これは日本の人口問題の解決策になるのか?

Japanese women in kimonos ride a train after a ceremony celebrating Coming of Age Day at an amusement park in Tokyo January 13, 2014. According to a government announcement, about 1,210,000 men and women who were born in 1993 reached coming of age this year and the number is 10,000 less people than last year. The figure is the smallest number since the government started counting in 1968. REUTERS/Yuya Shino (JAPAN - Tags: SOCIETY TPX IMAGES OF THE DAY) - RTX17C63
The answer for slowing the streams of youth fleeing farming areas for the cities lies in tourism.Image: REUTERS/Yuya Shino
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私たちは、移動を続ける人々の文化になった。「どこの出身ですか?」という質問を、今では日常的に交わす。答えが「ここです」であることはめったにないと思っているからだ。相手の出身地を知れば、その人がどんな人で、どんな物語を持つのかがわかる。しかし、「いつ戻るのですか?」とは決して尋ねない。

自分が何者なのかを知るには、出身地を離れなければならないと思い込んでいる。それは、場所が自己認識と深く結びついているからだ。マズローの欲求のピラミッドの頂点にあるものではないかもしれないが、出身地への誇りは、帰属意識の根幹にある。

若者たちは出身地の周辺にとどまらず、大都市へと押し寄せ、地方のコミュニティは事実上、高齢者のための施設になりつつある。2010年には世界人口の8%が65歳以上で、この割合は2050年までに倍増すると見込まれている。多くの高齢者が地方にとどまる一方、若者はそこを離れ、大都市がもたらすより大きな機会を求めて移住する。世界の都市居住人口は、2050年までに約70%に達すると予測されておりその多くをミレニアル世代が占める。

この現象が最も顕著なのが日本だ。人口の27%が65歳以上で、都市人口は約55%にのぼる。安倍晋三首相の政権は、若者に子どもを持ってもらい、地方に住んでもらうため、さまざまなインセンティブを導入してきたが、上からの取り組みでは傾向を十分な速さで変えられていない。むしろ、地域主導の小規模なプロジェクトが最も大きな成果を上げている。こうした地域の取り組みは、課題に対処すると同時に、社会的・経済的な機会も生み出す。これは、ウェンデル・ベリーが同名の1981年のエッセイで述べた、古典的な「パターンを解決する」事例だ。

こうしたモデルでは、農村地域から都市へと流出する若者を食い止める鍵は観光にある。人々は帰属意識を求める。そして、それを出身地に求める代わりに、旅を通じて見つけようとすることも多い。昨年のITB旅行・観光トレンドレポートでは、ミレニアル世代の旅行者の主な傾向として、本物の文化を体験したいという欲求、異なる暮らし方に触れたいという思い、地域の人々と交流したいという希望が挙げられた。

奈良県の吉野は、川沿いに広がる工業の町だ。毎年ひと月のあいだ、伝説的な桜を背景に自撮りをする大勢の観光客を集める。しかし、桜の季節が過ぎると、急速にゴーストタウン化している。人口は約7,000人だが、地元の幼稚園に通う子どもはわずか10人で、推定200人が毎年、町を離れて都市へ向かう。

吉野杉の家は、Airbnbの共同創業者ジョー・ゲビアが立ち上げた新しいプロジェクトだ。2階建ての杉の小屋で、2階は宿泊施設、1階は宿泊客向けのキッチン兼ダイニングスペースであると同時に、地元住民の集いの場にもなっている。選ばれた高齢者のグループが運営を担い、宿泊客を迎え、周辺に息づく豊かな文化や地元の人々を紹介する。たとえば、「森の番人」との森歩き、酒造り、箸作り、地元シェフによる寿司作り教室などだ。利益はすべて地域に還元される。

表面的には、観光客が絶えず訪れることで小規模事業が存続し、雇用機会も生まれる。しかし、高齢者への小規模な経済効果や、若者がツアーガイドになる可能性に加えて、さらに大きな恩恵がある。若い住民は、よそから来た人々が自分たちの出身地に魅力を感じていることに気づくのだ。地元の人々が吉野ならではの物語を語る機会となり、そのことが土地への誇りを育む。

同じように誇りを生み出す取り組みの例が、カナダのニューファンドランド島沖にあるフォゴ島でも進んでいる。フォゴ島から若者が流出する問題は、カナダ政府が1992年にタラ漁の一時停止措置を導入したことで急激に深刻化した。それによって島の主要産業と経済、そして島民の誇りは、一夜にして打ち砕かれた。

これに対抗するため、地元に戻ったジータ・コブは、フォゴ・アイランド・インを2013年に開業した。ラブラドル海を見渡す、風雨にさらされた岩場に建つ29室のホテルは、人口が減少する島にとって命綱となっている。この宿は、コブが設立したショアファスト財団の取り組みの一環だ。同財団は小規模事業に立ち上げ資金を提供し、若い島民が島にとどまり、次世代のために地域文化を守り続けるよう後押しすることを目指している。

コブは島民とともに、地元の技術、素材、工芸を生かして宿を建て、フォゴ島の文化をその本質から物語るものにした。宿は約150人を雇用している。島の人口2,400人のうち、かなりの割合だ。そこでの体験は、土地に根ざした強い感覚を存分に味わえるよう設計されている。ベリー摘みや氷山見学から、キルト作りや小舟レースまで、島のコミュニティ文化を、その生き生きとした独特の魅力ごと讃える体験ができる。コブは今や島を比類ない目的地として広く知らしめ、その結果、島民の誇りを支えている。

農村観光は、旅行者がインスタグラムに投稿するための素朴な暮らしを見せるだけではない。地元の人々は、自分たちが何者かを語り、どこでどのように暮らしているのかを他者に示すことで、自らのアイデンティティを形作り、帰属意識を深めていく。

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