

In an uncertain world, strategic foresight is an indispensable tool for top organizations.
In an uncertain world, strategic foresight is an indispensable tool for top organizations.Image: Getty Images/iStockphoto
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  • 戦略的フォーサイトとは、開かれた姿勢を保ちながら体系的に、未来を探り、想像し、予測するための一連の手法です。

  • 調査によると、トップ組織の最大90%が、すでにこの手法を事業戦略に取り入れています。

  • 予測がますます難しくなる世界で、戦略的フォーサイトの実践は、より重要であると同時に、より困難になっています。

2023年、事業環境の短期的な動きにその都度対応するだけでは不十分です。企業は、目前にある課題だけでなく、その先に潜む課題も見据えなければなりません。そのために不可欠なのが、戦略的フォーサイトです。

戦略的フォーサイトは、事業環境における長期的な変化を予測し、より良い意思決定を今行えるよう組織を支援します。開かれた姿勢を保ちながら体系的に、未来を探り、想像し、予測するための一連の手法です。組織は、未来を形作る複数のシグナルや変化の推進要因をもとに、新たに生じる課題や機会を特定し、検討できます。

事業環境の不確実性と複雑性が増すなか、戦略的フォーサイトは企業にとってより重要になっています。また、その実践はますます広がっています。

戦略的フォーサイトを活用する

2020年の調査欧州と米国の大手企業の上級管理職を対象に実施された調査で、実施機関はニュルンベルク市場意思決定研究所(NIM)です。この調査では、程度の差はあるものの、90%を超える企業が組織内でフォーサイト活動を行っていると結論づけています。約34%の企業は、戦略的フォーサイトを担当する独立した事業部門があると回答しました。一方、過半数の企業は、フォーサイト活動を他部門の業務に含めるか、管理職の追加的な責任としていると回答しました。

戦略的フォーサイトは一般的な取り組みですが、専任の事業部門を設けている企業は依然として少数です。Image: ニュルンベルク市場意思決定研究所

少なくとも米国と欧州では、大企業の間で戦略的フォーサイトが広く定着しています。しかし、その導入状況や、業務フローやプロジェクトへの組み込み方には大きな差があります。

戦略的フォーサイトの実践を詳しく見ると、改善の余地があることが分かります。意思決定にあたり、2人に1人を超える管理職がトレンドレポートを「役立つ」または「非常に役立つ」と評価しているようです。一方、シナリオレポート、社内のフォーサイト専門家による活動、未来をテーマにしたワークショップやその他のワークショップ形式などでは、その割合が大きく下がります。

トレンドレポートは、フォーサイトから得られた知見を組織内で共有するための、手軽で有用な方法です。管理職にとってなじみのあるトレンドも多く、経営会議で取り上げるのも自然です。

しかし、たとえば自社の業界の未来について議論を始めようとすると、話はずっと複雑になります。未来は予測できないこと、そしてシナリオレポートには複数の異なる未来像が示される可能性が高いことも、同時に伝えなければならないからです。

意思決定者の立場から見ると、レポートが答える以上に多くの疑問が生じることがあります。たとえば、複数のシナリオをどう解釈するか、異なる未来に備えるにはどうすればよいか、そもそもそれが可能なのか、といった疑問です。フォーサイトの情報を有効に活用する力は、それ自体が一つの能力です。適切な訓練と一定の経験が求められます。

フォーサイトの成果物が、戦略的な影響を伴う事業上の意思決定に役立つと考える経営意思決定者は少数です。Image: ニュルンベルク市場意思決定研究所

より良い意思決定のための戦略的フォーサイト

調査によると、この種の思考法の訓練を受けた意思決定者は、不確実な環境により適切に対処できます。この点で、リーダーシップ研修では、不確実な状況下で適切な意思決定を行うこと、自分自身や他者の前提に疑問を投げかけること、変化の弱い兆候、すなわち「周辺視野」に注意を払うことに重点を置くべきです。

事業上の意思決定にフォーサイトを活用するには、レポートを読むだけでは不十分です。フォーサイトの成果物が組織の存続に関わる問いを提起する場合は、特にそうです。

シナリオを意思決定に効果的に活用するには、意思決定者はレポートを受け取るだけの姿勢から、介入する姿勢へと転換する必要があります。このアプローチは「組織的介入」とも表現されます。関連するトレンドを議論し、未来のシナリオを策定するプロセスに意思決定者自身が加わる必要があるためです。つまり、フォーサイトには意思決定者の関与、注意、積極的な参加が欠かせません。

フォーサイトのプロセスに参加することで、意思決定者は未来(または複数の未来)について理解を深め、リーダーシップチーム内で課題を議論するための共通言語を見つけ、当然視されている前提をチームで問い直せるようになる、という考え方です。そこには、将来の変化に関する前提や、さらに重要かもしれない点として、意思決定者が属する業界で何が安定していると見なされているかについての前提も含まれます。もちろん、これはトレンドレポートを渡すだけの場合より、はるかに難しいプロセスです。

フォーサイトを活かす

市場での戦略立案と意思決定にフォーサイトをより有効に活用するため、企業は次の問いに答える必要があります。

1. フォーサイト活動の成果物は、意思決定プロセスでどのように活用されていますか。フォーサイトから得た知見を広めるうえで、あなたや組織に適した形式は何ですか。それはなぜですか。

2. 意思決定者がフォーサイトの成果物を自らのプロセスに組み込むのを妨げているものは何ですか。

3. 社内におけるフォーサイトの位置づけを、どのように強化できるでしょうか。フォーサイトの知見を生み出すプロセスに、意思決定の要素を取り入れたことはありますか。どのような障壁に直面し、どうすれば乗り越えられたでしょうか。

これらの問いを検討し、答えることで、あらゆる組織は、公的機関、民間企業、その他のいずれであっても、不安定で予測困難な新時代を、より自信を持って乗り越えられます。

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