若き世界のリーダーたちが、持続可能で包摂的な未来を築く

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毎年、ヤング・グローバル・リーダーズ・フォーラムは厳格な選考プロセスを通じて、世界各地のさまざまなコミュニティや業界から40歳未満の優れたリーダーを見いだし、選出し、その功績をたたえています。こうした若きリーダーたちは、今日私たちが最も必要としているもの、すなわち希望、共感、誠実さ、そして世界をより良く変える解決策を推進する力を体現しています。

こうした効果的なリーダーシップが、これほど必要とされた時はありません。最新の国連の気候変動報告書は、人間の活動による炭素排出が引き起こす地球温暖化を食い止めるには「今しかない」と警告しました。また、世界的なパンデミックが2年続いた後、地政学的緊張の高まりと社会の分断の深まりに対処するには、拡張可能で連携の取れた行動が求められています。

この困難な時代は、世界の状況を責任ある形で改善するというリーダーの役割を示す機会です。

2022年のヤング・グローバル・リーダーズ(YGL)クラスは男女同数で、42カ国の代表が参加しています。そのうち10人に、リーダーが影響力を活用して、より包摂的で持続可能な未来を築く方法について意見を聞きました。

クラスの全メンバーはこちらこちら。

ヤング・グローバル・リーダーズ・フィルム2022
ヤング・グローバル・リーダーズ・フィルム2022
01:28

「取り組みに全員を巻き込む」

平野未来、最高経営責任者、シナモン、日本

持続可能で包摂的な未来は、私たち全員が努力して初めて実現できます。リーダーは地域社会での影響力を生かし、この変化を先導しなければなりません。シナモンAIは創業以来、国境を越えて優秀な人材を集め、多様な職場環境をつくるとともに、全従業員の教育と育成に力を注いできました。小さな一歩ではありますが、先進国と開発途上国をつなぎ、異文化交流を促すことで、多様な視点が生まれる余地をつくり、包摂的な環境を育んでいます。それによって従業員が社会のグローバル化に関わり、その推進に貢献する方法も変わりました。

「組織の垣根を越える」

ベネティア・ベル、グループ最高サステナビリティ責任者、ガルフ・インターナショナル・バンク(英国)

リーダーは従来の分野の境界を越えるよう自らに求め、いつもの人脈の外にも目を向け、持続可能な開発に向けた相互支援を見いだし、動員する必要があります。世界経済フォーラムが調整役を務めるガルフ・インターナショナル・バンクの人道支援・レジリエンス投資イニシアチブでは、赤十字国際委員会、国際救援委員会、USAIDなどの同僚と協力し、レジリエンス投資の障壁に取り組んできました。この課題について私たちは非常に異なる見解を持っていたため、オープンな姿勢で関わることが不可欠でした。信頼を築き、共通の言葉を見つけるには時間がかかりました。

「ビジネス上の必須課題にする」

キャロライン・ブランチ・イスラエル、マネージング・ディレクター兼パートナー、ボストン コンサルティング グループ、オーストラリア

多くのリーダーにとって、多様性、公平性、包摂性は優先課題であり、企業の価値観や倫理方針にも定着しています。それでも、包摂性を人事部門の領域から経営幹部の中核に移すには、まだ取り組むべきことがあります。

多様なチームと業績の相関関係は、複数の研究で示されています。例えば、私たち自身の調査によると、職場で自分がLGBTQ+であることを公表している従業員は、より大きな力を発揮できると感じ、生産性が高まり、創造的なリスクを取る意欲も強くなります。

業績とイノベーションへの効果は明らかです。私は、多様な声が発揮される場をつくり、型にはまらないチーム編成から生まれた成功をたたえ、企業文化が高い成果の妨げとなる場合にはその点を指摘することで、このつながりをチームや顧客、取締役会の同僚に意識してもらうよう努めています。

リーダーが包摂性とインパクトの結びつきを明確に示すほど、真に公平な企業の未来を実現できる可能性は高まります。

Image: ボストン コンサルティング グループ

「人的資本の潜在力を最大限に引き出す」

ハマド・アル・マヒード、研究・プロジェクト担当次官、バーレーン首相府

そのためには、政府と企業のリーダーがそれぞれの関係者に力を与える必要があります。包摂的で持続可能な未来は、道徳上の責務であるだけでなく、存続に関わる問題でもあるからです。バーレーン王国の新型コロナウイルス感染症対策タスクフォースの一員として、包摂性を重視することが生死を分ける場面を幾度も目にしました。医療とワクチンへの公平なアクセスは、同タスクフォースの基本原則でした。したがって、包摂性はパンデミック後も引き継がれ、私たちが直面する残る課題への取り組み方を導くべきです。包摂性は持続可能な未来の前提条件です。

