自分が優勢だと分かっていても、モチベーションを保つ方法

A porter carries luggage past a group of reception staff that are reflected in the floor as they stand in the foyer of the five-star rated Sofitel Hotel in Beijing November 19, 2007. City tourism officials and Olympics organizers are confident Beijing's 700-plus star-rated hotels can absorb the onslaught of half a million foreign and domestic visitors expected each day for 17 days beginning August 8, 2008. REUTERS/David Gray (CHINA)
“Sometimes being ahead boosts our motivation and performance and sometimes it actually hurts,”Image: REUTERS/David Gray
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トライアスロンや、ゲーム要素を取り入れた販売コンテストなどの競争に参加している自分を想像してみよう。序盤は首位に立ち、自信を感じていて、それがさらに努力することにつながるように思える。終盤まで先頭を保つものの、やがて意欲が衰え、パフォーマンスが落ち始め、負ける危険が高まる。

さまざまな競技の参加者に共通するこうした心理の流れが、新たな研究で明らかになった。研究を行ったのは、スー・チー・ホアンスタンフォード大学経営大学院のマーケティング学助教授と、共同研究者である、デューク大学のジョーダン・エトキン、そしてリイン・ジン復旦大学の研究者だ。この研究は、近くJournal of Personality and Social Psychologyに掲載予定で、競争の序盤では、勝てる可能性があると参加者に感じさせることで、首位に立つことが意欲を高める一方、終盤では、勝利に必要な追加の努力が少ないと思わせることで、首位に立つことがかえって意欲を低下させると示している。

「優勢なときは、意欲やパフォーマンスが高まることもあれば、実際には損なわれることもあります」とホアンは言う。

しかし、競争終盤で首位に立つ人も、自分が首位であることではなく、過去の競争での自分の優れた成績など、別の高い基準に目を向ければ、意欲を保つことができる。その比較対象が加わることで、さらに努力することがよくある。

この研究は、より多くの商品を販売する、廃棄物を減らす、慈善活動のために資金を集めるといった目標に向け、従業員の意欲を高める手段として競争を活用する組織に役立つ。参加者の意欲がいつ低下しそうか、またその段階でどうすれば意欲を取り戻せるかを知ることで、参加や成果を最大化できる。

ホアンによると、競争の序盤は、イベントの目新しさに加えて、相手や自分の能力が分からないため、そもそも勝てるのかと不安になる。そこで序盤にリードを奪うと、勝利は手の届くものだと感じられ、意欲が高まる。しかし、勝てるかどうかを気にしなくなると、参加者は勝利に向けてどれだけ追加の努力が必要かを計算し始める。

「先頭を走る人は、必要な努力を過小評価し、そのため早々に気を緩めます」とホアンは言う。

複数の研究のうち一つでは、136人の参加者がそれぞれ別の参加者一人と、5ラウンド制の競争で賞金を懸けて対戦した。各ラウンドで参加者は5色のリストを記憶し、その後に示される色のリストにそれらの色が含まれていたかを答えた。勝利が手の届くものに思えるか、また勝つにはどれほどの努力が必要かを測るため、競争の序盤と終盤の参加者に、「勝つのはどれほど難しいと思いますか」と1から10の尺度で答えてもらい、「勝つにはあと何点獲得する必要があると思いますか」と自由記述欄に記入してもらった。

研究者らは、参加者が色のリストを記憶するのに費やした時間を追跡し、意欲を測定した。その結果、競争の序盤では、相手より優勢で勝てると感じていた参加者ほど、色を記憶する時間が長かった。競争の後半では、自分が優勢だと考えていた参加者は、勝つのに必要な努力は少ないと判断したため、記憶に費やす時間が短かった。

終盤に意欲が低下するのを防ぐ方法を探るため、研究者らは別の研究を実施した。公立大学の2つのキャンパスから2,500人を超える学生を募り、大学図書館への書籍寄付運動に参加してもらった。各キャンパスの学生には、もう一方のキャンパスと競争していると伝えた。中古本をより多く寄付したキャンパスには、新刊購入のために500ドルが贈られることになっていた。

6日間の競争中の意欲を測るため、研究者らは、2,500人の学生のうち何人が寄付を申し込み、実際に何冊寄付したかを追跡した。競争4日目に、全学生に自分のキャンパスが相手より優勢か劣勢かが知らされた。優勢なキャンパスと劣勢なキャンパスの一部の学生には、「本学の申し込み数は、最も多かった年と比べてまだ10%少ない」と知らせる追加通知も届いた。残りの学生には追加通知は届かなかった。

追加通知を受け取らなかった優勢キャンパスの学生の意欲は低下し、参加率は3.9%に下がり、1人当たり平均1.52冊を寄付した。一方、通知を受け取った学生は1人当たり平均2.8冊を寄付し、参加率は8%だった。

「自分の現在の水準より高い別の基準に目を向けることで、意欲を保つことができます」とホアンは言う。

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