人口高齢化と移民:ドイツの人口動態をめぐる課題

Migrant children pose before passing the Austrian-German border in Achleiten, Austria, across from Passau, Germany, October 29, 2015. REUTERS/Michaela Rehle - RTX1TUZL
Germany cannot expect to see a sustained, moderate shrinking of its retirement-age population until after 2060.Image: REUTERS/Michaela Rehle
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過去2年間にドイツへの移民が過去最高水準に達したことで、同国の人口予測に疑問が投げかけられている。しかし、ドイツの人口構成が急速に望ましい方向へ変化しているからといって、退職や年金をめぐる政治的に痛みを伴う政策決定を先送りする理由にはならない。

今世紀初頭、信頼できると考えられていた予測では、移民の減少と出生率の低さにより、ドイツの人口は2050年までに1,000万人以上減少すると見込まれていた。現在、人口予測は大幅に明るさを増している。政府の最新の試算によると、ドイツの人口は2060年まで8,000万人を上回る可能性があり、労働供給の減少も、かつて懸念されていたほど深刻ではないかもしれない。

ドイツへの移民数が激しく予測困難な変動を繰り返した一方、ドイツからの移住は比較的安定していたため、人口動態の予測は大幅な修正を余儀なくされた。

1990年代初頭のソ連崩壊後や、1990年代半ばのバルカン戦争後など、移民が多かった時期には、将来も純移動数が比較的高い水準にとどまると想定され、人口予測はかなり楽観的だった。

Image: ドイツ内務省

ところが、今世紀に入ると、ドイツの低調な経済成長と2005年まで続いた失業率の上昇により、新たに移住しようとする人々が敬遠し、同国への移民は大幅に減少した。純移民の減少を反映して、予測担当者は将来の推計も引き下げ、その結果、2005年以降に始まった人口増加の10年間を過小評価した。

人口増加には、移民に加えて出生率と平均寿命も影響する。2015年、ドイツの合計特殊出生率は30年ぶりに上昇し、女性1人当たり1.5人となった。家族支援の重点化や経済の回復によって、子どもを持つ際の経済的リスクが軽減されたことが背景にあるとみられる。現在の出生率は今後も比較的安定すると予想されている。しかし、1950年代から1960年代のベビーブームも、1970年代の出生率の急激な低下も、誰も予見していなかったことを忘れてはならない。

平均寿命も同様に予測が難しい。ここ数十年、平均寿命は人口学者の予想を一貫して上回るペースで延びてきた。このため、長寿化と、それに伴う将来の退職年齢人口の規模が、系統的に過小評価されているのではないかとの疑問が生じる。

一般に人口予測は、各時点の状況下での平均余命を示す静態生命表、つまり期間生命表を起点とする。一方、特定の年齢集団が最終的に何歳まで生きたかを事後的に明らかにする世代生命表は、通常、期間生命表よりもはるかに高い平均寿命を示す。

たとえば、1910年生まれのドイツ人女性の当時の平均余命は50.7歳だった。しかし、後から振り返ると、2度の世界大戦を経験しながらも、平均58.8歳まで生きた。この考え方に従えば、2009年生まれの女性の平均寿命はすでに88歳を超えているはずだが、現在の人口推計では、新生児の平均寿命がその水準に達するのは2060年とされている。

このことは、人口推計には比較的大きな誤差の幅があることを示している。多くの経済成長モデルが想定するのとは異なり、人口動態は純粋な外生変数ではない。経済発展などの要因によって変化しうる。

今後数十年にわたりドイツが現在の経済成長率を維持すれば、移民、出生率、平均寿命という人口増加の3つの要因すべてが上昇し、人口は比較的安定する可能性がある。このシナリオでは、移民を労働市場に統合し、高齢労働者の労働参加率を高めることができれば、既存の社会福祉制度を支える財源を確保しやすくなる。

しかし、人口動態の予測における唯一の「定数」、すなわち人口の高齢化を忘れてはならない。現在、ベビーブーム世代はなお経済活動に従事しており、当面はその状態が続く。だが、2035年までには退職し、ドイツでは67歳以上の人口が2,100万人を超える。その半数は2050年までに80歳を超える。長寿化が現在の予想より速く進めば、この年齢層はさらに大きくなる。

退職年齢人口が持続的かつ緩やかに減少し始めるのは、2060年以降になるとドイツは見込まざるを得ない。したがって、移民の増加と堅調な経済成長を理由に、すでに実施した年金改革を骨抜きにする提案は、著しく無責任である。ドイツは現在の高齢化の一時的な足踏みを活用し、社会制度の長期的な持続可能性を確保するとともに、年齢に応じた仕事を創出し、住宅やインフラを高齢社会のニーズに適応させるべきだ。

さらにドイツは、人口増加の3つの要因、とりわけ移民を管理するため、積極的な人口政策をとるべきである。過去2年間、純移動数は難民申請者の流入に大きく左右された。今後数年、あるいは数十年の間に保護を必要とする人の数は、まだ見通せない。中東の危機が解決できるかどうか、また、域外国境の保全と包括的な難民政策の策定に向けた欧州およびドイツ自身の取り組みに左右される。

こうした変数を踏まえると、難民申請者が移民の動向に及ぼす影響の度合いを予測したり、制御したりするのは容易ではない。これに対し、欧州連合(EU)域外からの経済目的の移民は、国レベルで管理できる。したがってドイツの政策立案者は、移民法における国内の要件の役割を、より重視すべきである。今こそ、人口増加は自らの政策によって方向づけられる政策目標だと認識する必要がある。

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