「望ましい成果と実行計画を定める」

ジェームズ・ムニュペ、ナミビア大統領経済顧問兼グリーン水素担当コミッショナー、大統領府

ゲインゴブ大統領の「ハランビー繁栄計画II」に携わった経験から、リーダーが持続可能で包摂的な社会経済の実現を目指すなら、相互に補完し合う望ましい成果を、適切に意欲的なポートフォリオとして構想し、策定しなければならないと学びました。そのビジョンを実現するには、堅固な実行計画とチーム、モニタリング・評価の枠組みが必要です。構想を練る過程も、その後の歩みも、それ自体が包摂的であるべきです。しかし、真に影響力を持つには、物語に思いやり、共感、弱さを見せる姿勢を織り込むことが欠かせません。結局のところ、私たちは感情を持つ人間だからです。

「若者に力を与える」

エヴァ・オティエノ、アフリカ戦略担当プリンシパル、スタンダードチャータード銀行、ケニア

アフリカの若年人口は、問題とも機会とも捉えられます。アフリカの若者が積極的に関われば、持続可能性を高めることができます。それを実現するのはリーダーである私たちの責任です。

スタンダードチャータードでは、私自身も参加した世界水準の国際大学院生プログラムに投資してきました。このプログラムは若い卒業生に機会を提供し、将来のリーダー職へと後押しします。

私が共同創設者を務めるフィラームジュアニ財団では、恵まれない若者の技能訓練に投資してきました。彼らは今、クリエイティブ産業で安定した仕事に就き、経済成長の包摂性を高めています。

「言行を一致させる」

ズリエル・ナイカー、産業部門(中東・アフリカ)および営業部門(アフリカ)マネージング・ディレクター、マーシュ・マクレナン、南アフリカ

リーダーとしての役割は、議論で立場を示したり、政策策定に携わったりするだけにとどまりません。私たち自身が持続可能で包摂的な未来を体現しなければなりません。多様な人々が集まる力を生かせば、次世代に向けた勢いを生み、築き、維持できます。私たちの行動は善をもたらす力となり、世界が今直面する複雑な問題の解決に役立ちます。私は企業で、多様性に富む高い成果を上げるチームをつくることでこれを実践してきました。そこで得た経験は、気候変動、持続可能性、多様性、貧困削減など、私たち全員に関わるより大規模な問題に取り組む際にも役立っています。

YGLとは?

「貿易を近代化する」

ナタリー・ブラック、アジア太平洋地域担当女王陛下貿易委員、国際貿易省、英国

リーダーたちが現在直面する数多くの国際経済問題への対応に苦慮する中、国際貿易が取締役会や政府閣議の議題でこれほど重要になったことはありません。テクノロジーがもたらす機会をすべての人の利益につなげる、近代的な貿易のあり方が、持続可能で包摂的な未来を実現するために必要です。COP26は、ネットゼロの未来が手の届くところにあることを示しました。その実現に向け、貿易のデジタル化は重要な役割を担います。アジア太平洋地域では、世界初のデジタル貿易ネットワークを立ち上げ、欧州初となるシンガポールとのデジタル経済協定を締結しました。これはまだ始まりにすぎません。

「包摂性の価値を示す」

カルロ・ペレス=アリスティ・モラレス、パートナー、ベーカー&マッケンジー、メキシコ

議論を効果的に組み立てれば、リーダーは組織が持続可能性と包摂性を実現する変化を取り入れるよう後押しできます。そのためには、導入する変化が、その組織に将来の便益、利益、またはリターンをもたらすことを示す必要があります。

包摂的なチームが前面に立つと、提案がより好意的に受け止められる場面を何度も見てきました。そして仕事を受注した後も、そもそも受注につながった多様なチームは、創造性をさらに発揮し、投資収益率を高め、より効果的な意思決定を示しました。

リーダーが包摂性と持続可能性の価値を組織内外に示せば、組織の評判が高まり、新たなビジネスへの扉が開かれます。

「自ら手本を示す」

アンヌ=ロール・マロザ、パートナー兼中東地域DEI責任者、ベイン・アンド・カンパニー、アラブ首長国連邦

組織が存在意義を重視する時代です。リーダーは影響力を活用し、より持続可能で包摂的な未来を築く必要があります。短期的な利益より長期的なインパクトを重視し、さまざまな利害関係者と協力して、前向きな変化をもたらす力となることができます。

人を第一に考えることから始め、自ら手本を示すことも欠かせません。ベインでは、事業を展開する社会の多様性を反映し、従業員に共感を持って接し、チーム、顧客、地域社会にインパクトをもたらすことを目指しています。私たちが共に残したいレガシーに関わることです。

ライセンスと再掲載について
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